L'Appréciation sentimentale

映画、文学、漫画、芸術、演劇、まちづくり、銭湯、北海道日本ハムファイターズなどに関する感想や考察、イベントなどのレポート

夕張へ② 鈴木直道市長との座談会

2013-06-21 18:11:30 | まち歩き

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前回からの続き。
鈴木直道市長の話は、最初は財政破綻に関する経緯から始まって、その後に参加者からの質疑応答という流れになった。
「財政破綻からどう立ち直っていくかが問題。お金を返すだけならサービスを考えなければ可能。でもそれはまちを疲弊させる」。街を疲弊させずに借金も返し、夕張を復興させるにはどうすればいいのか。

座談会で出た内容は以下の通り。

・DMV(デュアル・モード・ビークル)を使うことでバスの待合室が鉄道の駅にもなる。住宅の再編だけでなく、交通も有機的に機能することが可能!
・市長の給料手取り19万。交通費、交際費なし。本州の講演会に行く交通費も他のイベントとタイアップして捻出するなど、工夫している。
・新しいものを創らず、古いものを活かす。
夕張新聞といった、地元民のブロガーによる情報発信も行っている。
・カタールにメロンを輸出。一玉100万円でも購入するアラビア人はたくさんいる。
・反面教師としての夕張を題材にしたドキュメントを制作している集団がいる。ベネッセの教材でもインタビューを受けたり、JTBとタイアップした夕張ツアーも行っている。
 ※ダークツーリズムとしての夕張は面白いはずだ!
・廃校利用として、使用条件を無料にして使って欲しい。
・夕張は市の施設が多いので維持費が大変。
・図書館と学習塾もないので、子どもたちの集まる場が必要。錬成会が夏期合宿を行っている。
・老人の集まる場はたくさん有り、
・夕張国際映画祭は、6千万円ほどかかる費用のマネタイズが大変。市は一円も出していない。スポンサー募集中です!

などなど。

夕張は、65才以上の割合が45.9%で日本で一番高齢者が多い。産業がなくなり若者が流出など、マイナスのカードだらけに見える。
だからこそ、である。
逆手に考えると、プラスに転じることが出てくるはずだ。

人口減少モデルの最先端を走っている夕張は、日本の未来をリアルタイムで経験できる。これは巨大なアドバンテージだ。先例がないゆえの難しさはあるが、だからこそ、突拍子もないアイデアを実現させやすい。夕張を考えることは、日本の未来を考えることと同義だ。夕張発の新しい事業は、日本をよみがえらせる先進的なロールモデルとして、ピンチをチャンスに変える起爆剤となるだろう。

そのためにも、周りの市町村や有志の人たちとの連携も不可欠だ。札幌に住んでいる人たちが、もっと夕張を活用して面白いことを創出し、発信していく必要がある。

埼玉出身、元東京市職員で「夕張を夕張だけで見てはいけない」と話す鈴木市長の視野は果てしなく広い。中央との太いパイプを持ち、「自分を上手く使ってほしい」と自らを広告塔に持ち前のフットワークの軽さで縦横無尽に飛び回り、人を引きつける明るいオーラを漂わせる鈴木市長。「夕張なんてなくなった方がいい、と言う人がいるが、なくせるものならなくしてみろ、と言いたい」と、ひるみ無く毅然とした態度も心強い。鈴木市長からは見習うところだらけだった。

終了後は、参加メンバー何人かと食堂で夕食をとり、夕張市に貢献。この夕鹿の湯も市の施設でもあるのだ。引き続き、夕張の問題については今後も考えていきたい。


夕張へ 夕鹿の湯

2013-06-21 17:58:27 | まち歩き

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先週土曜日、夕張に行ってきた。CoworkingCafe36主催のイベントで、夕張市の鈴木直道市長と北海道について語るためである。

夕張。
2007年に財政破綻したため、不本意ながらも全国に名が知られることになったまちである。名前ばかりが一人歩きしている感じだが、実際に目で見てみないとわからないことだらけだ。

スケジュールは、午後3時に夕鹿の湯(旧ユーパロの湯)に集合し、温泉を堪能して午後5時から市長と対談である、。札幌から夕張まで交通機関で行くには、バスでは中央バスと夕鉄バスの二種類。時間に間に合いそうなのが夕鉄バスだった。新札幌発大谷地バスターミナル経由で夕鉄バス本社行きの便が一日3往復出ている。あるいはJRだと、清水沢駅からバスという手段がある。札幌から清水沢駅まで特急を使わない場合は、3回ほど乗り換える必要があるのでなかなか大変だ。

大谷地バスターミナルから片道1時間25分ほどで、夕鉄バス本社ターミナルに到着。思ったよりもはるかに近い。こんなにもアクセスが容易だったとは今更ながら初めて知った。バスターミナルの待合所に設置されているTVでは、水道橋博士が番組を降板する場面が放送されていた。

夕鉄バス本社のターミナルでCoworkingCafe36のMさんと落ち合い、同行していたNさんの車で夕鹿の湯へと向かう(感謝!)。夕鹿の湯までの道路では、土曜のためか、ほとんどすべての商店のシャッターが閉まっていた。途中で道を左折し、坂を上がってしばらく行くと夕鹿の湯に到着。参加者も続々と到着してロビーに集合しはじめた。座談会の始まる5時まで自由時間となったので、まずは温泉に入ることに。

温泉は、強塩泉とアルカリの二種類。ほかに、寝湯に薬湯、バイブラなど、種類も豊富。低温の方が強塩泉で茶褐色である。入ってみると、皮膚がぴりぴりするくらい成分が濃い。そのためか、体感温度は高く感じられる。露天風呂も強塩泉。屋根がないので解放感がハンパない。冬だとおびただしい星が輝く下で露天風呂を楽しむことができるだろう。アルカリのほうは高温で、今回は熱くてパスせざるを得なかった(いつかリベンジしたい)。

露天風呂では、Nさんたちと「空き家を借りて、週末だけ夕張で過ごすのはどうか」という案も出た。温泉から上がった後は、食堂奥の座敷で水分補給をしたり本を読んでいるうちに時間となり、鈴木直道夕張市長と秘書がやってきた。続きは次回