過去インディーズデビュー曲『愛の種』から、最新のメジャー32thシングル『笑顔YESヌード』まで、モーニング娘。の10年の歴史を彩った34曲のビデオクリップの中にも、数多くの素晴らしい作品が有りました。
初期モーニング娘。のアーティストイメージを確立した『抱いてHOLD ON ME!』
青い海と空の太陽よりも、眩しく輝く娘たちの笑顔に心癒された『真夏の光線』
娘たちの心の中に宿る、ふるさとの記憶を辿る『ふるさと』
世紀末の日本列島を席巻し、金髪の13歳のウインクにハートを打ち抜かれた『LOVEマシーン(完全版)』
地球を飛び出し銀河を旅した黄金期の代表作『恋愛レボリューション21』
歴史的転換期に、黄金の9人が新世紀に挑む決意を示した『ザ☆ピ~ス!』
ビッグバンドに大階段と13人の娘、全てが豪華だった『Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~』
後の大変革と波乱の未来を暗示した問題作『Do it! Now』
娘たちが持つパワーとエナジーをありのまま開放した『女子かしまし物語』
世代を超えて娘たちが世界に向けて発信するメッセージ『歩いてる』
その中でも私が最も感動的な名作だと信じて疑わない作品が、『I WISH(完全版)』です。
2000年のモーニング娘。黄金期に発表された10thシングルで、ジャケットについてもモーニング娘。のシングル全作品中、最も優れたデザインだったと思います。
この曲のビデオクリップには、歌の前に次ぎの様な場面が有ります。
絵本の表紙が開かれて、その本の中の世界のお話です。
~夢をあきらめない すべての人達へ~
夢のお城の遠く遠く―
小さな街のそのまた はしっこに住む少女達の物語
“いつかはみんなで たどりつこう! いつかはみんなで 一緒に!”
おそろいのジャンバーと おそろいの夢を持った少女達がいました
“みんなでいれば最高!だったはずなのに”
こんなんじゃいけない!
私達が集まったあの頃の夢を もう一度みんなに話さなきゃ
ひとりひとりに声をかける少女がいます
“みんなは本当に忘れちゃったの? あの気持ち...”
いつもみんなで集まったあの場所で
あのジャンバーを着て待ってるよ!
夕暮れの街はずれ
約束の時間 約束の場所へ
仲間たちを待つ、一人ぼっちの少女がいます。
もう、誰も来てくれないのかな?
そんな寂しそうにため息を吐く真里ちゃんの肩を叩く人がいました。
振り向くとそこには、笑顔で声を掛けてきた裕ちゃんの姿が在りました。
思わず嬉しそうな笑顔で言葉を交わす真里ちゃん。
続いて かおりんと なっちが、二人のもとに近付いてきました。
嬉しそうに話す4人に声を掛けようか迷い、物影から見つめる よっすぃ~と梨華ちゃんに、「さあ行こうか」と後ろから声を掛け促す圭ちゃん。
うなずく よっすぃ~と梨華ちゃん。
仲間たちとの再会に、何度も跳び上がって喜ぶ真里ちゃん。
笑顔の7人。
でも、まだ全員揃っていない。
ゆっくりと一人一人を数える裕ちゃん。
辺りを見回し、仲間たちを探す娘たち。
やがて現れた3人の娘。
みんなが注目する。
振り向いた ごっちん。
仲間たちの姿を確認し、微笑む ごっちん。
はしゃいで喜ぶ あいぼんとののちゃん。
抱き合って再会を喜ぶ、真里ちゃんと ごっちん。
お互いに向き合って、無邪気な笑顔で喜びを表す あいぼんと ののちゃん。
そして10人の娘たちが見つめる先には、虹の向こうで光り輝く夢の城が見えていました。
この世界には楽しそうに歌い踊る10人の娘たちと、何時も賑やかで楽しそうで、平和に暮らす街の人々が居ました。
あいぼんの歌い出しで始まるこのビデオクリップを、何時しか私は涙を堪えながらでしか見る事が出来なくなってしまいました。
その想いは時が経つにつれて、また当時のメンバーが一人また一人とモーニング娘。から去って行く度に、より強くなって行きました。
時は流れ、あと2週間ほどでモーニング娘。から、当時を知る最後のメンバーが旅立って行こうとしています。
私はね、たとえ当時のメンバーが全て去ってしまう時が来たとしても、何時の日か何かの機会に集結して欲しいと、心の中で願っていたのです。
(2005年のNHK紅白歌合戦にて、思いがけずこれ以上の夢の競演が実現したのですが。)
このビデオクリップの様に、一人また一人とステージの中央に集まって来る娘たちの姿を夢見て、知人にも語っていた事がありました。
でもね、この様に10人の娘たちが集う事は、もう無いのかもしれない。
本当に夢の中でしか、再会する事は出来ないのかも知れない。
決して叶わぬ願いと解っていても、みんなが幸せだったあの頃に戻りたいと願う自分の心と、日々追われる様に前に向かって歩み続ける自分の姿が在り、今はただ時折当時の記憶の中に自らの心を置いて来る事しか出来ないとさえ思っていました。
「こんなんじゃいけない!」
私は突然先程紹介したビデオクリップの中の台詞を思い出しました。
そうだ、たとえ可能性が限りなく失われてしまったとしても、自らその可能性を放棄してしまってはいけないのです。
忘れかけていた大事な事を、私は今思い出したのです。
モーニング娘。は【夢】【希望】【愛】【勇気】と言った大切な想いが込められた数多くの歌を歌ってきました。
その想いと歌は、どんなに長い時を経ようとも、決して色褪せる事はないだろうし、決して変わる事は無いのだ。
だからこそ、亜依が娘たちが残した歌と記憶と伝えてきた想いを、何が有ろうと決して闇の中に封印してしまってはならないのです。
それが無理だと言われるならば、せめて我が心の中に残る記憶を一生の宝物とし、せめて私が出来る範囲で何か行動し、伝えたいと思いました。
一年余に亘って願い続けてきた、亜依の復帰は残念ながら叶わぬ夢となってしまいました。
だけど、まだ終わっちゃいない。
彼女は来年の2月に、二十歳になります。
あと一年足らずです。
二十歳と言えば、世間の大多数の人が社会に出る年齢なのです。
彼女は多くの同世代の女性が出来ない様な、実に様々な出来事を経験した十代を過ごしましたが、彼女だってこれからの人生が大事なのです。
私は既に年寄りです。
この先、彼女ほど長く生きる事は出来ないでしょう。
このまま諦めてしまっては、私は死の間際まで一生後悔し続ける事でしょう。
私は祈る。
あと一年、いや何年掛かるのか解りませんが、彼女が再びスポットライトを浴びる世界に帰って来て我々の前に姿を見せてくれる時が、芸能界に背を向け何か違う世界での彼女の活躍を風の便りに聞く時が、とても幸せそうな彼女の姿を不意に何処かの街角で見かける時が訪れる事が有れば、私は何も悔やむ事は無いでしょう。
何時の日かこんな日が来る事を、私は願い信じ諦めずに応援し待ち続けます。
そうすれば、亜依が残した歌と記憶と想いは何時か必ず再評価され、多くの人たちに伝えられていくでしょう。
だから亜依にも忘れないで欲しい。
私は決してあなたを軽蔑したりなんかしない。
純粋すぎるあなたの行く末が、純粋すぎるあなたの心がズタズタに切り裂かれていないか心配なんだ。
死線を乗り越えてこの世に授かった命と、あなたの唯一無二の人生を大切に生きて欲しいと。
そして亜依の最愛の相棒の希美に願う事。
どんな困難にも負けるな!信じる道を進めと。
最後に亜依と希美に伝えたい事。
私たちファンが付いている。
何時の時代も変わらない。
亜依と希美を、娘たちを応援し続ける私の信念は何時までも変わらない。
娘たちの夢に終わりはありません。
娘たちの物語は、常に形を変えつつ永遠に続きます。
だからこそ私は、娘たちの未来を信じて今日を生きるのです。
亜依と希美の未来を信じて明日を生きるのです。
『I WISH』 ビデオクリップ(Dohhh UP!)