第59話 浄増寺（悟劫との再会）

　品川駅から外（２Ｄフィールド）に出ると、
　周囲の様子が一変していた。
　濃い緑色の瘴気が街を包み込んでいる。
　浄増寺に向かっていく途中、
　数人に声を掛けてみた。

忙しそうな女性
「今度は浄増寺が封鎖してるの？
　また事件なの！？」

　あ、またこの人か。
　忙しそうな女性というより
　慌てている女性の方がしっくりきそうだ。

ベテル所属自衛官
「悪魔……！
　いや、ベテル所属の者か。
　ああ、驚かせてすまない。
　自分ら、総理直属の部隊は
　悪魔討伐の任を受けているんだ。
　この特殊なサングラスを通して
　君の傍らにいる神造魔人を視認できるよ。」

　神造魔人を視認できる……？
　一般市民には視えていないという事か？
　普段はステルスなんだろうか？

交通誘導の警官
「浄増寺は立入禁止で……
　あ、ベテルの方でしたか、話は聞いています。
　お通りください。」

　警官もベテル関係者だろう。
　浄増寺に入ってみると、
　周囲は火の海と化していた。

アオガミ
「これは……」

　いたるところに悪魔が死んでいる。
　妖鬼オニや天使エンジェルの姿があった。
　妖鬼オニが侵入してきた悪魔で、
　天使エンジェルがそれに立ち向かったのだろう。
　生き残っている悪魔がいないところを見るに、
　襲撃してきた悪魔たちは
　どこかに移動したのかもしれない。

　その先では寺が激しく燃えていた。
　その手前には悟劫の姿が。
　吼よりも先にこちらの世界に戻ってきて
　いたのかもしれない。

悟劫
「ベテルから助けが来ると聞いておる。
　ヌシらがその援軍か？」

　悟劫は地に坐したまま、数珠を手に
　燃え盛る寺に向けて手を合わせる。
　そしてゆっくりと立ち上がった。

悟劫
「拙僧は悟劫と申す。
　以後お見知りおきを。」

　とは言ったが悟劫はすぐに気付く。

悟劫
「ふむ、初対面かと思うたがヌシらの気配……
　そうか、ヒュドラを狩った少年であるな。
　浄増寺は東京にある重要な結界の一つで、
　ベテルに協力し、東京を霊的に支えてきた。
　だが……混沌の悪魔どもの襲撃により、
　ついに寺の結界が破られてしまった。」

　悟劫は腕を組んだまま、
　燃えている寺を見て語り続ける。

悟劫
「結界を破ったのはラフム。
　ヤツは悪魔を率いて縄印学園へ向かっていった。
　ヌシはラフムを追い学園へ向かうといい。」

　大鳳吼とアオガミはナホビノになり、
　小さく頷いた。

！クエスト
　「浄増寺に向かおう」
　を達成しました。

　経験値3000EXPを得た。

　品川駅から浄増寺に着いただけで3000EXP？
　経験値ボーナスだ、これは素直に嬉しい。

　では急いで縄印学園へと向かう。

　Save
　Name 大鳳吼
　Location 東京