海風に吹かれて

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クリスマスの鐘が鳴る前に eighth episode

2009-01-01 00:44:19 | 短編小説 クリスマスの鐘が鳴る前に

   

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 それから一年の月日が経った。
 あの男の子のおかげなのだろうか?
 不思議な事に、亜矢はもう一度一年をやり直す事が出来た。
 やり直してみると、以前は感じる事が出来なかった祐二の思いを、ひしひしと感じる事が出来た。
 そして、自分自身の気持ちに気付く事が出来て、それを素直に伝える事も出来た。
 今日はあの男の子に出会った、クリスマスの日。亜矢は、あの時とは全く違う気持ちでこの日を迎えた。
 男の子の事は、一日たりとも忘れる事はなかった。
 クリスマス塔の前を通り過ぎる時や、あの時の公園を歩く時、亜矢は男の子の姿を探さずにはいられなかった。
 あれ以来会う事はなかったけれど、丸一年やり直して戻ったこの日なら、会えるような気がした。
 亜矢は、朝早くからクリスマス塔へと向かった。
 今夜のライトアップのために、忙しく準備する人たちで塔の前は慌ただしさでいっぱいだった。
 亜矢はそれを横目に見ながら、公園へ向かった。
 あの日座ったベンチに腰掛けると、祐二のために編み始めたマフラーを取り出して、男の子が現れるのを待った。
 だけど、男の子は一向に現れる気配がなかった。

 夕方まで待って、さすがに冷え込んできたので、亜矢は家に帰ることにした。
 明日は祐二が帰省してくる。
 その為の準備もしたかったし。

 亜矢はクリスマス塔の前を通って帰ろうと思い、わざわざ遠回りをした。
 まだどこかで、男の子に会えるのではないかという期待を捨て切れなかったからだ。
 クリスマス塔の準備は滞りなく終了していて、あとは夜になるのを待つだけだった。
 ふと亜矢は、いつもは閉め切られている塔の入口の扉が開いている事に気付いた。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
短編って気がしない (sadayaan)
2009-01-02 00:10:09
いやぁ、なんか安心したよ。
結果がハッピーエンドっぽくて。(コレで終わりじゃないんだよね?)


>不思議な事に、亜矢はもう一度一年をやり直す事が出来た。

けどさ、この一言になんか全てが詰まってる気がしてさ。自分でなんか色々想像しちゃったよ。
seventh~ でお互いが心から分かり合えたからさ、離れていても一年間頑張って行けたんだろうなって想像したんだわ。
だから、僕的には「seventh-01 episode」~「seventh-30 episode」くらいの話が想像出来たのかもね。

うぅ~ん。
このままハッピーエンドで終わるといいな。
スゲーどきどきしてるよ。
誰かさんが僕のブログに残してくれた、コメントというでっかい置き土産をこなしながら、アップされるのを待ってみようかな
返信する
うふふふふ。sadayaan。 (ミナモ)
2009-01-02 15:32:00
細かいことを書いちゃうと、話がつまらなくなるし、なんせ短編! って決めてたから、匂わすような表現にとどめといたの。

ちゃーんと30話程のストーリーを思い浮かべてくれたなんて、すごく嬉しい
(sadayaan、もしかして…リンクするような想い出でもあった?? 笑)

さてさて、ハッピーエンドで終わりますやら?
続きを読んでみてね♪

誰かさんの置き土産???
はて??? なんの事でしょ
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