わたしは「先生」という大人が割と好きだった。
友達の中には、「先生=敵」みたいに考えている尾崎チックな子もいたけど、わたしはそうではなかったと思う。
それは、わたしが先生に恵まれていたからかもしれない。
中には、人格を疑うような先生がいたのも確かだけれど。
自分が「先生」と呼ばれる立場になって、過去に出会った先生たちの大きさを知ることができて、今さらながら、「先生、ありがとうね」と言いたい気持ちになった。
高校時代の校長先生が好きだった。
たぬきを思わせるその風貌と、柔らかい関西弁の親しみやすい先生だった。
誰からも満遍なく慕われるような先生ではなかったけど、そこがまた人間味があって良かった。
ある日わたしは、広い広い音楽室の掃除を一人でしたことがあった。
みんなさぼってどこかに行ってしまったのだ。
その後校長室に行ったとき、わたしは先生にこう話した。
「わたしだって本当はさぼりたいんです。でももしわたしがさぼったら誰も掃除をしないことになります。自分ばかりが損をしているように思えます」
すると先生は、「人生は損得なんかでは計れないのだから、自分が正しいと思ったことをやればいいんだ」と言った。
そのときのわたしにはまだ若くて、あまり染みてこなかった言葉だっただけど、大人になった今、それが真実なのだとわかるようになった。
先生、ありがとうね。今さらだけど。
その先生の詩を紹介しよう。
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淋しさを感じるから 親しみがわく
厳寒の冬があるから 春がうれしい
暑い夏だから 一杯の水がおいしい
空腹だから 満腹できる
悲しみがあるから 優しさを知る
怒りがあるから 許しがわかる
旅立ちがあるから 到達できる
思い通りにならぬから 祈りを覚える
僕がつまずいて 友よ、君に出会えた
〈榎本栄次〉
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先生はその後校長を辞め、今は愛媛で牧師をしているそうだ。
久々に先生に会いたいなあと思う今日この頃だ。
友達の中には、「先生=敵」みたいに考えている尾崎チックな子もいたけど、わたしはそうではなかったと思う。
それは、わたしが先生に恵まれていたからかもしれない。
中には、人格を疑うような先生がいたのも確かだけれど。
自分が「先生」と呼ばれる立場になって、過去に出会った先生たちの大きさを知ることができて、今さらながら、「先生、ありがとうね」と言いたい気持ちになった。
高校時代の校長先生が好きだった。
たぬきを思わせるその風貌と、柔らかい関西弁の親しみやすい先生だった。
誰からも満遍なく慕われるような先生ではなかったけど、そこがまた人間味があって良かった。
ある日わたしは、広い広い音楽室の掃除を一人でしたことがあった。
みんなさぼってどこかに行ってしまったのだ。
その後校長室に行ったとき、わたしは先生にこう話した。
「わたしだって本当はさぼりたいんです。でももしわたしがさぼったら誰も掃除をしないことになります。自分ばかりが損をしているように思えます」
すると先生は、「人生は損得なんかでは計れないのだから、自分が正しいと思ったことをやればいいんだ」と言った。
そのときのわたしにはまだ若くて、あまり染みてこなかった言葉だっただけど、大人になった今、それが真実なのだとわかるようになった。
先生、ありがとうね。今さらだけど。
その先生の詩を紹介しよう。
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淋しさを感じるから 親しみがわく
厳寒の冬があるから 春がうれしい
暑い夏だから 一杯の水がおいしい
空腹だから 満腹できる
悲しみがあるから 優しさを知る
怒りがあるから 許しがわかる
旅立ちがあるから 到達できる
思い通りにならぬから 祈りを覚える
僕がつまずいて 友よ、君に出会えた
〈榎本栄次〉
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先生はその後校長を辞め、今は愛媛で牧師をしているそうだ。
久々に先生に会いたいなあと思う今日この頃だ。
怒りがあるから 許しがわかる
思い通りにならぬから 祈りを覚える
ってところがわたしは好きだよ。
少しホロッときました。
こんな風に、生徒の心に残る言葉を伝えられるって、すごいと思いました。