イマココLIFE

キャリア18年の研修講師。少し心が軽くなるセルフケアやマインドフルネスの事、研修講師のお仕事を綴ります♪

「痛み」とマインドフルネス

2023年06月13日 | マインドフルネス
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)認定講師(IMA/ドイツ , IMCJ/日本)、ヒューマンスキル研修講師のマグノリアです。

マインドフルネスやコミュニケーションについて、ブログに綴っています。


私がマインドフルネスと出会うきっかけは、仕事や環境のストレスでした。
自分で『ストレス』を抱えているという自覚が全くない中で、身体が強いストレス反応を示しました。


さて、マインドフルネスといえば『ジョンカバットジン博士』です。
慢性的な疼痛を抱える患者に対して、10週間のマインドフルネスのプログラムを行ったのが、1985年。

痛みを抱える自分自身の身体に対しての否定的なイメージが軽減したり、痛みを抱えながら活動することに前向きになったり、不安・不快な気分や自己肯定感が改善したり、とさまざまなな効果が認められました。

プログラム終了後も、患者はマインドフルネス瞑想を続け、効果は持続されたそうです。

これをもとに『マインドフルネスストレス低減法』を確立し、現在広がるマインドフルネスの柱となっています。


実は現在、私自身が痛みと付き合っています。もうかれこれ10ヶ月。

今こうしていても、ビリビリと電気が走るような刺激が、強くなったり弱くなったりしながら肩から肘にかけてあります。


よく「痛い!」と口にしますが、痛みとは概念です。
”痛い”と感じる刺激を観察してみると、ビリビリの時や重だるさの時、ギューッと絞られている感じの時など、随分違うものです。
概念ではなく、実際に起きていること感じている感覚を解きほぐしてみましょう。

痛みを感じているその感覚は、一体どんなものなんだろう?
強さはどうかな?
感覚の間隔はあるかな?
などと、面白がるように眺めます。

監視観察は大きく異なります。
監視は厳しい視線。
観察は興味の視線。

優しい好奇心を持ちながら観察をして、「あ、今こんな感じなんだ」とマインドフルに気づいてゆくのです。


しかし、身体の感覚(この場合は痛み)にだけ視点を向けていると、身体感覚が研ぎ澄まされて、痛みを感じやすくなってしまいます。

そこで、”優しい好奇心を持って気づいた痛み”に対して、どんな感情が湧いてきているか、どんな考えが浮かんできたか、視線を切り替えてみます。

痛みと隣合わせにいながら、感情や思考を観察すると、どんなことが起こるでしょうか?


私の場合は、注意の焦点が変わる事で、少し身体感覚から距離が生まれる(痛みの刺激が少し穏やかになる)ように感じます。
決して痛くなくなるわけではないのですが😅

また、痛みに対して浮かぶ感情や思考は、ネガティブなものばかりでは無い事に気づくときもあります。

「痛いのは嫌だ」「いつまで続くのか」などの他に
「今まで頑張ってきたからなんだなぁ、ご苦労様」「感じるって生きているからなんだよね」など。

ネガティブが良くなくて、ポジティブに考えよう!ということではなく、心地よさも不快さも、痛みをきっかけにこんなにあるんだなぁ、という気づき。

こうして身体の感覚や感情、考えを、少し距離を持ちながら眺めると、不思議と心が落ち着き、「どれどれ、もう少しこの痛みと付き合っていくか」という気持ちになります。


私達のストレス要因はさまざま。
反応もさまざまです。
辛いなぁ…というとき、ほんのひと時、呼吸を感じながらマインドフルな時間を過ごしてみましょう。

今日もお読みいただきありがとうございました。


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10 コメント

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Unknown (kisousai)
2023-06-13 10:10:37
コメント失礼致します。私も現在椎間板ヘルニアに始まった脚の痛みで、夜も眠れない日々となっております。
マインドフルネスを学習中でもあり、何かこの痛みに応用できないかと考えておりましたところ、貴記事を拝見し、大変参考になりました。
「付き合ってやるか」という気持ちになれるように気持ちをコントロールしてみます。貴重な記事をありがとうございました。
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Unknown (kakiage)
2023-06-13 10:11:21
こんにちは😃
私も10年ほど前に二の腕から肘あたりにビリビリとした痛みがあり、ひどい時は寝返りを打つだけで飛び起きるほどでした。後に診断された結果は五十肩。我慢せずにサッサと病院に行けばよかったと後悔しました。私の場合、原因が分かると案外スッキリするもので、分からないことの不安が痛みを助長させる気がします。
お大事になさってくださいね。
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Unknown (magnolia-wl)
2023-06-13 10:23:49
@kisousai さま

コメントをいただきありがとうございます。
椎間板ヘルニアの痛みはお辛いと伺います。痺れの不快感、浅い眠り、大変なのでしょうね…。

ブログにも触れましたが、ジョンカバットジン博士は医学博士として、ステージの高いがん患者や治らない疼痛に悩む患者に、瞑想とムーブメント(ヨガ)を用いました。

治ったり痛みがなくなったりするわけではないけれど、向き合い方や付き合い方が変化していくのですね。

私自身、心のストレスが身体に現れたことがきっかけでマインドフルネスと出会いましたが、このような形で痛みについても体験出来ています。

難しさを感じることもありますが、また好奇心を持って”つきあってやろう”という気持ちです。

kisousaiさんにも良いきっかけとなりますように。お大事になさってください。

マグノリア
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Unknown (magnolia-wl)
2023-06-13 10:29:31
@kakiage さま

コメントをいただきありがとうございます。
五十肩だったのですね。
私の肩も、つまり五十肩です😅長くかかることは覚悟していましたが、想像以上におつきあいが長くなり、想像以上に痛い💦

kakiageさんがおっしゃる”わかったらかえってスッキリ”というのは、まさに真理の一つですね。
怒り、恐怖、不安の原因の1つに”わからない”があるなぁ、と実感することが多いです。

マインドフルネスは治療にはなりませんので、医学ともちゃんとつきあい、バランス良く自分の身体を扱いたいですね。

ありがとうございます。

マグノリア
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Unknown (kisousai)
2023-06-13 10:32:19
@kakiage 様、お気遣い痛み入ります。五十肩は酷い症状のようで、周りにも多いですが本当に辛そうです。今はよくなられているということでよかったです!
私も予備軍なので腕回すようにします。

原因特定ですね。まさにそこが今ネックにもなってまして…
複数の医者から「気のせい」だとか「何でこれで痛いのかわからない」とサジを投げられております。
原因特定されていれば確かに納得できるので、痛みが無視できないくらい辛いのは見えない不安があるからなのでしょうね。
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Unknown (kisousai)
2023-06-13 10:39:15
@magnolia-wl 様、コメント誠にありがとうございます。心のストレスが原因だったのですね。そういう意味では、私も「ストレスで身体全体が緊張状態にある」とは言われているので、ジョンカバットジン博士のアプローチは私にも効果があるかもしれません。『マインドフルネスストレス低減法』に当たってみます。
『好奇心』ですね。「何で君はそんな痛みを出してるんだい?」と付き合ってみることに致します。
大変貴重なご意見ありがとうございます😊
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Unknown (magnolia-wl)
2023-06-13 11:14:33
@kisousai さま

マインドフルネスストレス低減法について、博士の著書があります。
北王路書房、春木豊訳【マインドフルネスストレス低減法】

マインドフルネスストレス低減法MBSRのコースは、わたしも開催しています。
https://wellnesslab-magnolia.wixsite.com/wellnesslab
次回日程は未定ですが、よろしければご覧ください。

頭でいろいろ考えるより実践することを大切にしているのがマインドフルネスです。

マグノリア
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Unknown (kisousai)
2023-06-13 11:34:59
@magnolia-wl さま、ご案内ありがとうございます。非常に深刻な状態ではあるので、次回開催される時には、お世話になるかもしれません。

まずは博士の著書で個人練習してみます。ワークブックもあるようですね。しっかり手を動かしていきます。
色々とご丁寧にありがとうございました!
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Unknown (umaonaosora3104)
2023-06-14 20:45:44
痛みのない私が入っていいのかわかりませんが、みなさんのコメントを読んで、緩和ケアが頭に浮かびました。
イマココさんが書かれていたように、マインドフルネスにより痛みの注意の焦点を変え、身体感覚から距離を生み出す事も痛みに対して有効であるように感じました。緩和ケアでも心理的な面からのサポートでマインドフルネスを活用してるところもあるのでしょうね。(私の好きな読経や神仏に一心に祈る行為も身体から距離をおくことができるて考えます)。
少し論点ずれたコメントですみません。
みなさん、お身体を大事にしてください。
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Unknown (magnolia-wl)
2023-06-15 06:46:12
@umaonaosora3104 さま

いつもコメントありがとうございます。

緩和ケアにも有効では?という見解、おっしゃる通りです。
ジョンカバットジン博士は厳しい病状の患者にも、マインドフルネスの実践を指導しています(著書に記載があります)。

以前、私自身が受講していたMBSRのコースの受講生仲間に、治療が難しい病状の方がいました。
辛さ、苦しみと、生きている実感や支えてくれる家族や医療関係者への感謝をたくさんシェアしてくださいました。

全てを解決出来るような魔法ではありませんが、思うようにならない現実や上手くできない自分自身とも、少し仲良くなれそうな、そんな効果があるのかもしれませんね。

マグノリア
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