以前在籍していた研究室の院生(D1)から連絡が来た。中退して医学部を受け直すとのこと。中退理由は口にしなかった。
近年、医学部を目指す研究者及び院生をよく目にする。彼らの転向の理由は主に、
①研究職に就くのが困難
②研究職への不適
である。①の理由で医学部を目指すことには賛成しない。パーマネントの職が見つかるまで、非常勤やバイトで糊塗する方がリスクが少ないと思われるからである。問題は②からの転向だが、これはリスクの高い賭けだ。医学部学士編入試験の倍率は20-100倍を誇る。多様な人材を募集と謳っておきながら、偏差値エリートしか受かっていないのが現状だ。一般入試から受けなおすのが近道であろう。医師になれば食いぶちに困ることはないが、素人が想像するほど裁量権のある職種ではないようだ。一般的な技能者に過ぎない。
②を減らすにはどうすればいいのだろうか。大学院を受験する前に研究職の実情を身をもって体験させるのが一番かと思う。学部3年生の段階で進学希望者には自由に研究室への出入りを許し、自分に不向きと分かったら就職へと転進させればいい。単なるお客様扱いするのではなく、テーマを持たせ、責任を感じさせるのも重要だ。
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