(ほとんど)シネマ日記

できるだけたくさん映画を見たいという希望をこめて

オーシャン・オブ・ファイアー

2004-05-16 11:39:54 | 映画あ行
なかなか面白かったですね。この映画、ヴィゴ・モーセンテンも無口なカウボーイを好演していましたが、なんと言っても名演技は、野生馬(ムスダング)のヒダルゴでした。意思のある馬の姿がとてもよく撮影されていました。

白人とインデアンの混血として生まれたフランク(ヴィゴ・モーセンテン)は、ムスタングの生き残り「ヒダルゴ」と一緒に西部劇ショーの興行に雇われて街々を転々としていた。インデアンは居住地を追われ、ムスタングは抹殺される時代であった。そんな折に、観客としてきていたアラビア貴族から砂漠を舞台に繰り広げられる3000マイルの長距離レース、オーシャン・オブ・ファイアへの参加を誘われる。フランクとヒタルゴは仲間のカンパを受けて、大西洋を渡ってレースに参加する。フランクたちは西部劇の好きな部族長(オーマ・シャリフ)から歓迎を受けるが、他の参加者からは、異教徒の出走はレースに対する侮辱だといって蔑まれる。レースに参加しているのは、選りすぐれた血統のアラブ馬とイスラムの王子たちだった。

このレースは、現代で言うとパリ・ダカール・ラリーようなものだったようですね。宿営地を転々としながらゴールを目指して走り続けるわけです。まるで奇想天外な大ボラ映画じゃなく、車の無かった時代にはきっとこんなレースをやったに違いないと思わせるように描かれています。途中、さらわれたお姫様を助け出したり、悪者が出てきて落とし穴を掘ったりしているところは、まるで「チキチキ・マシン大レース」のような感じですが、実のところは単純な砂漠のレースのスペスタクルではなくて、歴史の谷間に忘れ去られようとしている混血児と雑種の馬が、冒険を経て自分の居場所を見つけ出していく物語になっています。最後にインデアンの血が、フランクとヒダルゴを救うのです。観終わって満足感を得られる映画でした。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。