昨年2月の「ニンゲン御破算」でドカンとその毒にハマったものの、
(でも周りの勘九郎さんご贔屓らしい着物の老婦人方は
「わからない、わからないわ…」としきりに呟きながらお帰りになってましたっけ…)
以降じぇんじぇんチケットが取れず、気付けば1年以上ぶりかよ!の松尾スズキもの。
「ドライブイン カリフォルニア」を、下北沢の本多劇場に観に行ってきました。
==================================
ご注意!以下はネタバレがあります
==================================
「ニンゲン…」の残忍さも漂う毒のイメージと「日本総合悲劇協会」というユニット名?から
阿鼻叫喚の殺戮地獄みたいなモノをなんとなく想像してたら、序盤から首吊り遺体2つ。
ひぃぃぃあんまりエグいのは苦手だ~~(T T)!!
と思ったのですが。
意外なことに、哀しいことはもちろん哀しいのですが、
最後にほんのりと優しさが残るような物語でした。
話の内容も、難解だったりクセがあったりということがなく、
日常空間が舞台だったことともあいまって、
(いや、あんなヘンな人たちは日常におらんだろう、とは思うけど)
"笑い"でデコレーションはしてるけど、屋台骨はシンプルかつスタンダードな物語だったと思います。
家族が次々と命を絶ってゆき、自分もまた「いつか自殺するのではないか」と
死への怯えと憧れに惑わされるマリエ役の秋山菜津子さんが良かった。
ストーリーの中で、14年の年月が流れたり、また逆に戻ったりするんだけど、
その中でどの年齢を演じても自然。
女優さんによっては、精神的に追い詰められていくさまを、
声を張ってヒステリックに現わしちゃいそうな役だけど、静かに絶望していくさまがリアルでした。
また、その妹をどうにか支えようとしながら、どうしてもうまくいかない兄(あまりにもシスコン)
小日向文世さんとのコンビネーションが、また、もう、見ててもどかしくて…くーっ。
息子が亡くなったときに、「次に自分が死ぬのは、必然なのだ」という演技は、
誰しも実は心の奥底に持ってる「もう死んじゃおっかなー」という気持ちを刺激するんで、
見ているこっちも、ちょっとしんどくさえ感じました。
対して、いちばんの救いに感じられたのは『泣きたいのに涙が出ない』小池栄子。
○○少年が死んだとき、「お葬式で泣けなかったから、せめて焼き場では泣きたいの」と、
精神集中している姿。そして、最後に少年に成仏を決心させたひとこと。
「泣けるようにがんばろう。
泣けなかったら…目薬をさそう。」
ここに、松尾スズキの観察眼(眼力)を感じました。
涙を流すより、実はずっと切なさを醸し出す言葉じゃないか、と。
普通のお葬式で、泣けないとちょっとした罪悪感を感じて、純粋に悲しむより周囲の目が気になって
「なんとか涙の2,3滴もタレねーかなー」と思うことも、ままありますよね?
でも、純粋に、死者を安らかに見送るために、目薬使ってまでもナミダを流したいのです。
すごいね。胸がきゅっとなったよ。
(まったくの余談。
観に行った日に帰って『メントレ』を観たらちょうど彼女がゲストで
実家が下北沢のパチンコ屋さんだったと言っていた……もしかして実家から劇場へ通勤??)
その他の大人計画の女優陣(片桐はいり/猫背椿/田村たがめ)も、
とてもキュートでございました。ハイ。
たとえ
観光地によくあるような、顔の部分だけくりぬいてある撮影用パネルに首突っ込んで
「抜けないっ! 抜けないっ!」って騒いでも、
ぶんなげられて足蹴にされても、
股間を押さえて
「女の人におちんちんをぷらんぷらんされたことがある人生と、ぷらんぷらんされたことない人生は、絶対違う!」と力説しても
(私、この台詞には他愛もなく感動いたしました)
……一般的な妙齢の女性としては、かなりひどい扱いを受けてると思うんだけど、それでも。
最近見たいろんなお芝居の女優さんたちに比べても、ひときわキュート!でした。ほんとに。何故!?
( 荒川良々は、出てくると全部もってってしまうのが、ある意味困りモノ(笑)。
危険なスナイパーか、キミは。さすが獅童さんに「歩いてるだけでおかしい俳優」といわしめたオトコ)
そして。
いやー、仲村トオルの新しい活用法を見たね☆
別に何か面白いコトしてるわけじゃないんだけど、
クセのあるメンツばっかの中に、飛びぬけた長身ですらっと立ってるとことか
みょーに大音声で話すところとか、なんか「デクノボー」感満載で意味なくおかしい。
(一瞬、この役アテがきなのか?とか思いました。再演だっつのよ)
彼については、野沢尚ドラマでの「善良な小市民と思いきや、腹ん中真っ黒な大悪党」
っぷりにしびれっちょな私ですが、
対極にあるような今回のマヌケぶりも、トオルは輝いていました。
「いついかなるときでも、ヘリコプターに向かって手を振る準備のある男!!」
と言って、舞台の真んまん中で、突然「おーい!おーい!」とえらいでかいストロークで手を振るあなたには、
観てて倒れるかと思いました。
今回のお芝居は、これはこれですごい満足したんだけど、
別のところで、やっぱ、身体が「もっと毒もってぇぇぇ」という部分もありますね。
鳥肌立てながら、大笑いしたいです。
(補足:05/17 松尾スズキのサイン会)
(でも周りの勘九郎さんご贔屓らしい着物の老婦人方は
「わからない、わからないわ…」としきりに呟きながらお帰りになってましたっけ…)
以降じぇんじぇんチケットが取れず、気付けば1年以上ぶりかよ!の松尾スズキもの。
「ドライブイン カリフォルニア」を、下北沢の本多劇場に観に行ってきました。
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ご注意!以下はネタバレがあります
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「ニンゲン…」の残忍さも漂う毒のイメージと「日本総合悲劇協会」というユニット名?から
阿鼻叫喚の殺戮地獄みたいなモノをなんとなく想像してたら、序盤から首吊り遺体2つ。
ひぃぃぃあんまりエグいのは苦手だ~~(T T)!!
と思ったのですが。
意外なことに、哀しいことはもちろん哀しいのですが、
最後にほんのりと優しさが残るような物語でした。
話の内容も、難解だったりクセがあったりということがなく、
日常空間が舞台だったことともあいまって、
(いや、あんなヘンな人たちは日常におらんだろう、とは思うけど)
"笑い"でデコレーションはしてるけど、屋台骨はシンプルかつスタンダードな物語だったと思います。
家族が次々と命を絶ってゆき、自分もまた「いつか自殺するのではないか」と
死への怯えと憧れに惑わされるマリエ役の秋山菜津子さんが良かった。
ストーリーの中で、14年の年月が流れたり、また逆に戻ったりするんだけど、
その中でどの年齢を演じても自然。
女優さんによっては、精神的に追い詰められていくさまを、
声を張ってヒステリックに現わしちゃいそうな役だけど、静かに絶望していくさまがリアルでした。
また、その妹をどうにか支えようとしながら、どうしてもうまくいかない兄(あまりにもシスコン)
小日向文世さんとのコンビネーションが、また、もう、見ててもどかしくて…くーっ。
息子が亡くなったときに、「次に自分が死ぬのは、必然なのだ」という演技は、
誰しも実は心の奥底に持ってる「もう死んじゃおっかなー」という気持ちを刺激するんで、
見ているこっちも、ちょっとしんどくさえ感じました。
対して、いちばんの救いに感じられたのは『泣きたいのに涙が出ない』小池栄子。
○○少年が死んだとき、「お葬式で泣けなかったから、せめて焼き場では泣きたいの」と、
精神集中している姿。そして、最後に少年に成仏を決心させたひとこと。
「泣けるようにがんばろう。
泣けなかったら…目薬をさそう。」
ここに、松尾スズキの観察眼(眼力)を感じました。
涙を流すより、実はずっと切なさを醸し出す言葉じゃないか、と。
普通のお葬式で、泣けないとちょっとした罪悪感を感じて、純粋に悲しむより周囲の目が気になって
「なんとか涙の2,3滴もタレねーかなー」と思うことも、ままありますよね?
でも、純粋に、死者を安らかに見送るために、目薬使ってまでもナミダを流したいのです。
すごいね。胸がきゅっとなったよ。
(まったくの余談。
観に行った日に帰って『メントレ』を観たらちょうど彼女がゲストで
実家が下北沢のパチンコ屋さんだったと言っていた……もしかして実家から劇場へ通勤??)
その他の大人計画の女優陣(片桐はいり/猫背椿/田村たがめ)も、
とてもキュートでございました。ハイ。
たとえ
観光地によくあるような、顔の部分だけくりぬいてある撮影用パネルに首突っ込んで
「抜けないっ! 抜けないっ!」って騒いでも、
ぶんなげられて足蹴にされても、
股間を押さえて
「女の人におちんちんをぷらんぷらんされたことがある人生と、ぷらんぷらんされたことない人生は、絶対違う!」と力説しても
(私、この台詞には他愛もなく感動いたしました)
……一般的な妙齢の女性としては、かなりひどい扱いを受けてると思うんだけど、それでも。
最近見たいろんなお芝居の女優さんたちに比べても、ひときわキュート!でした。ほんとに。何故!?
( 荒川良々は、出てくると全部もってってしまうのが、ある意味困りモノ(笑)。
危険なスナイパーか、キミは。さすが獅童さんに「歩いてるだけでおかしい俳優」といわしめたオトコ)
そして。
いやー、仲村トオルの新しい活用法を見たね☆
別に何か面白いコトしてるわけじゃないんだけど、
クセのあるメンツばっかの中に、飛びぬけた長身ですらっと立ってるとことか
みょーに大音声で話すところとか、なんか「デクノボー」感満載で意味なくおかしい。
(一瞬、この役アテがきなのか?とか思いました。再演だっつのよ)
彼については、野沢尚ドラマでの「善良な小市民と思いきや、腹ん中真っ黒な大悪党」
っぷりにしびれっちょな私ですが、
対極にあるような今回のマヌケぶりも、トオルは輝いていました。
「いついかなるときでも、ヘリコプターに向かって手を振る準備のある男!!」
と言って、舞台の真んまん中で、突然「おーい!おーい!」とえらいでかいストロークで手を振るあなたには、
観てて倒れるかと思いました。
今回のお芝居は、これはこれですごい満足したんだけど、
別のところで、やっぱ、身体が「もっと毒もってぇぇぇ」という部分もありますね。
鳥肌立てながら、大笑いしたいです。
(補足:05/17 松尾スズキのサイン会)
私も、ドライブイン~みました!
高校生なので、遅くなると親が心配すると思って、お父さんつれてったのに、父は、どうしても理解できず、おもしろくなかったようで、父の分も半額はらいました。(泣)
もぅ、ぜったい1人で行く!
初日だったので、悲しいことに、細かいところまで思い出せないのですが、やっぱ、面白いです。松尾スズキ☆
わざとらしさはあるにはあるけど、吉本とは、違う笑い!
笑いにリアリティーがありますよね。
あ!解る!その気持ち。みたいな。お葬式でなけないときに、目薬つかっちゃたり、面食いな自分が許せなかったり、ロイヤルゼリーとっちゃたり。
あぁ、もぅ1回見たい・・・。
あの、ところであのお祭りの名前はなんでしたっけ?本当にあるんですかね?ちょっとありそうじゃないですか?