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原水爆禁止世界大会成功へ
NPT議長メッセージ
核なき世界に導く
優れた活動続けて
今年は広島・長崎の被爆から65周年を迎えます。
今年の国民平和大行進は、今年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議で大きな前進となる最終文書が採択されたもとで行われます。
再検討会議では「核兵器のない世界」達成のため、「必要な枠組みを確立する」「特別な取り組み」を確認し、とりわけ核兵器国に「いっそうの取り組み」を求めています。
国民平和大行進・太田市行進団は19日、午前8時30分から市役所まで出発式を行った後、市内を行進し午後5時ごろに埼玉行進団に引き継ぐ予定です。
私も出発式であいさつをし、終日行進に参加します。
国民平和大行進は、1958年6月20日、広島の原爆記念碑の前から、8月に東京で開かれる第4回原水爆禁止世界大会をめざして出発した日本最初の平和に向けた行進が原点です。
●国民平和大行進の歴史
クリックしてご覧ください
NPT(核不拡散条約)再検討会議の議長を務めたフィリピンのリブラン・カバクチュラン国連大使からは、原水爆禁止世界大会の実行委員会に加わる日本原水協からの要請に応えて13日、原水爆禁止2010年世界大会の成功を願うメッセージが寄せられています。(メッセージ全文)
メッセージは、「1955年以来開催されている大会の重要性と意義は、いくら強調してもしすぎることはありません」「世界は、広島と長崎に起こったことを忘れるべきではありません。毎年の大会はその重要なリマインダー(思い起こさせてくれるもの)です」と評価しています。
また、NPT再検討会議の議長としてニューヨークで被爆者と会い、日本から寄せられた700万人近い国際署名を受理したことにふれ、「みなさんの優れた活動を続けてください。それは、大会が掲げる目標の達成を促進し、私たちを核兵器のない世界に導いてくれるものなのです。大会の成功を祈ります」と結んでいます。
そして、メッセージとともに寄せられた、日本原水協の高草木博事務局長あてのカバーレター(添え状)で同大使は、「あなた方の努力がNPT再検討会議の大きな成功を助けた」と指摘しています。
NPT会議での大きな前進
今年5月にニューヨークで開かれたNPT再検討会議の最終文書では、「すべての国が、核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みをおこなう必要について確認する」と明記しました。
また最終文書では、核保有国にたいして核兵器廃絶への「いっそうの取り組み」と「具体的な進展」を求めていることも大きな前進といえます。
会議を踏まえ、求められているのは、「核兵器のない世界」を実現するための具体的な行動です。
再検討会議では、多くの非核保有国が核兵器廃絶のための国際交渉の開始を要求し、潘基文(パンギムン)国連事務総長が提案した核兵器禁止・廃絶条約も注目されました。会議の焦点となった核兵器廃絶条約の交渉開始と条約締結は、原水爆禁止世界大会と世界の反核運動が要求し続けてきたものです。
ニューヨークに届けられた690万人をこえる「核兵器のない世界を」国際署名が求めたのも、まさにこのことです。再検討会議での前進は、核兵器廃絶をめざす諸国政府と被爆者を先頭とする日本の原水爆禁止運動、世界の反核運動が共同してかちとったものといえます。
NPT再検討会議では、一部の核保有国の反対によって核兵器廃絶条約の交渉や期限を区切ったロードマップ(行程表)をつくることは実現しませんでした。それだけにいま、核保有国にいっそうの決断と行動を迫る広大な国際世論をつくることがもとめられています。
再検討会議は2014年に各国がとりくみの進展を報告し、次回会議(2015年)で具体的対策を打ち出すことを決めています。これからの一年一年は「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な歩みが問われることになります。
被爆国・日本として
被爆国日本の政府には、核兵器廃絶の先頭に立つことが強くもとめられます。しかし、日米軍事同盟のもとアメリカの「核のカサ」に依存しているため、国際社会でその責務をはたせてはいません。アメリカの核兵器持ち込みを認めた「核密約」を廃棄し、非核三原則を実行して真の非核化を実現することが必要です。
再検討会議では、広島・長崎など被爆者の活動が大きな注目をあつめ感動をひろげました。1500人の日本代表も各地で運動の先頭にたっています。世界大会の成功をささえる日本の運動の責務が大きくなっています。
日本共産党
NPTに二つの要請
日本共産党は志位和夫委員長を団長とする代表団をニューヨークへ派遣し、NPT再検討会議への要請活動を行っています。
志位委員長は再検討会議に対して二つの要請を行いました。
第一の要請は、2000年の再検討会議で確認された核兵器国の「明確な約束」の再確認ですが、この要請は最終文書に明記され、果たされました。
第二の要請は、核兵器廃絶の国際交渉の開始の合意ですが、この要請も、再検討会議の最終文書の文言に込められました。
文書は、1国でも反対したら不採択となってしまいます。
世界の大勢であった「核兵器廃絶のためのロードマップ(行程表)」は、一部の核保有国の反対によってつくられませんでしたが、実質的にその方向の足がかりはつくられたといえます。
志位委員長は談話でこの確認を「核兵器のない世界」に向けた「重要な一歩前進」と評価しました。これは、この会議で奮闘してきた諸国政府やNGO(非政府組織)の評価とも共通しています。
「市民社会」の役割
とくに、最終文書が「本会議は、核兵器のない世界の達成に関する諸政府や市民社会からの新しい提案およびイニシアチブに注目する」「核兵器禁止条約の交渉の検討を提起している潘基文(パンギムン)国連事務総長の提案に注目する」と指摘したことは重要です。
この会議の中で言われる「市民社会」とは、反核平和運動を指す言葉であり、その提案とは、NPTに向けた国際署名に象徴されているように「核兵器廃絶のための国際交渉の開始」でした。「加盟国の大半は、こうした(核軍備削減・廃絶の)法的枠組みは具体的な日程を含むべきであると考える」と強調したことと合わせて、新たな到達点といえます。
日本原水協代表団が集めた690万人分の署名をうけとったカバクチュラン再検討会議議長が、会議の冒頭で、このことに触れて「市民社会の熱意に応えなければならない」と演説しました。これは、諸国政府と運動との共同が新しい段階に入ったことを意味するといえます。
被爆国の党として
志位委員長は帰国後も会議成功のための要請を続けました。
5月14日に、「核保有国は、核軍備削減・廃絶における具体的な進展を促進するために、2011年までに協議を開始するものとする」「具体的な時間枠内での核兵器の完全廃絶のためのロードマップについて合意する方法と手段を検討するため、2014年に国際会議を招集する」との行動提起を含んだ再検討会議第1委員会の報告草案が公表されると、これを高く評価し、カバクチュラン再検討会議議長の努力をたたえ、この方向が実を結ぶように努力を要請する書簡を送っています。
政府とNGO共同
NPT再検討会議の最終盤では、一部の核保有国が、期限をもうけて国際交渉をおこなうことなどに強く反対し、いま一歩の前進がかちとれなかったことに、NGOなどの中には強い不満もありました。
それだけに、核保有国に決断と行動を促す国際世論を広げようという新しい決意がみなぎっており、今年の世界大会は、NPT再検討会議の確認の具体化・実行を諸国政府とともに迫る、国際的にも重要な共同の場になると考えられます。
核兵器廃絶を求める私たちのこの運動は、国際世論を草の根から広げる大きな役割を持っているといえます。
私も引き続き、みなさんと力をあわせてがんばります。
(写真=昨年の平和大行進、市内上田島町を行進する太田行進団、2009年7月13日)
(写真=昨年の平和大行進、市内上田島町を行進する太田行進団、2009年7月13日。先頭左が私です)
■関連キーワード
●核兵器廃絶
●国会議員の活動
●原水爆禁止世界大会/国際政治に働きかけ/実行委会見 海外代表27カ国75人/2010年7月17日/しんぶん赤旗
●原水爆禁止世界大会成功へ NPT議長メッセージ/核なき世界に導く優れた活動続けて/2010年7月15日/しんぶん赤旗
●主張/原水爆禁止世界大会/NPT会議を踏まえて前進を/2010年7月12日/しんぶん赤旗
●NPT再検討会議議長から志位委員長に返書/2010年6月16日/しんぶん赤旗 ●2010年NPT再検討会議最終文書をどう見る/核なき世界への重要な一歩前進/2010年6月2日/しんぶん赤旗
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