こんにちは。ルシーダの椎葉です。
東京も毎年恒例の花粉症シーズンに突入し、街でも大きな
マスクで顔を覆った人たちを少なからず見かけるようになりました。
残念ながらわたしも花粉症患者の一人のため、目や目の周りがかゆくて、
メイクの要であるアイメイクが出来ません・・・。この時期、一見
「眠たそう」に見えるのは、アイメイクをしていないせいです
さて、先週山藤と共に、品川区・東京商工会議所品川支部共催の
『中小企業にワークライフバランスの火を灯そう』というセミナーに
行ってまいりました。
品川区は子育て支援に熱心な区として有名で、区内の中小企業に
ワークライフバランスの専門家(コンサルタント)を派遣し、企業に
対してワークライフバランスの啓蒙活動も行っているそうなのです。
この活動の背景には、いくら子育て支援を行っても企業や働く人の
意識が変わらない限り、仕事とプライベートの両立(ワークライフ
バランスの実現)は困難なままではないか、という考え方があるようです。
子育て支援ですら遅れをとっている自治体が多い中、企業や働く人の
あり方にまでメスを入れた品川区の取り組みは、大変素晴らしい
ものだと思います。
なぜ、品川区が中小企業向けにワークライフバランスの取り組みを
行っているかというと、大企業では、豊富な資金力や安定した経営力を
もとに、人材の囲い込みを目的に産休や育休、介護休暇などの制度を
手厚くする会社が増えてきているけれど、労働者の約9割が属する
という中小企業は売上げの確保に精一杯なことが多く、そうした制度
作りまで手が回っていないという現実があるからです。
今回のセミナーでは、品川区の助成を受けて社内のワークライフ
バランス改善プロジェクトに着手した中小企業からの結果発表、
また前横浜市副市長やワークライフバランスについての専門家の方々の
パネルディスカッションでは大変リアルで役に立つ話を多数伺う
ことができました。
中でも、わたしには以下の2つのことが印象に残りました。
まず一つ目は、日本人の
「働き方」について。壇上では、ワークライフ
バランスを社内に導入するプロジェクトを実践中の企業の方々が
「ワークライフバランスの実現は簡単なことではない。問題は大変根深く
複雑で解決には時間がかかる。」と口々におっしゃられていました。
それに対してワークライフバランスの第一人者である
パク・ジョアン・
スックチャ氏は、
「日本人の残業文化」こそがワークライフバランスを
遠ざける原因だと指摘していました。
パク氏によると、先進国の中でも日本の労働時間はトップであり、
英語で「過労死」は「Karoshi」と呼ばれるほど、日本人の長時間労働ぶり
は国際的にも有名になっているそうです。にも関わらず、国民一人
当たりのGDPは1993年の世界2位から2006年には世界18位に大転落している
とのこと。ここから、「長時間労働=経済成長」といえなくなってきて
いることが分かります。パク氏のお話から、この残業文化を改善する
ことは確かに大変なことだけれど、この深い根っこを取り除くことこそが
家族の団欒の復活、ひいては父親・母親の仕事と子育て両立への
処方箋になると確信しました。
二つ目は、「残業文化」をなくしていく上での
「働く者の心構え」
について。「残業」がなくなることは、働く人にとっては嬉しいことに
違いありませんが(残業代を楽しみにしている人を除きますが)、
残業廃止によって業績が苦しくなる会社も出てくるかもしれません。
特に、だらだらと残業する習慣が根付いてしまった会社において、仕事の
やり方が変わらないまま労働時間が少なくなれば、業績は落ちたとしても
伸びはしないはずです。
前横浜市副市長の前田正子氏もパク氏も、残業を無くす上での
「働く者の心構え」として、
時間管理、業務分析、周囲との
コミュニケーションにおける自身のスキルアップに励む
よう力説されていました。わたしも働く者また会社を経営する者として、
この考え方に強く共鳴しました。こんなに仕事の量が多ければ仕事が
遅くなっても仕方がない・・・と言い訳を言ってしまいたくなるところ
ですが、そこはぐっと我慢して、自分の仕事の仕方や会社での仕事の
回し方などをじっくり改善していきたいと思いました。
このセミナーがきっかけとなり、ルシーダではトライアルで
水曜日と金曜日を「ノー残業ディ」にすることにしました。
実際にこの「ノー残業ディ」が軌道に乗るまでは、しばらく時間が
かかってしまうかもしれませんが、自分たちの業務効率をアップ
させることで、企業としての成長と各人の幸せを両立させて
いきたいと思います。