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ネギまのラテン語?

ラテン語のお勉強中です。
語彙を増やす足しに、ちとね。

ネギまのラテン語?第109時間目

2005-09-23 21:32:12 | ネギま
いよいよゴスロリ少女と剣術女の試合もクライマックスの今回にはラテン語っぽいの一箇所。

エグゼキューショナー・ソード!!の掛け声に
エンシス・エクセクエンスとラテン語っぽいルビ。

-----------10/22 追記開始(1of2)--------------
単行本にて、「エクスキューショナー」に訂正。
-----------10/22 追記終了(1of2)--------------

さて、エグゼキューショナー。英語の様だが、該当するものが辞書に無い。
強いて挙げるなら executioner(名詞、執行者、特に死刑の)なのだが、xのところは無声音、従って仮名を当てるとエクセキューショナー。
goo辞書に無いので、Webster Online(ポップアップ広告がたまに出るけど)
Oxford中辞典でも無声音、どうしたものかね。

(1)executionerの発音を知っていて、意図有って変えている。
 1.造語
 2.発話者のキャラ付け、つまりゴスロリ少女は英語に不自由。
(2)発音を知っているが、意図無しに変えている。
 1.作者側のうっかりミス。
 2.編集のミス、誤植。
(3)発音を知らない。
 1.executive等の有声音からの類推、手抜きだね。
 2.いわゆる「日本語」。特定集団で英語のswordを「スゥオード」、独語のtigerを「ティーゲル」というような、ちと痛いね。

-----------10/22 追記開始(2of2)--------------
訂正されたので(1)の可能性は無くなった。
「濁音→清音」の訂正だけではないので、(3)の可能性高し。
編集の「いらんおせっかい」の可能性もあるけど。
-----------10/22 追記終了(2of2)--------------

とりあえず (1)-1を除外して、executioner swordということで。
英語で「名詞+名詞」に見えるとこは「名詞の形容詞化+名詞」。
guest room「ゲスト用の部屋」、tennis court「テニス用のコート」とかに準じて
executioner sword「死刑執行者用の剣」ないし「死刑執行者の剣」。

次に、エンシス・エクセクエンス。ラテン語の綴りは
ēnsis exsequēns
と思われる(ネギまの作者ないし言語担当は重複子音を英語読みするので、exse[eksse]を[ekse])。
exsecēnsという綴りは、その元となるものがexsecōぐらいで、そのexsecōの現在分詞単数主格がexsecāns(エクスセカーンス、エクセカンス)なので除外。

ēnsisは男性名詞「剣」の単数主格、呼格、属格形。
exsequēnsは動詞exsequor「葬送する、追う、復讐する、実行する、詮索する、執行する、経験する」の
現在分詞、単数主格形。
で、英語(?)にあわせて「執り行っている剣」か、雰囲気出して「葬送している剣」。
なんかイマイチ英語に合わないなー。

と、田中秀央先生の羅和辞典にexsequēnsの項があり「詮索している、熱心に研究している」とのこと。
あのでかい古典ラテン語辞典にその項は無く、なやむとこである。(O.L.Dちとだけ欲しくなる)

まー、執行者exsecūtor(男性) exsecūtrīx(女性)という単語なら無難だったけど。

ネギまのラテン語?第108時間目

2005-09-16 22:00:00 | ネギま


前話(第107話)には、まったくラテン語っぽいものなかったけど。今回には何箇所かありました。先ず、ゴスロリ風少女の大技。

マレウス・アクイローニス Malleus Aquilōnis

Malleusは男性名詞「槌、鎚、(耳小骨の)鎚骨」の単数主格形。
Aquilōnisは男性名詞 Aquilō「北風の神」の単数属格形、この場合は単純に「所有の属格」と解釈。
それで「北風の神の鎚」と。
ググるとmaleusというのもヒットするけど、ヒット数から綴り間違いと思われ。
Aquilōを氷神とするソースは発見できず。
ちなみに、名詞「冷気」はfrīgus、形容詞「冷たい」はfrīgoreus。

このコマの直ぐ下にも、呪文を詠唱しているところがある。しかし、語尾がラテン語っぽくないのでパス。ラテン語の形容詞crystallinusの活用は第一類なので、-eのものは無い。古典ギリシャ語なのかな。

次に、フアンタズマゴリア Phantasmagoria。
英語そのまんまでしょうということで、goo英和辞書 phantasmagoria
古典ラテン語発音で仮名表記すると「パァンタスマゴリア」、
教会ラテン語だと「フアンタズマゴリア」。
ちと発音表記が気になって、既刊の単行本を立ち読み。
(そこでついでに、ゴスロリ風少女の呪文は古典ギリシャ語と判明)
すると、概ね古典式発音なのだが、ところどころ教会式。
しかし次の nympha の仮名表記はすごすぎる。

ニユンフア・ソムニー Nympha somnī
レーギーナ・メイヴ Rēgīna ????
ポルターム・アペリエンス portām aperiens
マ(ア?)ド・セー・メー ad sē mē

nymphaを古典式発音で仮名表記すると「ニュンパァ」、教会式だと「ニンファ」。すげっ、単語の前半は古典式、後半は教会式。
まー、そんなことはさておき、nymphaは女性名詞「少女、水の精」の単数主格、呼格形。somnīは中性名詞somnus「睡眠、夜、死、眠りの神」の単数属格、複数主格、呼格形。ここは単数属格の「説明の属格」と解釈すれば、……。
中性名詞somnium「夢、空想」と形容詞somniālis「夢の、夢をもたらす」という単語があります……。

rēgīnaは女性名詞「女王、王女」の単数主格、呼格形。
メイヴはなんだか良くわからんのでググるとケルト関係者の人とね。
従って「女王メイヴよ」。

portāmは女性名詞porta「門、戸」の単対格形。
aperiensは動詞aperiōの現在分詞単数主格形。
従って「門を開けつつ」か「(直前の名詞にかかって)門を開けるもの」と。
ここは、現在分詞でかけていくより、完了分詞の方がよろしいかと。

adは前置詞「のほうへ」。
sēは再帰代名詞の対格、奪格。adが対格支配なので対格。
mēは単数一人称代名詞の対格、奪格。
従って「汝のもとへ我を」。

「メイヴ」は「風の女王メイヴちゃん」のことだよな、ググると。


ネギまのラテン語?第106時間目

2005-08-26 23:24:45 | ネギま
今回は一箇所だけ小さく。
最近ネギまを読み始めたのでよくわからんけど、連載の前のほうには沢山ラテン語っぽいものがでてるのかね。
で、「サギタ・マギカ」、綴りは多分、

sagitta magica
sagīta magica

sagitta は女性名詞「矢」の単数主格形。
magica は形容詞magicus「魔術の」の女性単数主格ないし中性複数主/対格形、係る名詞が女性単数なので前者。
で、日本語に直訳すると「魔術の矢」。
ところで、同じ子音が続けて綴りにある場合、「二回発音する」と「直前の母音を長めにして促音っぽく続ける」の二説あり。
従ってsagittaは「サギタタ」ないし「サギーッタ」、「サギィッタ」等の表記が妥当。(仮名表記の妥当性など不毛かね)

一方、sagīta「サギータ」は自動詞sagio「鋭敏である」の完了分詞女性単数主格ないし中性複数主/対格形。んー? 自動詞の完了分詞って、なんかわけわからん。ラテン語の完了分詞は「~された(受動)」の意味で名詞に係るもんだし。

という訳で、仮名表記上の問題はあるけど、「魔術の矢」ということで。
ちなみに、「弓」は arcus で男性名詞。性別が男女対になってる。
無生物で対になるものに、それぞれ男女の性別を割り当てる法則、とかあるのかな。

ネギまのラテン語?第105時間目

2005-08-21 20:24:54 | ネギま
週刊少年マガジンは絶望先生ぐらいしか読んでないんだけど、
ふと、ラテン語っぽいものが「ネギま!」という漫画に。
ラテン語勉強ちうの身としては、語彙を増やす足しにでもと
発作的にブログをはじめてみました。

というわけで、第105話。
ルビには「ノクトウルナ・ニグレーデイニス」とある。
ラテン語の綴りは多分、

nocturna nigrēdinis

または

noctulna nigrēdinis

nocturnaは形容詞nocturnus「夜の」の女性単数主格形の名詞転化で、
英語のnocturn「宵課、夜想曲」と同じ意味。
nigrēdinisは女性名詞nigrēdō「黒色」の単数属格形。
抽象名詞なので「性質、属性」を示す属格。
従って直訳すると「黒である夜想曲」になると思われ。

noctulnaは該当するものを発見できませんでしたが、
noctuで接頭辞っぽく「夜の(における)」
ulna 女性名詞「腕」
というのがある。
これも同様に直訳すると「黒である夜の腕」になると。

ちなみに āter という形容詞に「黒衣の/喪服の」の意味が含まれている。
「黒衣の夜想曲」を直訳すると、nocturna ātrum になるのか。