「○○さん(私のこと)は赤ちゃんの時、可愛がられて育ったんでしょうね・・・」
今日、美容院に行ったとき、私と同年代の美容師さんにそんなことを言われました。
意味がよく分からず、戸惑っている私に、彼女は続けます。
「私の実家は農家だったから、母も朝から晩まで野良に出ていて、赤ん坊の私は、いつも、寝かされたまま放っておかれたのよ。 だから、後頭部がぺったんこなの。 それに比べると、○○さんの頭は格好いいから、私のように、寝かされたまま放っておかれたことなんかないんじゃないかと思って。 きっと、お母さんに、いつも抱っこをされて、可愛がられていたんでしょうね」・・・と。
そんな風に言われても、私は、自分が赤ん坊だった頃のことなど覚えているはずもありません。
それでも、何となく当時の状況が思い浮かぶような気がしました。
私や、その美容師さんが生まれた頃は、まだまだ、日本全体が貧しい時代でした。
誰もが寸暇を惜しんでで働き、現代のように、子供に対して、親がふんだんに手間暇をかけられる状況ではなかった事でしょう。
だからこそ、子供達は自分の力で生きなければ・・・と、たくましく育ったのではないかと思います。
私が中学・高校の頃は、まだ進学率は低く、卒業してすぐに就職をする人もまれではありませんでした。
中学を卒業するときは、まだ、15歳です。
それでも、現在の大学生と同じくらいの気構えで社会に出て、自分の力で人生を歩んできたはずです。
親に手をかけてもらわなくても、一生懸命に働く親の背中を見てきたからこそ、自分も・・・と、頑張れたのに違いないと思います。
でも、こんな話、最近の若い人にしても、理解してもらえないかもね・・・と言うのが、私と美容師さんの一致した意見でした。
私は北国、美容師さんは南国と、生まれ育った地域も環境も、そして、苦労の度合いもまるで違う二人でしたが、同じ時代を生きてきた者同士、妙に会話が弾んだ今日の美容院での出来事でした。
(それにしても、頭の形を褒められたのは初めてです。 (*^_^*))