アメリカ生まれであれば人種民族問わずアメリカ市民とする(アメリカ国籍を与える)、という
国籍の生地主義にあるかもしれません。
日本の場合は、父母どちらかが日本国籍であること、という血統主義が条件なので、
たとえ日本生まれであっても、両親とも日本国籍ではない、と言う場合、子どもは出生の事実だけでは日本国籍は取得できません。
簡単に言うと、アメリカの場合は一旦入国して、そこで子どもをもうけると、親の国籍や滞在の合法不法を問わず
出生証明書さえあれば、子どもは自動的に国籍と社会保険番号(Social Security Number)が取れるのですね。
そして市民であるその子が成人すると、親族の永住権の申請が出来、両親の永住権取得の優先順位はかなり高かったと思います。
この社会保険番号というのがものすごく重要で、とにかく何をするにも紐付けされ、ついて回る感じです。
逆に言うと、どんなに真面目に暮らしていても、この番号がないと色々壁にぶち当たることがあります。
日本でもマイナンバーが導入されましたね。
こちらはどのくらい重要な扱いなのか、日本で生活されている方に聞かないと何とも言えません。
ところで「アメリカ人」とは何か、を定義づけするとも言えるこの国籍取得条件の変更をトランプ大統領が検討しているとして
大きなニュースになっています。
トランプ大統領のツイッター
<トランプ氏>「出生地主義」の転換検討 米報道
14th Amendment: Can President Trump change birthright citizenship?
これは憲法で規定されているので、上の英文リンクの記事にも記述がありますが、修正するにはいくつかの手順があり、
大統領の執行命令で簡単に変えられるとは思えません。
しかしあのトランプ大統領だけに、来週は中間選挙の投票もあり、これからの動きは注目です。
不法移民を何とか阻止したいから、入国をとにかくさせない、滞在させない、という方向が今までの方針なら、
これは、国籍目当てにアメリカに滞在しようとする目的を根本的に無くそうという方向でしょうか。
下記の記事リンクに、前の三政権(クリントン、ブッシュ、オバマ時代)の移民執政官による拘束数のデーターがあります。
The Obama Record on Deportations: Deporter in Chief or Not?
おそらく、国籍取得の条件は今は変わらないと思いますが、万が一変わってしまうと
『世界中からの移民を受け入れ、そのアメリカで生まれた子どもたちが国民となり国の活力の素になり貢献してきた』
という前提条件が根本から揺らぎかねないです。
とはいえ、憲法が規定された時期とは前提条件も変わリ、社会環境もどんどん複雑になり、想定外の事態も起こります。
どうするのがベターな解決なんでしょう。
同じ移民でも、自分の置かれた立場や出身国でも状況は変わってきますし、そちらも一枚岩とは言えないでしょう。
国の活力>国の負担だったのが、国の負担>国の活力と考えられるようになってきたのでしょうか。
あちらを立てればこちらが立たず、の「あちら」や「こちら」がありすぎて結局何も出来ない泥沼、を避けるため
トランプ大統領は批判を承知で敢えて問題をシンプルに解決しようとする方向に行くようにも思えたり。
私は専門家ではないので、掘り下げた見方でなくてすみません。難しいですね…。
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