名前は、筆者。職業はオカルト・古代史探偵。
相棒のハンターは、ハッキングの名手で身元不明の女の子。
東京ベイテレビの「K」という謎の人物から毎回、不可思議な仕事依頼がある。
もう師走だ。これから年末にかけてクリスマスやら大晦日、年が明けてお正月。こんな小さな事務所でも世間並みなクリスマスやお正月がやってくる。
ハンターも取材の余韻が残っているのか、無口なうえにより一層口を利かなくなった。
テーブルの上の携帯が鳴った。
やはり「K」からのメールだった。
「ノアの方舟はきっとある」
NO-183「産経新聞」1992年4月16日~京都
何なんだ「ノアの方舟(はこぶね)」とは。Kは何を目的としてこんなメールを送ってきたのだろう、まさかクリスマスが近いからでもないだろう。
携帯を覗き込んだハンターは、即座にパソコンに向かった。やがて紙面が現れた。
「なになに」
『国際日本文化センター(京都市)の安田喜憲助教授らの手で進められている。「創世記に出てくる大洪水は気候変動や人為的な環境破壊などで起きた。方舟はきっとある」昨年はトルコの高原などを調査、そして今年夏には〃世紀の大発見〃を目指して方舟探しの旅に出る。』
おかしな内容である。
気候変動は理解できるが、「人為的な環境破壊」とは考えられないだろう。それだけ当時の文明は進んでいたのかということだろうか。
大学の教授達の考える事はとても理解できない。ノアの方舟が見つかったとして一体、人類にとって何の役に立つのだろう。
それよりも、日本の天皇陵の発掘を宮内庁に申請して、古代日本の歴史を解明するほうが先だろう。
聖書に何が書かれてあろうとも、他国の聖書の立件よりも、我が国の日本人のルーツを探る方がよっぽど日本人にとって興味のあることではないだろうか。
そんな事を考えていると、ハンターが、
「おもしろそうね、今回も私が取材に行ってくるわ。」
これには筆者も驚いた。思わず、
「なら、一緒に行こうか?」
すかさず、ハンターは、
「ダメよ、男は入れない所だから!!」
きつい言葉で返事が返ってきた。
超小型カメラを筆者の引き出しから取り出して、足早に出て行った。
たしか、洪水伝説は「創世記」の専売特許ではなく、ほとんど世界中に見られる現象だ。
エジプト、イングランド、インド、中国、ポリネシア、メキシコ、ペルーなどに見られるが、なかでも聖書学者の注目を集めているのはバビロニアの洪水伝説なのだ。
そういうバビロニア伝説の中で、特に重要なのは粘土板文書の形で発見された「ギルガメッシュ叙事詩」と呼ばれるものである。
19世紀にフランス人P・E・ボッタやイギリス人A・H・レヤードが主としてアッシリア時代の王宮や神殿を発掘し、多くの楔形文書を発見した。
1872年にニネヴェで発掘した粘土板をジョージ・スミスが丹念に調べていると、「旧約聖書」の創世記に述べられている《ノアの大洪水》とそっくりだった。
それより前世紀にアメリカの考古学者たちが南メソポタミアのニップル遺跡を発掘し、大量のシュメール語書板を見つけた。1914年にA・ペーベルが大洪水が書かれている粘土板断片を解読発表した。
「旧約聖書」の創世記の成立は古くてもせいぜい紀元前10世紀、前述のアッシリア版もその頃であるのに対して、このシュメール版は前25世紀くらいまで遡れると思われる。
では、ノアの方舟はどこに着いたのだろうか。
バビロニア伝説と創世記との内容が非常に良く似ている部分もあれば、相違点もある。この二つの物語の共通点をあげると―――
「主人公は信心深い人物で、神から洪水の予告を受け、方舟を造るよう命じられる。家族ともども、動物たちも乗せられる。洪水の結果は破滅を地上にもたらし、方舟に乗った者たちだけが救われる。舟はやがて高山の頂に漂着する(アララテ山・ニシル山)。下船後、主人公は犠牲をささげて神を礼拝する。
いずれにしても、アララト山(アララテ山)は、今日のトルコ東端、アルメニア(ソ連)とイランに接するあたりにそびえるアララト山(別名マシス山。標高5165メートル)であるとされている。
ノアの方舟伝説は、ざっとこんな内容なのである。
しかし、ハンターの言葉が気になる。
「ダメよ、男は入れない所だから」
一体、どのような場所に取材に行ったのだろう?
男の入れない場所とは・・・・
報告書NO-183
従来、《ノアの方舟》と呼ばれているが聖書によれば、その長さは300キュビト、幅は50キュビト、高さは30キュビトである(「創世記」6・15)1キュビトは、男の右腕のひじから中指の先までの長さと考えられ、約50センチなのだ。
ノアの方舟の実体は、長さ150メートル、幅25メートル、高さ15メートルということになる。
そうなると形状は、羊羹(ようかん)の形をしているのだろう。この船を、今日の船と比べてみると、その大きさは約1万トン級の船であった。
この船は三階建てとして造られた。中にはいくつもの仕切りによって部屋が分けられていたに違いない。
ノアの洪水と方舟は本当のことか?
1949年の夏、アメリカのスミス博士が率いる探検隊が、洪水後ノアの方舟が着いたとされているアララト山上に、遺跡を探しに行った。その三年後の1952年にも、今度はフランスの調査隊が出かけて行った。もちろん、方舟の残骸は発見されなかったというのである。
聖書は、ノアの洪水や方舟を事実として語っている(「イザヤ書」54・9、「マタイによる福音書」24・38~39)。それは、自然科学の面においても、十分に裏づけられていることである。
ノアの洪水が起こされたのは、地上の人々が堕落しきっていたため、その人々を地上から一掃する裁きという目的であったと聖書は教えている。
その時、神は、神を信じ、この世の堕落に染まらずに生きていたノアに向かって、方舟を造り、その中に入って、助かるようにと仰せられた。そして、神の御声に聞き従ったノアとその家族たち合計8人のみが神の裁きの洪水から救われた。だから、キリスト教会では、ノアの洪水を神の裁き、ノアの方舟を神の救いを表わすものとして信じてきた。それが聖書の教えているノアの洪水と方舟の意味である。
もし、神が人を造ったのならその意味には深い謎が秘められているはずだ。そして、神の教えに従わなかった人達を裁いたとしたならば、神とは傲慢な者である。
ナチスのヒットラーと何ら変わらない者としか思えない。
しかし、聖書を信じる人は疑いの眼差しで見てはいない。それは、あたかも新興宗教をも思わせる所業である。
2003年、民間の商用画像衛星によって撮影されたアララト山(トルコ)。公開された。写真を見る限り、とても方舟と呼ばれる代物ではない。ただの岩山の影の形をしている。それでも方舟の存在を信じろと言うのだろうか。疑問が残る写真である。
報告書作成者・ハンター
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ハンターも取材の余韻が残っているのか、無口なうえにより一層口を利かなくなった。
テーブルの上の携帯が鳴った。
やはり「K」からのメールだった。
「ノアの方舟はきっとある」
NO-183「産経新聞」1992年4月16日~京都
何なんだ「ノアの方舟(はこぶね)」とは。Kは何を目的としてこんなメールを送ってきたのだろう、まさかクリスマスが近いからでもないだろう。
携帯を覗き込んだハンターは、即座にパソコンに向かった。やがて紙面が現れた。
「なになに」
『国際日本文化センター(京都市)の安田喜憲助教授らの手で進められている。「創世記に出てくる大洪水は気候変動や人為的な環境破壊などで起きた。方舟はきっとある」昨年はトルコの高原などを調査、そして今年夏には〃世紀の大発見〃を目指して方舟探しの旅に出る。』
おかしな内容である。
気候変動は理解できるが、「人為的な環境破壊」とは考えられないだろう。それだけ当時の文明は進んでいたのかということだろうか。
大学の教授達の考える事はとても理解できない。ノアの方舟が見つかったとして一体、人類にとって何の役に立つのだろう。
それよりも、日本の天皇陵の発掘を宮内庁に申請して、古代日本の歴史を解明するほうが先だろう。
聖書に何が書かれてあろうとも、他国の聖書の立件よりも、我が国の日本人のルーツを探る方がよっぽど日本人にとって興味のあることではないだろうか。
そんな事を考えていると、ハンターが、
「おもしろそうね、今回も私が取材に行ってくるわ。」
これには筆者も驚いた。思わず、
「なら、一緒に行こうか?」
すかさず、ハンターは、
「ダメよ、男は入れない所だから!!」
きつい言葉で返事が返ってきた。
超小型カメラを筆者の引き出しから取り出して、足早に出て行った。
たしか、洪水伝説は「創世記」の専売特許ではなく、ほとんど世界中に見られる現象だ。
エジプト、イングランド、インド、中国、ポリネシア、メキシコ、ペルーなどに見られるが、なかでも聖書学者の注目を集めているのはバビロニアの洪水伝説なのだ。
そういうバビロニア伝説の中で、特に重要なのは粘土板文書の形で発見された「ギルガメッシュ叙事詩」と呼ばれるものである。
19世紀にフランス人P・E・ボッタやイギリス人A・H・レヤードが主としてアッシリア時代の王宮や神殿を発掘し、多くの楔形文書を発見した。
1872年にニネヴェで発掘した粘土板をジョージ・スミスが丹念に調べていると、「旧約聖書」の創世記に述べられている《ノアの大洪水》とそっくりだった。
それより前世紀にアメリカの考古学者たちが南メソポタミアのニップル遺跡を発掘し、大量のシュメール語書板を見つけた。1914年にA・ペーベルが大洪水が書かれている粘土板断片を解読発表した。
「旧約聖書」の創世記の成立は古くてもせいぜい紀元前10世紀、前述のアッシリア版もその頃であるのに対して、このシュメール版は前25世紀くらいまで遡れると思われる。
では、ノアの方舟はどこに着いたのだろうか。
バビロニア伝説と創世記との内容が非常に良く似ている部分もあれば、相違点もある。この二つの物語の共通点をあげると―――
「主人公は信心深い人物で、神から洪水の予告を受け、方舟を造るよう命じられる。家族ともども、動物たちも乗せられる。洪水の結果は破滅を地上にもたらし、方舟に乗った者たちだけが救われる。舟はやがて高山の頂に漂着する(アララテ山・ニシル山)。下船後、主人公は犠牲をささげて神を礼拝する。
いずれにしても、アララト山(アララテ山)は、今日のトルコ東端、アルメニア(ソ連)とイランに接するあたりにそびえるアララト山(別名マシス山。標高5165メートル)であるとされている。
ノアの方舟伝説は、ざっとこんな内容なのである。
しかし、ハンターの言葉が気になる。
「ダメよ、男は入れない所だから」
一体、どのような場所に取材に行ったのだろう?
男の入れない場所とは・・・・
報告書NO-183
従来、《ノアの方舟》と呼ばれているが聖書によれば、その長さは300キュビト、幅は50キュビト、高さは30キュビトである(「創世記」6・15)1キュビトは、男の右腕のひじから中指の先までの長さと考えられ、約50センチなのだ。
ノアの方舟の実体は、長さ150メートル、幅25メートル、高さ15メートルということになる。
そうなると形状は、羊羹(ようかん)の形をしているのだろう。この船を、今日の船と比べてみると、その大きさは約1万トン級の船であった。
この船は三階建てとして造られた。中にはいくつもの仕切りによって部屋が分けられていたに違いない。
ノアの洪水と方舟は本当のことか?
1949年の夏、アメリカのスミス博士が率いる探検隊が、洪水後ノアの方舟が着いたとされているアララト山上に、遺跡を探しに行った。その三年後の1952年にも、今度はフランスの調査隊が出かけて行った。もちろん、方舟の残骸は発見されなかったというのである。
聖書は、ノアの洪水や方舟を事実として語っている(「イザヤ書」54・9、「マタイによる福音書」24・38~39)。それは、自然科学の面においても、十分に裏づけられていることである。
ノアの洪水が起こされたのは、地上の人々が堕落しきっていたため、その人々を地上から一掃する裁きという目的であったと聖書は教えている。
その時、神は、神を信じ、この世の堕落に染まらずに生きていたノアに向かって、方舟を造り、その中に入って、助かるようにと仰せられた。そして、神の御声に聞き従ったノアとその家族たち合計8人のみが神の裁きの洪水から救われた。だから、キリスト教会では、ノアの洪水を神の裁き、ノアの方舟を神の救いを表わすものとして信じてきた。それが聖書の教えているノアの洪水と方舟の意味である。
もし、神が人を造ったのならその意味には深い謎が秘められているはずだ。そして、神の教えに従わなかった人達を裁いたとしたならば、神とは傲慢な者である。
ナチスのヒットラーと何ら変わらない者としか思えない。
しかし、聖書を信じる人は疑いの眼差しで見てはいない。それは、あたかも新興宗教をも思わせる所業である。
2003年、民間の商用画像衛星によって撮影されたアララト山(トルコ)。公開された。写真を見る限り、とても方舟と呼ばれる代物ではない。ただの岩山の影の形をしている。それでも方舟の存在を信じろと言うのだろうか。疑問が残る写真である。
報告書作成者・ハンター
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