WN620/02AUG2012/SEADEN

2012-08-03 13:08:44 | 搭乗記

いまから30年以上前、アメリカに「格安航空会社」というジャンルが誕生し、その中で唯一の成功例と言われたのが、テキサス州ダラスに本社を置くSouthwest Airlinesでした。大手航空会社がHub and Spokeという効率の良いシステムを採用する中、Point to Pointの直行便に重点を置き、発着費用の安い空港に就航し、機材は機種を絞って大量導入してコストを下げました。座席指定もせず、旅行会社も通さず、電話予約でクレジット決済というシステムでコストダウンを図って、格安の運賃を実現しました。まだLCCなんて言葉すらない時代のことです。その後のネットの普及で、航空会社が直販するのは当たり前の時代になりました。

 

アメリカの国内線には、格安航空が出現する波というものがあって、規制緩和でSouthwestが誕生した第一波から数えて第三波か第四波に相当するのが、21世紀になって来ました。Air FloridaとかPeoples Expressとか、あっけなく消えてしまった格安航空会社も多い中で、Southwestは生き残るどころか、成長し続けています。

 

そんなSouthwestに今まで乗っていないのも不思議なのですが、今回初めて乗ってみました。選んだのはシアトルからデンバーへの620便(便自体はシアトル発デンバー経由ナッシュビル行き)です。シアトルのSEA-TAC空港のチェックインカウンターでは、Southwestの列が一番長いのですが、チェックイン手続きが極めて効率よく進むので、思ったほど待たずに手続きできます。

搭乗券は昔は色のついたプラスチックに番号かアルファベットが書かれたものでしたが、今はTSA(セキュリティ)チェックの都合上、名前の入った搭乗条件を出す必要があり、感熱紙の搭乗券が出てきます。ですが、席番は相変わらずなく、搭乗の際のグループであるCの文字と、順番の3が入っていました。

で、実際の搭乗はA→B→Cの順で、それぞれ番号順に列を作り、順番に機内へ入ります。自由席なので早く入れば入るほど、好きな席が選べます。この順番は、ポイントクラブのステータスのほか、事前チェックインの際に若干の上乗せ料金を払えば繰り上がります。私はC3番でしたが、かろうじて後方の通路側席を確保できました。あと2人ぐらいで通路側は無くなり、3-3の真ん中席しか残っていませんでした。

 

機材はB737-700(N786SW,B737-7H4)、満席の客を乗せてSEA-TACを15:16に離陸しました。機内サービスはスナック2種が提供され、ソフトドリンクは無料、アルコールは有料(ただし現金払い不可、クレジットカードのみ)となっています。昨今のLCCは、水すら有料というケースもありますが、Southwestが創業したころは、そんなことは非常識とされた時代で、大手の長距離路線で供されていた機内食は、もともと短距離しか最初は運航しなかったのでカットしましたが、それ以外は大手並みとなっていました。

 

現在のSouthwestで注目すべき点は、大手も他のLCCも有料にしている預託手荷物料金を、これまで通り2個まで無料にしていることで、他社が航空券で値段を並べても、手荷物料金で差が付くようになっています。他社は有料化したことで、ぎりぎりのサイズの荷物を持ち込む客が激増し、機内に収容が困難になって、新たにゲートサイドで荷物を預ける(渡す)という方法(これは航空会社都合なので無料)で対応せざるをえなくなり、非効率担ってしまっています。

 

620便はDenver International空港(DIA)に18:24着陸(時差1時間プラス)。ここで到着後のアナウンスが、やけにリズミカルだと思ったら、客室乗務員が、勝手に語尾にエコーを付けていました。「Welcome Denver International Airport...port...port、、、Thank you flying Southwest Airlines...airlines...airlines...」のような感じ。機内のあちこちから笑い声が聞こえました。おまけに、世界の言葉で「さよなら」を言う唄まで歌いだし、歌い終わった時には拍手喝采。それに対する答えが、「Thank you...you...you...」で大ウケでした。

もともと遊び心豊かなのがSouthwestの特徴で、ホットパンツの客室乗務員がいたり、頭上のハットラックに客室乗務員が隠れていたり、というのが有名でしたが、未だ遊び心は失っていませんでした。いやはや楽しいフライトです。機体が停止すると、後方のお手洗いを客室乗務員が掃除をはじめ、ナッシュビルまで行くお客はそのままで、デンバーで降りる客だけ降ろします。この辺もバスみたいな感じです。

 

また乗ってもいい感じですが、その時は追加料金払って搭乗順位を上げてしまうことでしょう。


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