とある所へ提出するレポートを書いているとこんな時間になってしまった(ただいま午前3時58分)。レポートというのは「交通輸送における自由競争」というテーマなのだが、大学の学部が経営学で、専攻が交通経営学だったので、この手のレポートは比較的すらすら書ける。なにしろ履修科目に交通論や運賃額や鉄道経営学まであったのだから。枚数が多いと大変だが、4000字程度なのでちょうど良い。少ないと論旨の展開が不十分になるし、長いと詳しく正しく書くのに非常な時間が取られる。
前置きが長くなってきたが、そのまま話を進める。「交通輸送」という名の通り航空輸送だけを取り上げているわけではない。いやむしろ、ほとんど取り上げていない。航空輸送において自由競争なんてほとんど無く、唯一参考になりそうなのは、創世記の直後のアメリカ国内線か、1980年代後半の規制緩和後に起きた航空会社が淘汰されていく過程ぐらいで、それでも自由競争とは言い難い。
上記のレポートで取り上げたのは、日本における小口貨物輸送と鉄道輸送である。前者は荷物のネットワーク構築がメインなので詳しい説明は略して、後者に着いて考えてみたい。経済学の授業でも取り上げることがあるそうだが、アメリカに今世紀前半、ニューヨーク・セントラル鉄道とペンシルバニア鉄道という2つの会社がニューヨークとシカゴを結んでいた。両社はそれぞれ、セントラルの「二十世紀特急」とペンシーの「ブロードウェイ特急」という看板列車を持っていた。この2つの列車の競争は古典的な自由競争の過程を辿る(だから教材になる)。まずスピードの競争が始り、限界まで高速化すると(休戦協定が結ばれた)、次は運賃の競争になり、そして最後は付加価値(サービス)の競争となった。
日本でも同様の競争が起きた。名古屋と大阪を結ぶ官鉄(国家直営)と関西鉄道(民間)の競争だ。これもアメリカと同じようにスピードの次に運賃、最後にサービス(きっぷを買えば弁当が付いた)の競争となった。この2つの競争は限りあるパイ(輸送量)を奪い合うという典型的な自由経済の下での競争である。ちなみに日米の2つのケースの果ては、どうなったかというと、アメリカの方は第二次大戦後に鉄道から航空へ人の流れが移り、元々収益が大きかったわけではない旅客輸送は衰退してしまって自然消滅。日本の方は鉄道国有化の政策により、国が関西鉄道を買収して終焉を迎えた。
で、何が言いたいかというと、ここ2~3年のマイレージ戦争である。もともとアメリカで誕生したマイレージサービスは日本にはなかなか入ってこなかった。米系航空会社が日本で多数の会員を確保していても日系航空会社の腰は重かった。それは一つには当時の景品表示法の兼ね合いで公取委(つまり国)が否定的であったことに起因する。従ってポイント制で景品には交換できても、無料航空券に交換は出来なかった。ところが増えつづける米系会社の会員数に対して、日系の2社がこのままでは著しく不利な状況になってしまう、という考え方を表明し、公取委の黙認というカタチで米型マイレージサービスに移行した。そしてもうマイレージサービスは定着し、導入時にちゃんとしたガイドラインを作成しなかったため、ボーナマイル花盛りになっている。今の状態は明らかに高い景品で購買欲を煽っている状態である。いずれどこかで国の介入があるか、あるいは共倒れ(ボーナスマイルが付かなくなる)するかのどちらかになるだろう。いずれにしてもボーナスがつくうちに乗っておいたほうが間違いない。
前置きが長くなってきたが、そのまま話を進める。「交通輸送」という名の通り航空輸送だけを取り上げているわけではない。いやむしろ、ほとんど取り上げていない。航空輸送において自由競争なんてほとんど無く、唯一参考になりそうなのは、創世記の直後のアメリカ国内線か、1980年代後半の規制緩和後に起きた航空会社が淘汰されていく過程ぐらいで、それでも自由競争とは言い難い。
上記のレポートで取り上げたのは、日本における小口貨物輸送と鉄道輸送である。前者は荷物のネットワーク構築がメインなので詳しい説明は略して、後者に着いて考えてみたい。経済学の授業でも取り上げることがあるそうだが、アメリカに今世紀前半、ニューヨーク・セントラル鉄道とペンシルバニア鉄道という2つの会社がニューヨークとシカゴを結んでいた。両社はそれぞれ、セントラルの「二十世紀特急」とペンシーの「ブロードウェイ特急」という看板列車を持っていた。この2つの列車の競争は古典的な自由競争の過程を辿る(だから教材になる)。まずスピードの競争が始り、限界まで高速化すると(休戦協定が結ばれた)、次は運賃の競争になり、そして最後は付加価値(サービス)の競争となった。
日本でも同様の競争が起きた。名古屋と大阪を結ぶ官鉄(国家直営)と関西鉄道(民間)の競争だ。これもアメリカと同じようにスピードの次に運賃、最後にサービス(きっぷを買えば弁当が付いた)の競争となった。この2つの競争は限りあるパイ(輸送量)を奪い合うという典型的な自由経済の下での競争である。ちなみに日米の2つのケースの果ては、どうなったかというと、アメリカの方は第二次大戦後に鉄道から航空へ人の流れが移り、元々収益が大きかったわけではない旅客輸送は衰退してしまって自然消滅。日本の方は鉄道国有化の政策により、国が関西鉄道を買収して終焉を迎えた。
で、何が言いたいかというと、ここ2~3年のマイレージ戦争である。もともとアメリカで誕生したマイレージサービスは日本にはなかなか入ってこなかった。米系航空会社が日本で多数の会員を確保していても日系航空会社の腰は重かった。それは一つには当時の景品表示法の兼ね合いで公取委(つまり国)が否定的であったことに起因する。従ってポイント制で景品には交換できても、無料航空券に交換は出来なかった。ところが増えつづける米系会社の会員数に対して、日系の2社がこのままでは著しく不利な状況になってしまう、という考え方を表明し、公取委の黙認というカタチで米型マイレージサービスに移行した。そしてもうマイレージサービスは定着し、導入時にちゃんとしたガイドラインを作成しなかったため、ボーナマイル花盛りになっている。今の状態は明らかに高い景品で購買欲を煽っている状態である。いずれどこかで国の介入があるか、あるいは共倒れ(ボーナスマイルが付かなくなる)するかのどちらかになるだろう。いずれにしてもボーナスがつくうちに乗っておいたほうが間違いない。