私の実母は、71歳で他界した。もう20年も前のこと。脳腫瘍が見つかり、手術をしたけれど、良くならず、もともと体が不自由だったので在宅介護なんて誰も考えなかった。約１年入院して病院で亡くなった。誰一人家族は臨終に立ち会えなかった。
入院中、車で1時間の病院へ父は毎日通った。私は、1週間に一度行くのがやっとだった。母は、娘の私のことがわかっていたのかな？会話にならない話をして帰るのは残念だった。私が40歳になったよ、と話したらお祝いしてあげると言ってくれたのが、嬉しかったのを思い出す。
食事時に行くと、暗い病室のベットで、大きなエプロンをつけて一人で食事をしていた母。その後は胃ろうとなった母。もっと話がしたかったのに、その後は寝たきりになり、母は逝ってしまった。
病院の帰り道は、いつも大好きなみゆきさんの、誕生を歌いながら帰った。
母に会いたいと、最近よく涙が出るのは、なんだろう。
実母と比べて、在宅介護の義母はなんて幸せなんだろうと思う。
