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*フォーカル・ジストニアのこと*

2020-12-31 00:00:00 | フォーカル・ジストニア
※2018年10月更新


こんにちは✨


ものすっごい私事なことをブログで公表しようかどうか迷っていましたが、
そもそもブログに私事しか書いてないので今更か笑、と思って、
投稿したいと思います。


「フォーカル・ジストニア」
という音楽家特有の難病についてです。


私は多くの人にこの病気について知ってほしいとの思いで投稿していますが、
これ以降を読む読まないはご自身の判断でお願いしますm(__)m

※コメントはお気軽にウェルカムでお待ちしておりますが、
私や周囲の皆様が不快な気持ちになるような誹謗中傷はダメ・絶対!
でお願いします。



*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*


ことの始まりは、音大を卒業後、
1年半程たった頃でした。

私は、小さい頃から音楽が大好きで、
中学生の頃にサックスと出会って以降、
サックスを媒体として自分の音楽を表現してきました。

音大卒業後は、フリーで演奏活動や指導を行ってきました。


そんな中、“奴”はじわじわと正体を現し始めました。


練習中、「左指が転ぶなぁ・・・」といつものよくあることが始まりでした。

“指が転ぶ”というのは演奏者はよく使う表現ですが、
指が滑ってリズムが乱れるような現象です。

例えるならば、「一定のペースで歩いていて、ふとしたところでつまずいてリズムが乱れる」みたいな感じかな?

通常、指が転んでも、
転ばないよう意識したり、反復練習などによって転ばなくなるものです。

当然、「フォーカル・ジストニア」という病気なんて聞いたこともなかったので、
いつものように練習不足と思い、違和感のある指を更に徹底的にトレーニングしたのです。

それが練習を重ねていくうちに、改善するどころか
大きな違和感となり、思うように動かせなくなくなっていきました。

誰でもできる簡単なドレミファソラシドが出来なくなって初めて、
ようやく何かがおかしいと気が付きました。


気が付いてからは、
この現象が一体何なのか、もしかしたら何かの病気なのか、
ヒントを探るため、ネットでたくさん検索しました。

そして、
とある知り合いの「それってイップスじゃない?」という言葉がきっかけで、
音楽家特有の難病である「フォーカル・ジストニア」という病気
に辿り着きました。

違和感を感じ始めてから半年が経過していました。

その病名を知ると同時に、
この症状は、原因不明で簡単に治るものではない未解明の病気だ
という衝撃的な事実を
受け入れなければなりませんでした。



ショックすぎて、たくさん泣きました。

認知度が低いため、話したところで簡単にはわからない病気だし、
知られてしまうと音楽の仕事がなくなってしまうかもしれないという怖さで
近しい人達にしか公表することができませんでした。

当然、演奏にも指導にも支障が出るので、
それを悟られないように、いろんな方法でごまかしごまかし演奏を続け、
並行して様々な治療を試みていきました。


治療の効果が直接的に表れることはあまり無く、
症状は改善するどころか悪化傾向で、
ごまかしながらの演奏でもやはり限界もあり、
演奏活動や指導をセーブせざるを得ない時期が続きました。

何度も何度も音楽の道を諦めようと思いましたが、
今までずっと音楽と共に生きてきた自分にとっては、
これ以外の道は考えられませんでした。


“絶頂期の時のような演奏が出来なくても、その時出来る100%の演奏をする”
ということが、
音楽に対しても、
聴いてくださる人に対しても
礼儀なんだという思いで一生懸命演奏しました。


その期間は4年以上に渡りました。

多方面のアプローチを試すためにいろんな方に話を聞いてまわり、
体のこと、病気のこと、自分なりにいっぱい調べて勉強しました。

病気のことを知ったときから、
様々ある治療法の中に、外科的手術で治療するという方法があるのは知っていました。

ただ“手術”というのに怖さがあり、ずっと避け続けてきました。

出来れば手術しないで治す方法はないかと、
それ以外のアプローチで治療を続けていましたが、
なかなか自分に合う治療法はなく、
どれも大きな改善は見られず、悪化していくのとともに生きていくしかないのか
と半ば諦めモードになっていた頃、
とうとう日常生活にも症状が出てくるようになり、
この状態はこれからの人生に影響がでてしまうと思って、
外科的手術に踏み切りました。

外科的手術といっても、
どんなやと思う人も多くいるかと思いますので、
簡単に説明すると、
“頭蓋骨に穴をあけて、脳の神経を焼く”というなかなかシビアな手術です。


そして、無事に手術は成功。

その後も細々とですが、音楽続けています。

やはり難病というだけあって、
手術したらすべてが元通り!オールオッケー!みたいな
上手い話はなくて、
これからが再スタートだという気持ちで、
今は完全復帰にむけて日々リハビリ練習に励んでいます。
(記:2017.1.28)



*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*


と、私自身のあらかたのことを記しましたが、
フォーカル・ジストニアについてや、手術のことなど、
もっともっとたくさん知ってほしいし、
このページだけではほとんど記せていないので、
順次、別記事にまとめていきたいと思います。

ご興味いただけましたら、
他のページもお読みくださいませ。

①フォーカル・ジストニアとは


②どんな症状か


③発症の原因は何か


④治療方法


⑤まとめ



定位脳手術 体験記٩( 'ω' )و



症状変化動画



カテゴリー【フォーカル・ジストニア】



長文お読みいただき、ありがとうございました。

もっと詳しく知りたい方や、同じくフォーカル・ジストニアを抱えて悩んでいる人、
質問・疑問などなんなりとコメントくださいませ。

コメントは非公開にも出来ますので、
公開しないでほしい等ご希望がございましたら、内容に添えてください。
公開いたしません。

また、やりとりはコメントでは難しいので、メールでもご連絡お待ちしております(^^)
saxhouse.contact@gmail.com


奥田百合子 Yuriko Okuda


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コメント (2)

定位脳手術 体験記٩( 'ω' )و

2018-01-30 21:17:54 | フォーカル・ジストニア
※2018年10月更新



皆さま、こんにちは(●´ω`●)


去年2017年1月に
フォーカル・ジストニアの手術をして
早1年が経ちました。



先日、術後1年検診に行ってきましたが、
経過も特に問題ないとのことだったので、
改めて手術のことについて
書き残しておこうと思います(^^)/



同じ症状に悩んでいる人、
音楽に携わっている人に、
少しでもリアルな情報を発信出来たらな
と思ってます(-ω-)/



まずは実際の手術体験記の前に、
以下を予備知識として読んで頂ければ、
よりわかりやすいかと思います。



【定位脳手術について】
定位脳手術とは、
もともとはパーキンソン病や
全身性ジストニアなどに対する手術で、
50年以上の歴史のある確立された手術のこと。
フォーカル・ジストニアに対する同手術は、
これを経験や理論に基づいて
応用させたものになります。

手術内容としては、
脳の奥深くにある“視床”という部分に
直径1㎜の電気針金のようなものを挿入し、
症状の元となっている
(症状の部位によって微妙に場所が違う)
数ミリ程の部分を熱により破壊するというもの。

破壊する場所がほんの2-3㎜ズレると
効果がなかったり、麻痺などの
重篤な副作用が出る可能性があるため、
絶対ズレないように
[定位脳手術装置]という機械を使って、
頭に取り付けたフレームと手術台を
ガチッと固定し手術する。

実際の手術では、
上体を30度ほど起こした仰向け状態で、
切開する部分に局所麻酔をし、
前頭部を2㎝程皮膚切開(切開部分を多少剃毛)。

切開後、
頭蓋骨にドリルで直径1㎝程の穴をあけて、
そこから電気針を挿入させていく。

正確な位置を特定する必要があるため、
全身麻酔ではなく
局所麻酔で完全に意識がある中、
術中実際に楽器を演奏したり
指を動かしたりと
その都度確認しながら手術を行う。

※出来るだけ間違いのないように努めていますが、
私はお医者様ではないので、
説明に多少の間違いがあったらすみません。




(/・ω・)/手術前に私が個人的に気になったことを
先生にぶっちゃけ聞いてみました!



Q.手術までに検査はあるのか?
A.検査通院は特に必要なし。
入院してから諸検査あり。



Q. ぶっちゃけ、今までに失敗したことはありますか?
A.手術によって、手足に麻痺が残ったり、
死亡するなどの重篤な結果が起きたことは
今までにない。
だが、誰に何が起こるかはわからないため、
可能性が0と言い切ることは出来ない。
手術で神経を焼く作業自体は、
脳を固定した状態で機械が正確に行うため、
極端な話、
誰がボタンを押そうが
その決められた部分に自動で針が入る。

“手が滑って焼く場所が外れてしまう”
といったことはない。
“麻痺が残る”というのは、
焼くポイントのすぐ隣に
手足の運動神経が走っていて、
その運動神経が破壊された場合。

まず間違ってその運動神経を焼いてしまう
ということはありえない。
ただ、術中に症候出血(後遺症が残る出血のこと)が起きた場合、
麻痺が残る可能性がある。

その症候出血が起きる可能性として
高血圧や動脈硬化などがあるが、
フォーカル・ジストニア患者の多くは
若年層(10代~40代)のため、
高血圧や動脈硬化等の持病がある人は
まずいない。
フォーカル・ジストニア患者が
定位脳手術をする上では
年齢的観点からもリスクがかなり低い。



Q. 手術後、抜糸して退院して、
仕事復帰は実際いつから可能か?
A.退院後すぐ可能。
抜糸を待たずとも
退院して日常生活に復帰している人も多い。
手術によって多少体のだるさ等はあるものの、
日常生活に制限はない。






・・・とまぁ、前置きが長くなってしまいましたが、
実際の手術体験記をどうぞm(_ _)m

※生々しい表現があるので、
苦手な方はお控えくださいませ。




------------------------------------------------------


@東京女子医科大学病院
執刀医:脳神経外科 平孝臣先生、堀澤士朗先生
手術名:定位脳手術
(正式名:局所性ジストニアに対する右定位的脳凝固術)



2017.1.17.(火)-1.18.(水)【入院】
手術2日前から入院し、
術前検査として
血液検査・MRI・CT(頭部/胸部)・心電図の検査を行う。

手術前日には、
執刀してくださる堀澤先生と平先生から
術前の最終説明があり、
同意書にサインをする。

ちなみにこの時点では
怖さや緊張といったものはほとんどなかった。
それほど先生方に対する安心感が大きかった。

ちなみに手術前日の夜21:00以降は飲食禁止。



2017.1.19.(木)【手術当日】
いよいよ手術当日。
※以降、時系列でその時の心情や痛み等も記しておく。


朝7:00
ナースさんに起こされ、
痛み止めと精神安定剤を飲む。
おでこ左右2ヶ所に麻酔テープを貼り、
手術着に着替えて、
手術用ハイソックスなるものを履き、
病室で待機。

麻酔テープは
注射を打つときの痛みが
ほとんどなくなるらしい。すばらしいね。


8:00
処置室に移動し車椅子に座り、フレーム装着。

手術台と頭を固定するためのフレームを
おでこと耳後ろ計4ヶ所に
ボルトで頭に取り付けるのだが、
頭に固定するためのボルトが
なかなかの食い込み具合で激痛なため、
その部分に局所麻酔を注射する。

これがかなり痛い。

麻酔テープによって
注射針の刺さる痛みはほとんどないが、
麻酔液を注入しているときが激痛。

その都度、ナースさんが
気分や気持ちをちょくちょく確認してくれる。

麻酔が効いてきたところで
いよいよフレーム装着。

麻酔した前後4ヵ所に
ボルトをねじ込みながら固定していく。

痛みはないが、
ものすごい圧迫感と締め付けで、
頭がはじけ飛びそうだった。





フレーム装着後、
車椅子でMRIとCT検査へ。





MRIとCT検査の際は、
フレームごと検査台にガチョンと固定し、
そのまま検査。

検査終了後、
一旦病室へ戻り手術開始まで待機。





この時は、
いよいよかという緊張はあるものの、
怖さや痛みはなかった。



10:00
いよいよ車椅子で手術室へ移動。
家族とはここでお別れ。

ちょっくらいってきます!

ちゃんとナースさんがサックスも一緒に持ってきてくれてる。





手術開始
手術専門看護士(以下オペナース)さんと手術室に入ると、
既にサポートしてくださる先生方が
数人スタンバイしていて、
早速手術台へ仰向けになり、
オペナースさんが終始
「気分はどう?」「寒くない?」
など声がけをしてくれていた。

ちなみに手術室はちょっとヒンヤリしていた。


いよいよ平先生と堀澤先生が、
手術着(テレビでよく見る目だけ出たやつ)
で登場。

平先生が「じゃ、がんばろうね」
とひと言おっしゃったところで
手術スタート。


最初に頭にカバーをかけ、
切る部分をくしできれいに分け目をつけ、
おでこから頭までを消毒。

バリカンでチョリチョリっと
ほんの少しだけ髪を剃り、
局所麻酔を注射。

この辺で平先生から堀澤先生に
バトンタッチしたのだろうか。


麻酔が効いてきたあたりで、
痛みがないかをきちんと確認した上で、
頭皮を切る。

ここで痛みがあったりしたら大変なことだ。
ゾッとするぜ。

切開時、当たり前だが痛みは全くなく、
ブチブチとした感覚だけは感じた。


その都度、水で洗い流しながら進めていく。

術口を開いておくために、
クリップバサミのようなもので
両端をとめているのだろうか、
頭皮を左右に引っ張られている感覚があった。

この辺までは感覚こそ異様だったが、
気持ちにはまだ余裕があった。


そしていよいよ頭蓋骨にドリルで穴を開ける。


平先生の
「ここが一番怖いとこだけど、ちょっと頑張ってね」
との言葉に、
「はい」
とは答えたものの、
それは想像を絶するものだった…

頭蓋骨にドリルなんて
すごい衝撃だと考えなくてもわかることだが、
想像していたものをはるかに上回る
爆音と衝撃で
意識が吹っ飛びそうになった。


こんなの想像なんて出来るわけがない。


考えられないほどの衝撃だった。


実際の聞こえる音だけでなく、
骨伝導の音もあるのだろう。

穴を開けている間も
「ゴゴゴゴ!ガタガタ!ダカダカ!」
とものすごかったが、
最後、
頭蓋骨と脳みその間にある〝脳膜〟
を破った瞬間、
「ドッゴーン!!!」
という衝撃が
もう言葉では言い表せないほどだった。
あれはヤバイ。


強いて例えるならば、
道路工事を頭の中で行われているような
そんな感じが一番近いか。

死んだなと思った。

いや一瞬何かが吹っ飛んだ。


怖すぎて一気に余裕がなくなり、
緊張の糸がぷちっと切れた感じで涙が出た。

全身麻酔で意識さえなくして欲しいと
本気で思った。

実際演奏しながらの手術のため
全身麻酔は出来ないのだが…


そんな気持ちを察してくれたのか、
オペナースさんが
隣でずっと手をさすってくれていた。


そして、無事に貫通式が終わると
平先生に「生きてる?」と確認され、
「なんとか生きてます」
と答えた。


いや、死んでたらまずいけどね。

ここで意識飛んじゃう人もいるんだろうか。
 ※追加:事後聞いた話だと実際に意識なくす人もいるみたい



その後、
頭で何が行われているかの感覚は全くなく、
堀澤先生と平先生との会話の中で
どの部分を何秒焼いていくかを
相談しながら進めていたようだった。


実際にサックスを構えて吹いたり、
指を動かしたりしながら、
「これはどう?」と聞かれ、
ある部位で60%ぐらいの指の動きの改善
がみられたので、
それをそのまま伝え、
「悪いほうに変わったら教えてね!」
という感じで、
会話をしながら
変化が出る部分を見極めているようだった。


実際は自分で見ることはできないが、
一度電気のようなものを試験的に流し、
その部分で良い変化が出るのを確認できたら
場所を特定し、
焼いていくような感じだと思う。


途中、
「パピプペポ」といってみたり、
手をグーパーしてみたり、
親指と中指、親指と人差し指を
くっつけるように素早く動かしてみたり、
力が入りにくい、握りにくい、
といった変化も
繊細に確認しながら微妙な違いを探っていく。


術前の説明にもあったが、
脳の神経は55℃で破壊されるらしい。

思ったより低い温度で
簡単に壊れちゃうんだとびっくりした。


実際に何例も手術してきた中で、
壊しすぎず、症状を残しすぎずの
絶妙な温度と時間の塩梅があるとのこと。


そんなこんなで、
症状が80%程の改善がみられたな
というところで、
これ以上は麻痺が残るし、
症状が改善しても
一般的な早いスピードで動かせなくなる
との先生方の判断により終了。


自分の中では

(えっ!今この手術中に100%取りきれないの?
せっかく衝撃に耐えて頭に穴開けたのに、
これで終わっちゃうの…??
ちょっとまって、ちょっとまって。
再手術になるのは嫌だよ…
またこの衝撃と怖さは二度とやだよ…
今開けてる最中で全部取ってよ…)

という悲しさと悔しさで
涙がとめどなく溢れてきた。

まさかの大号泣…


先生方から術前の説明もきちんと聞いていたし、
理解しているつもりだったのだが、
自分の理想が高すぎたのか、
手術中に症状自体は全て消えると
思い込んでいたために、
気持ちがものすごい勢いであふれてきた。


平先生に「何で泣いているの?」と聞かれ、
自分の思うままに全て話したら、
平先生も堀澤先生も

「今この手術で100%を求めちゃいけないよ。
その焼いた部分が実際にきちんとやっつけられているかは
3ヵ月後のMRIでわかることだから、
今は焦っちゃだめ。
これ以上やったら麻痺が残るから、
それだけはやっちゃいけないことだからね」

ときちんと説明してくれた。


はたからみたら完全に
小さい子をなだめているような感じだと思う。

大の大人が大泣きですみませぬ。。。


それなのに関わらず、
その時の自分は心の整理が全くつかず、
分かっているはずなのに、
理解しているはずなのに、
受け入れられない自分がいて
次から次へと涙があふれ出てくるのを
止められなかった。


だが、こんな状態になった患者を目の前にしても、
これ以上の破壊は危険であるときちんと判断し、
手術を終了してくれた先生方には
本当に感謝してもしきれない。

ご迷惑をおかけしてすみません…


号泣している自分を術中ずっと励ましてくれて、
泣きやむことができない気持ちを察し、
支えてくれたオペナースさんには、
本当に心からのお礼を言いたかったけど、
号泣しすぎて言葉が出なかったのが
今でも悔やまれる。


そして手術が無事終了したところで、
傷口を閉じて
シャンプー、ドライヤーをかけて終了。


12:00
術後、ストレッチャーで
そのままMRIとCT検査へ移動。

MRIは検査中、
半端なく大きな音がしているにも関わらず、
泣き疲れて少し眠った。


13:30
検査が終わり、
病室に戻ってきて無事に家族と再会。

ただいま。




病室のベッドで頭のフレームを外す。




4ヵ所ねじ込んであるボルトを
ドライバーで抜いていくのだが、
その際、細い動脈にボルトが当たってしまい、
なかなかの出血。

頭部だからか意外とどくどく出血し、
なんとか止血後、圧迫包帯を巻く。


このタイミングで
最初のボルト部分の麻酔が切れ始め、
ものすごい痛みが襲ってきた。

身がよじれるほどの痛みで、
「早く薬を打ってください…死ぬ…」
って感じで、
即効で鎮痛剤を投与してもらった。

痛すぎる。


時間が経つと、
手術の切開部分の麻酔も切れ始め、
次から次へとあらゆる痛みが強烈に襲って来た。

持続的に鎮痛剤を投与し続けてもらった。


手術一連の中で、
一番痛いのは
術後フレームを外した後の痛みだと思う。

これはまじでやばいほど痛かった。


その後はベッドで翌朝まで絶対安静のため、
トイレも食事も歩行もNG。



16:00
頭(ベッド)を30度以上上げなければ、
軽い飲水はOKだったので少しずつ水分補給。




その夜は鎮痛剤のおかげもあり、
なんとか眠ることが出来た。



翌朝
先生方が揃って回診にいらっしゃって、
もう起き上がってもいいとのことだった。

起き上がる際は頭が重たく、
メキメキっとした感じで痛みがあったが、
問題なくすぐに朝食も食べられた。

食欲がわかないのではと懸念していたが、
丸1日絶食だったわけで、
普通におなかが空いた。


頭の包帯も取れ、
手術部分のガーゼは
髪の毛で結わえるという画期的な手法。





1日、2日後
順調に体力も回復してきて、
度々先生が様子を伺いに来てくださった。

基本的には問題なく動けるが、
以下症状があることを伝えた。

・左手に力が入らず、ペットボトルが開けにくい
・立ち上がり時や立ち止まり時に左にふらつく
・顔の表情が左だけ鈍い
(右側だけで話しているような感覚)
・後頭部の痺れ

それがどれも術後経過が正常な証拠だ
とのことだった。


焼いた部分を中心に
周囲が火傷のような状態になり、
徐々にむくんでくる。

そのむくみが周囲の神経を圧迫し、
当分は半身に力が入りにくい状態が続く
とのこと。

徐々にむくみが引いてくると、
神経の圧迫がなくなり、
症状もなくなっていくそうだ。


後頭部の痺れは、
フレームを固定していたボルトが
頭の神経を長時間にわたり
圧迫刺激していたために、
ボルトを外した後も痺れた状態が続くとのこと。

これも長くて半年ぐらいかけて
徐々に消えていくとのことだった。

意外とこの頭の痺れの方が
長く続くかもしれないとのこと。


手術部分のガーゼも取れ、
お風呂のOKもでた。

傷口は、医療用ホッチキスで
きれいにくっついていた。





恐る恐るお風呂で頭を洗い髪を乾かすと、
バリカンで剃った部分や傷口は
ほとんど髪の毛に隠れて
見えないぐらいの述部だ。



思っていたより全然ハゲなかった。


実際の楽器の症状は、
手術中の時の感じに近く、
まだ20%ぐらいは症状が残っていて
動きの邪魔をしているような感じだった。


改めて、手術がゴールじゃないんだと実感した。


感覚としては、
症状の80%は脳が原因で、
残り20%は長年の症状の蓄積によって
体自体が覚えてしまっている癖かな、
と感じた。




2017.1.24.(火)
入院当初は、
手術1週間後の抜糸までは
入院する予定だったが、
手術から5日経ち
術後経過が順調だったので早めに退院。


体は元気になってきたので、
出来るだけ早く日常生活に戻した方が
リハビリにもなるとのことで
抜糸は退院後、外来ですることになった。

退院してから仕事復帰するのが大変だ
と思ったのと、
何より入院生活は暇すぎて
それが逆にしんどかったりするのだ。


入院期間はちょうど1週間で、
かかった費用は手術や検査込みで
「10万円弱」程度だった。

入院時の差額ベッド代は
別途実費分がかかるが、
大部屋であれば無料だ。


手術自体は高額だが、
高額医療費制度のおかげで、
患者の最終出費の負担は少ないのは
とてもありがたい。



2017.2.2.(木)
手術から1週間以上経ち、
抜鈎(ばっこう)の日。

抜鈎とは、
頭の傷口をとめている医療用ホチキスを
抜くというもの。
抜糸のようなもの。


実際の手術は、
内部の筋膜や脂肪部分を
溶けてなくなる糸で縫い合わせ、
表皮はホチキスでとめるのが近年の主流らしい。


傷口がふさがったら、
ホチキスを抜くのみ。

専用の抜鈎器具を使って抜いていく。




抜鈎時は「メリッ」という
皮膚から針が抜けていく感覚と、
多少の痛みがあった。

術直後の痛みに比べたらへでもない。



ホチキスを抜いた後のきれいな傷口を見て、
改めて先生方の技術の素晴らしさがわかった。


ちなみに、
平先生の手術は
世界的にも例が無い特別な手術のため、
海外のお医者さんがよく見学に来られるそうで、
私の手術の時も見学に来られていた。



手術直後に比べ2週間程経った方が、
述部付近のむくみによる
以下のような左半身の不自由さを
強く感じるようになった。

・歩き方がびっこひく
(左足に力が入らないため)
・左手をついて身体を支えきれない
・フライパンを左手で持てない
・PCのタイピングが思うように打てない
・日常生活における全ての動作に、
左手への動きの鈍さを感じる

左半身だけおばあちゃんになったような感じで、
自分の体じゃないようだった。


日常生活全てがリハビリ状態で、
普通の生活がとても疲れる。

また、頭の痺れは
相変わらず残ったままだった。



2017.2.23.(木)
術後1ヶ月検診で平先生を受診。
主治医の堀澤先生や、
海外から見学に来られている先生方も
多くいるなか、
術後の経過を話した。

手術から1ヶ月が経ち、
ジストニア自体の症状は
ほとんど無くなっていた。


これが不思議なことに、
手術直後よりも1ヶ月経ってからの方が
症状が消えているのだ。


術後、先生に
「時間が経ってからの方が良くなるから」
と説明を受けてはいたが、
本音を言うと半信半疑だった。


先生方を信じていないわけではないが、
長年苦しめられてきたこの症状が
消えるということが
やはり自分の中で信じきれなかったのだ。


退院後の述部周辺のむくみによる
左半身の不自由さはだいぶ良くなり、
まだ100%まではいかずとも、
力や動きなどは徐々に戻ってきた。

頭の痺れの範囲もだいぶ小さくなってきた。


ただ、手術から1ヶ月後程たってから、
傷口周囲の髪の毛がきれいに抜け、
つるっとハゲてきて、
生えてくるのか不安だったが、
一時的に毛根が弱っているせいで
あと数ヶ月経つと次第に生えてくるようだ。





手術直後のMRIを見ながら
私にも分かるように説明してくださったが、
症状の元になっていたであろう部分が
米粒大に白く写っていて、
とてもわかりやすく
がっつりと焼けていたようだ。

3ヶ月後の検査の際に
症状の悪化や、
脳神経の破壊不足が無い限り、
その後の再発はない
と考えていいとのことだった。


実際には、
自分のサックス人生においての指の状態のピークを100%とすると
まだ70%程の改善かと思うのだが、
この段階でジストニアの症状自体は
ほとんど消失し、
あとは単に運動能力の再構築(通常の練習)
だけだと確信している。


ただ、練習を重ねることで
また症状が再発してしまうのでは
という不安が強くあることを言うと、
「それは絶対にないので安心してどんどん練習してください」
と断言してくださったので、
今後も焦らず
ゆっくりとリハビリを続けていこうと思う。


最後に、
手術を執刀してくださった
世界最高のチームの先生方と一枚。





平先生と堀澤先生には
感謝してもしきれないほどです。
本当に本当にありがとうございました。




ーーーその後、
3か月、半年、1年後と経過観察で通院し、
問題なく順調だった。


1年経った現在、
まだ多少のハゲはあるが、
自分ではほとんど気にならない程だ。
たまに風が吹くとバレる笑


再発することはまずないから、
怖がらずにどんどん練習していい
とのことだったので、
これからも
自分なりの音楽を表現していこうと思う。



------------------------------------------------------


かなりの長文をお読みいただきありがとうございます😊

少しでも多くの方に病気について知ってもらうためにも、
手術を受けるか受けまいか決断できず悩んでいる人にも、
何か届けばいいなと思っています(*'ω'*)

病気と闘ったことで、
一番変わったことは、
自分の身体をきちんと観察して労ってあげることが
大切なことだなと思うようになりました。


楽器を演奏する人は、
身体を酷使しすぎる傾向にあります。

少しの時間でもいいので、
自分の身体を見つめてあげる時を
作ってあげてください(・ω・)


2018.1.30.
ゆりこ



①フォーカル・ジストニアとは


②どんな症状か


③発症の原因は何か


④治療方法


⑤まとめ



定位脳手術 体験記٩( 'ω' )و



症状変化動画



カテゴリー【フォーカル・ジストニア】




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術後半年検診

2017-07-26 18:24:35 | フォーカル・ジストニア
1月にフォーカルジストニアの脳外科手術を受けて、
早いものでもう半年が過ぎました。


今日は術後半年検診でした。



平先生とお話をして、
変わった変化もなく、
再発の心配もなく、経過は順調。


あと半年後に念のためもう一度検診で、
ほぼ問題ないとのことでした。



傷口部分のハゲてたところも、
だいぶ茂ってきて、目立たなくなってきました(*´ω`*)


色々問題なしです!



学生時代のようなピーク時に戻すことはほぼ不可能だけど、
症状の出ない今の状態で、
新たにもっともっと長く音楽を続けていけることが、
当たり前じゃないということ、
改めて実感して続けていこうと思います。



まだ若いとはいえ、
音楽家にとっての30歳手前は色々と変化が出て来るときで、
その中でもテクニック的な面での変化は大きいです。



『ジストニアの症状がなかったとしても、
年齢とともに衰えを感じる部分は結構ある。
そんなんでいちいち腐らないのっ!』

と、
一番身近な先に三十路を経験してる師匠に言われました。


すぐだめだぁって腐ってしまう自分の性格を
毎回引っ張り上げてくれる師匠です。


だいぶ救われています。ありがたいです。




なので、
過去の栄光にいつまでもすがるのではなく、
加齢と共に出てくる良さというものを
模索しながら磨き続けたいと思います!


いっちょ!



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⑤まとめ

2017-06-10 19:07:00 | フォーカル・ジストニア
※2018年10月更新



【⑤まとめ】

【①フォーカル・ジストニアとは】
【②どんな症状か】
【③発症の原因は何か】
【④治療方法】
と、項目別に書いてみましたが、
私なりの感想と意見をまとめていきたいと思います。



私はフォーカル・ジストニアを発症して
闘病を続けてきたのが4年ちょっとになりますが、
この年数が長いと思う人も、
短いと思う人もそれぞれだと思います。



この病気の患者さんには、
もっと短い期間で克服した人もいれば、
10年以上に渡り症状とうまく付き合っている人もいます。



皆それぞれ
自分なりに対処法を模索して、断念してを繰り返しているのだと察します。



私は、“症状の克服はもう不可能なのでは”と
半分諦めていた時期がありながらも、
様々なアプローチを試しながら結果的に外科的手術に臨みました。


出来るだけリスクは避けたいという思いもあったり、
外科手術以外の方法でなんとか克服できないものかともがいていましたが、
どのアプローチも結局自分に合わず断念してきました。



そして、
“最後の砦”といった感じで
外科手術の必要性が改めて浮上してきました。



結果、
平先生チームの手術を受けてよかったと心から思います。

手術自体はここでは語りつくせない程、
ものすごい体験
でしたが、
本当に本当に外科手術に踏み切って、全く後悔していません。



手術を受けて改めて、
「手術がゴールではない」と実感しました。



―手術で全てが元通り―― なんてそんな魔法のようなことはなくて、
やはりフォーカル・ジストニアを何もなかったことには出来ません。


例えるならば、
今まで自分の蓄えてきた技術に
フォーカル・ジストニアという症状が複雑に絡み合っていて、

手術ではそういった蓄えてきた技術もろとも“0に戻す”様な感覚で、
実際は手術によって発症前の指の動かし方に戻るわけではなく、
一度リセットした状態で、
新たに別の指の動きを再構築していくということが
このフォーカル・ジストニアの完全なる克服だと感じました。



これからのリハビリでは、
昔同様の指の動かし方でまた同じ道を作らないためにも、
指よりも大きな筋肉である手首の力も利用しながら、
別角度から指を動かすように一から練習を重ねています。



実際に手術をせずに、
別の道を作れるにこしたことはないですが、
私の場合は症状が真っ先に邪魔をしてそれがとてもじゃないけど困難でした。


そのため、
まずは手術で症状自体を取り除いてからでないと、
このリハビリ方法は不可能だったと実感しています。



平先生のお話では、
治療不可能といわれてきた、
口に症状が出てしまう〈アンブシュア・ジストニア〉に対しても
最近、同手術で効果を上げているとのことで、
フォーカル・ジストニアの様々な症状に対しての
外科的手術の治療法はどんどん広がっています。



まだまだ謎の多い疾患ですが、
研究もどんどん進んでいて、
昔に比べると克服可能な疾患になってきていると思います。


私のフォーカル・ジストニア人生も
完全なる克服まではまだ先ですが、これからが本当の意味の再スタートだと思います。


さてと、がんばるぞ!!




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もっと詳しく知りたい方や、
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奥田百合子 Yuriko Okuda

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④治療方法

2017-06-10 18:34:13 | フォーカル・ジストニア
※2018年10月更新



【④治療方法】

【③発症の原因は何か】
に続いて、
治療方法について個人的にわかる範囲で書いていき
ます。

フォーカル・ジストニアの治療で
即効性があるものは現時点で基本的にはないとされています。


また、
すぐに効果として現れないため、
様々な治療法の中から自分に合う治療法を選び、
判断することにも時間がかかります。


どの治療法も年単位の改善を考慮し、
患者も治療者も根気をもって治療に取り組む必要があります。


今現在行われているいくつかの治療法を、
自身の経験も踏まえ、私なりに以下に治療法別でまとめてみました。


※あくまで個人的主観と感想ですので、全ての人に同じ効果があるとは限りません。
 また、これらを強要するためにのせているわけではないことご了承くださいませ。





■内服薬■ ※経験あり

・芍薬甘草湯・・・筋肉の緊張を和らげる漢方
・メキシチール・・・自律神経に作用する薬
・アーテン・・・筋肉の不随運動に効く唯一の薬
・マイスリー・・・入眠剤(アーテンと同時服用)
 ※私が処方され実際に服用した薬で、用法はお医者さんに説明されたものです。
 ※フォーカル・ジストニアの治療に対しての内服薬は他にもあります。

▽メリット
 内服薬ということで、あまり抵抗なく始めやすい。
 手軽。
 内科的治療なので、体に外傷がつかない。
▼デメリット
 人により副作用がひどく出る。
 効果が出るまで時間がかかる。
 効果が弱い(ない)。



■ボツリヌス毒素、筋肉麻酔■ ※筋肉注射のみ経験あり

ボツリヌス毒素・・・ボツリヌス菌を症状部分に直接注射することで、
           脳から送られる命令自体を遮断する作用がある。
筋肉麻酔・・・筋肉に局所麻酔を打ち、筋肉自体の動きを抑制する。

▽メリット
 人によって効果が高い。
▼デメリット
 非永続的であり、定期的に注入する必要がある。
 また増量する必要性がある。
 フォーカル・ジストニアに対しての使用に保険が適用されないため、費用が高額。
 症状の部位や楽器によって全く効果が出ない人もいる。
 症状の根本的解決にはならない。



■マッサージ■ ※経験あり

症状が出ている部位だけでなく、視野を広げ体全体からの原因を探りアプローチする。

▽メリット
 症状のみでなく体全体のバランスが整う。
 自分の癖や体の調子を知ることができる。
▼デメリット
 実費診療が多い。
 音楽家ジストニアの専門的知識がある治療師が少ない。
 一時的な対処療法で、症状の根本的解決にはならない。



■技術再訓練(アレクサンダーテクニーク)■ ※一度のみ経験あり

フォーカル・ジストニアを一種の癖と捉え、
その癖を取り除くのではなく“新しく別の癖をつける”というスタンスで克服するというアプローチ方法。
※この方法の一つとして、アレクサンダーテクニークは有効的である。

▽メリット
 手術や薬などの医療行為を行わず、症状の根本から解決することができる。
▼デメリット
 アプローチ方法は症状や楽器、人によって多種多様なため、自分に合った方法を探し出すことが難しい。
 また、フォーカル・ジストニアと音楽家の専門的な知識を持った治療者が少ない。
 症状とは別の道(癖)を一から再構築するのに年単位の時間と忍耐力が必要。



■鍼治療、電気治療■ ※電気治療のみ経験あり

症状の出ている部位を中心に、筋肉に直接刺激を与え、過緊張してしまった筋肉を緩める。
肩凝り、腰痛などに利用するものと似た治療。

▽メリット
 筋肉の痛みや緊張を緩めることができる。
▼デメリット
 保険がきかず実費診療の場合がある。
 一時的な対処療法で、症状の根本的解決にはならない。
 効果が弱い。



■外科手術■ ※経験済み

症状の根本的原因である脳神経を熱凝固により破壊する
「定位脳手術(定位的高周波凝固手術)」と呼ばれる外科手術。

▽メリット
 一時的な対処療法ではなく、永続的な症状の根本からの改善が期待できる。
▼デメリット
 専門的な手術のため、対応可能な病院と医師が限られている。
 (※2017年時点では、世界中でも日本の一つの病院&チームのみ)
 脳神経を焼く外科手術のため、重篤な後遺症が残る可能性を完全には除去できない。







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③発症の原因は何か

2017-06-10 17:46:54 | フォーカル・ジストニア
※2018年10月更新



【③発症の原因は何か】

【②どんな症状か】に続いて、
発症の原因は一体何かということに触れていきます。


実際には、今現在、発症に至る確固たる原因というものは
理論的には未解明の部分が多いのが現状です。



ざっくりと心理的な要因なども含めて、
何らかの原因で脳神経に異常が発生し、症状が現れる――
といったところが現段階では妥当かなと思います。



初期症状としては、
指がころぶ等の誰もがよくある違和感から始まります。

それを多くの人が“練習不足”だと思い込み、
克服するために更に反復練習を続けていく。



「いつもそうしてきたから」と、
その思い込みと練習には普通、自分では何の疑問も抱きません。



しかし、
そのちょっとした違和感だったものが、
より強く“症状”として表れ始め、
コントロール不能になった段階でようやく異常に気付きます。



それがフォーカル・ジストニアの発症です。



フォーカル・ジストニア患者のほとんどが、
長年にわたり長時間の専門的な練習を蓄積してきた演奏者であること。
※そこにプロアマは関係ありません。


また、自分と周囲を比較し、
自分だけにしかわからない衰えをなんとか克服しようと焦り、
どんどんとドツボにはまっていく。


絶対的な要因とは断言できませんが、
“几帳面” “完璧主義者” “責任感が強い”
といった性格の人が発症する傾向がより高いかなと感じます。



そして、
症状自体がなかなか周囲には理解され難く、
自分と周囲との温度差によって
簡単に相談や公表ができないというのが、
この病気の原因解明にあたって大きな障害になっていると強く思います。






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②どんな症状か

2017-05-30 14:23:36 | フォーカル・ジストニア
※2018年10月更新



【②どんな症状か】

【①フォーカル・ジストニアとは】に続いて、
では一体どんな症状なのかってとこです。


症状は、大きなくくりはあるものの、
まるで個性かのように人によって全く異なります。



実際には音楽家以外にも、
漫画家や美容師など様々な専門職の人で発症した例がありますが、
ここでは私自身が経験した「音楽家ジストニア」について記そうと思います。



実際の症状としては、
“ある特定の動作のみ、意図しない筋肉の過緊張により演奏困難になる”
といった症状が起こります。

簡単に言うと、
「こう動かしたいのに指がいうこと聞かないで勝手に動いちゃう!」
って感じです。



私の場合、
左手の中指にだけ、フォーカルジストニアの症状が表れ、
意図しない指の巻き込みや突っ張りが起こり、
始めは難しいパッセージが困難になり、
徐々にゆっくりで簡単なスケールさえも演奏不可能になりました。

楽器から指を離そうと思っても離れなかったり、
逆に押そうとしても押せなかったりといったように症状が出て、
コントロール不能になるというもの。



動かそうと思っても力が入らなかったり動かせない痺れや麻痺とは違って、
脳からの指令とは別に勝手に筋肉が動いてしまう感じで、
まるで自分の指じゃないような感覚になります。




不思議なことに本当にその指だけで、
他の指や反対側の指にはなんの症状も表れません。

それが“局所性ジストニア(フォーカル・ジストニア)”という
名前の由来なのですね。
 (※症状の進行度によって、両方に表れたり、他の指にも症状が表れたりすることがありますが、初期段階ではある1箇所のみに表れます。)



私は左指に症状がみられましたが、
楽器によっては右手だったり、
足だったり、口だったり、
声を使う場合は喉だったりと部位も様々あるようです。



最初は特定の楽器、特定の動作のみに表れていた症状が、
悪化していくと次第に似たような動作全てに表れ始めます。


私の場合は、
最初はサックスのみに表れていたものが、
似たような指使いのリコーダーにも表れるようになり、
次第に、“コップをつかむ”といった似たような動作、
自転車のハンドルを握る、
ピアノやパソコンのキータッチなど、
指先で触れただけでも症状が表れるようになっていきました。


食器を洗うことや、つり革につかまることなど、
一見まるで関係のなさそうな動作一つ一つに症状が出てくるようになりました。



このように、
悪化していくと、日常生活にも支障をきたす程になり、
また、症状とは関係ない指にも不随運動として別の症状が表れていきます。

自分の意思に関係なく、中指が勝手に巻き込んでしまうのを
他の指がカバーしようと一生懸命離そうとすることで、
指が突っ張ってしまったりといった不随動作が出てくるようになります。



「フォーカル・ジストニア」は死に至るような病ではないものの、
音楽家にとっては仕事道具である指が
自分の意思ではコントロールできなくなるということが
死ぬほど辛いのです。







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①フォーカル・ジストニアとは

2017-05-30 13:15:57 | フォーカル・ジストニア
※2018年10月更新


 はじめに...



昔に比べると、
インターネット等の普及もあって、
だいぶその名前は知られるようにはなってきたけれど、

専門的に学んでいく上で、

学ぶ当事者である生徒はもちろんのこと、
お医者さんや先生、音楽家でも
この病気を知らない人がほとんどで、

幅広く認知されるに至っていないのが現状です。


私のように、
手術を受け復帰した人もいるだろうし、

人知れず長年に渡り
ずっと症状に苦しめられている人もいると思います。


そして、自分が「フォーカル・ジストニア」だということに気付かずに
悩み続けている人も多くいると思います。



私が実際にフォーカル・ジストニアを患い、
経験してきた様々なことを踏まえて、

まずは
“フォーカル・ジストニアを知ってもらう”

というのが私の心からの願いです。


※あくまで個人の意見であり、
専門家の意見ではないということを前提にお読みください。






【①フォーカル・ジストニアとは】

まず、
フォーカル・ジストニアって一体何ぞやってとこですよね。


別名、“局所性ジストニア”と呼ばれたりもしますが、

既にロマン派の時代には発症者(シューマンなど)がいた記録もあったりと、
割と古くからある疾患です。



古くからある疾患なのにも関わらず、

発症患者数が少なかったり、
発症していたとしても、病気のことを知らずに
本人自身が気付いていなかったり、

公表することで仕事が無くなるのを恐れて
公表していなかったり等、

実際にその名があまり知られていないのが現状です。



また、難病指定こそされていないものの、
(遺伝性ジストニアは難病指定疾患だけど、フォーカルジストニアは指定されておらず…)

原因や治療法、
発見方法や予防策など
まだまだ未解明の部分が多いため
難病と言わざるを得ないと思います。



様々な原因が複雑に絡み合っている疾患で、
何が原因かと断定することは難しいですが、
様々な考え方がある中、色んな経験を踏まえた私個人の意見としては、

症状を起こしている根本的な原因は、
筋肉や骨などではなく“脳神経の異常である”
というのが一番近いと思います。



難病指定されている「ジストニア」とは
名前が似ていますが、
症状や発症経緯などが大きく異なっています。


病名の
「フォーカル」は“局所的な”という意味で、
「ジストニア」とはラテン語で“ディス(非・不)”“トーヌス(緊張)”
という症状に対しての呼び名として使われています。







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