goo blog サービス終了のお知らせ 

Life Line

18年続いたteacupでの活動をこちらへと引き継ぎました

日々を綴ります 生きている限りにおいて

invisible nature

2005-01-06 04:31:51 | 心に残った記述、台詞
ギタリスト、押尾コータローのアルバム「Starting Point」ライナーノーツより。

 1572年天文学者ティコ・ブラーエによって発見された星があります。そして、その星はティコの星と呼ばれるようになりました。現在ではカシオペア座Bと名付けられ、強い電波は観測されていますが、もうその星は見えないそうです。
 見えなくても確かに存在するものはある。広い宇宙の中には名もなき星が数え切れないくらいあるのだろうと思います。この曲は、そんなはかなげな星たちへ想いを込めて、ティコと名付けました。
コメント

The moon is a harsh mistress

2005-01-05 05:01:56 | 心に残った記述、台詞
太宰治「懶惰の歌留多」

 ふと眼をさますと、部屋は、まっくら。頭をもたげると枕もとに、真白い角封筒が一通きちんと置かれてあった。なぜかしら、どきッとした。光るほどに純白の封筒である。キチンと置かれていた。手を伸ばして、拾いとろうとすると、むなしく畳をひっ掻いた。はッと思った。月かげなのだ。その魔窟の部屋のカアテンのすきまから、月光がしのびこんで、私の枕もとに真四角の月かげを落していたのだ。凝然とした。私は、月から手紙をもらった。言いしれぬ恐怖であった。
 いたたまらず、がばと跳ね起き、カアテンひらいて窓を押し開け、月を見たのである。月は、他人の顔をしていた。何か言いかけようとして、私は、はっと息をのんでしまった。月は、それでも、知らんふりである。酷冷、厳徹、どだい、人間なんて問題にしていない。けたがちがう。私は醜く立ちつくし、苦笑でもなかった、含羞でもなかった、そんな生やさしいものではなかった。唸った。そのまま小さい、きりぎりすに成りたかった。
 甘ったれていやがる。自然の中に、小さく生きて行くことの、孤独、峻厳を知りました。かみなりに家を焼かれて瓜の花。その、はきだめの瓜の花一輪を、強く、大事に、育てて行こうと思いました。


コメント

太宰!

2005-01-03 08:53:41 | 心に残った記述、台詞
君、あたらしい時代は、たしかに来ている。それは羽衣のように軽くて、しかも白砂の上を浅くさらさら走り流れる小川のように清冽なものだ。芭蕉がその晩年に「かるみ」というものを称えて、それを「わび」「さび」「しおり」などのはるか上位に置いたとか、中学校の福田和尚先生から教わったが、芭蕉ほどの名人がその晩年に於いてやっと予感し、憧憬したその最上位の心境に僕たちが、いつのまにやら自然に到達しているとは、誇らじと欲するも能わずというところだ。この「かるみ」は、断じて軽薄と違うのである。欲と命を捨てなければ、この心境はわからない。くるしく努力して汗を出し切った後に来る一陣のそよ風だ。世界の大混乱の末の窮迫の空気から生れ出た、翼のすきとおるほどの身軽な鳥だ。これがわからぬ人は、永遠に歴史の流れから除外され、取残されてしまうだろう。ああ、あれも、これも、どんどん古くなって行く。君、理屈も何も無いのだ。すべてを失い、すべてを捨てた者の平安こそ、その「かるみ」だ。

コメント

生と死の幻想

2004-12-28 06:26:06 | 心に残った記述、台詞
ピアニスト、Keith Jarrett

-Death and Flower-

私たちは誕生と死の間を生きている
あるいはそのように自分自身を納得させている
本当は自らの生の絶え間ない瞬間に生まれつつあると
同時に死につつもあるのだ
私たちはもっと花のようにつとめるべきである
彼らにとっては毎日が生の体験であり、
死の体験でもあるから
それだけに私たちは花のように生きるための覚悟を
持たなければならないだろう

コメント

新カテゴリ

2004-12-25 15:23:11 | 心に残った記述、台詞
ドラマ、ERⅢ より。外科コースを辞めてERに専念したいと申し出るカーターとアンスポー部長とのやりとり

カーター医師
「外科医を尊敬しますが自分の実践したい医学ではありません。技術を修得してそれなりの外科医には成れるでしょう。自分はそれまでです。でも優れたドクターには成れます。患者の身になって考え力になれます。得意なんです。そういう事が。人々に勇気と希望を与えられます。やらせて下さい。自分にはできるんです。」

アンスポー部長
「・・・私もこの歳になるまで我が道が正しかったか何度も悩んだ。でも君は信じてる。いくつだ?26か?うらやましい・・・。・・・明日来てくれ。いい方法を考えよう。」

コメント