僕は名もない凡人でいたい

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卒業研究発表会

2018年03月26日 | 大学
大学最後のイベント、卒業研究発表会。
在校生や入学検討者の方を前に、自分の作品を発表しました。

本校は京都にありますが、東京で学んだ私たちにとっての学び舎、母校と呼べるのは、やはり東京キャンパスです。
自分にとっての卒業式は今日。
満開の桜の下しばし立ち止まり、神様からの贈り物を見上げました。

卒業生のうち発表者は8名。
持ち時間は一人10~15分ほど。
私はトップバッターです。
人前で話すというのはなかなかない経験で、以前の私なら、絶対にやりたくないことの一つでした。

1時間前に大学に到着。
いきなり会いたくない男性に会ってしまい、(うわー!)と思うのと(やはり来たか)と思うのと半分半分。
でも、今はそれどころじゃない。
適当に挨拶してさっさと通り過ぎました。

まず事務局に寄り、頼んでいたCDプレイヤーなど機器のチェックをさせてもらいました。
マイクはどれを使うの? とか、どこで話すの? とか色々確認しながら、一人脳内リハーサルをしました。
おかげで、あまり緊張することなく無事終了。
ちょっと泣きそうになったけれど、なんとかこらえてセーフでした。

実は、家で夫の前で練習した時、自分でも意味のわからない涙が出て、止めようとすると余計に出てきてしまったのです。
本番では絶対に泣かないぞ! と踏ん張りました。

ところが、私以外の人が泣いていました。
事務局のある女性は、私が病気になった時から私を知っていて(私の方は知らず)、私が復学してN先生と再会した時も事務局員としてそばにいて、影ながらずっと心配していたというのです。
この日、私が発表する間、彼女はこっそりCDプレイヤーを操作したり部屋を暗くしたりお手伝いしてくれたのですが、ふと見ると目を真っ赤にして泣いているのでした。
O先生は眼鏡をあげて、何度も涙を拭いていました。
私の方が「先生、なにか辛いことでもあったんですか。よしよし」と突っ込みを入れ、周りの先生にもからかわれる、という次第。

【先輩からお祝いをいただいてしまいました】

発表の最後に、卒業研究作品誕生のきっかけとなった音楽を流しました。
私が骨髄移植をした時、難病のピアニストである友人が自宅で演奏・録音してくれた「シューベルト即興曲op90-3」です。
友人の許可を得られたこと、大学側でプレイヤーを用意していただけたことから叶いました。(今はちょっと音楽を流す、というだけでも大変な時代です)

5年前の私。
明日も生きているかわからないという中で、大学に復学し、卒業研究を完成させ、卒業する、なんて夢のようでした。
現実になったんだなあ。
自覚し始めると、嬉しさよりも寂しさの方が大きいです。
(来年、またいたりして)

発表会終了後は、先生・在学生・他の学部の方も含めた文芸コース懇親会。
胸いっぱい腹いっぱいの一日でした。

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2 コメント

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Unknown (欄)
2018-03-26 18:09:17
キレイに咲いていますね
欄さん (lib)
2018-03-26 20:45:55
最高ですね。
欄さんも楽しんでください。今週、満開のようですから。

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