弟の交通事故裁判

弟の交通事故の裁判(初審)が結審した。内容は不満だったらしいけれど、裁判疲れで控訴は見送ったと言う。なにしろ、弟は事故被害者なのに、裁判では被告だったからだ。

交差点で女性の運転する車に当たられて転倒し、直後はなんともなかったが数日後に道路で打った肩が痛くなり病院へ。骨折はしていなかったが、超打ち身で激痛の日々を送ることになった。

連絡先をきいていた加害者にその旨を連絡したところ、「当たり屋から脅された」と裁判を起こされた。先方の主張は「交通事故なんかなかった」というものだった。

事故後、弟は先方と喫茶店で話しをしており、その時の会話を録音してあったので、弁護士は楽勝と判断したらしく弁護を受諾した。

裁判では「交通事故はあった」というのはすぐ認められたが、治療費をどこまで負担するかで揉めた。というのも、超打ち身が長引くうちに肩は変に固まってしまい上に上がらなくなってしまったからだ。

手術はできないと言われ、大量の鎮痛剤を飲んでいたが、やっと一昨年、防衛医科大学で肩の手術をしてもらえることになった。但し、痛みを軽減するだけで元通りにはならないと言われた。手術をした結果、少しは腕があがるようにはなったらしい。

これらの治療費のどこまで負担してもらうかが次の争点になった。しかし、事故前の肩の状態が確認できないので、事故の原因でどの治療が必要だったのかの証明が必要になった。

そこで、専門医師の意見書というのが必要になるのだけれど、これが一件につき50万円ほどかかり、すべて自己負担らしい。

結論から言うと、初期の整形外科での治療費(鎮痛剤処方)だけが認められたらしい。事故前と事故後の肩の状態を比較することができないので、今の肩の状態が事故のせいと決められないということだった。

成功報酬を貰えなかった弁護士もがっかりしたと思うけれど、控訴となるとまたお金がかかるので弟はもう止めると言う。相手から謝罪が欲しかったのに、それがかなわなかったのが悔しいとも言っていた。

まあ、いきなり"当たり屋"呼ばわりする人が謝罪するとは思えないが、相手はごく普通の主婦だったらしいので驚く。弟の失敗は事故後に警察と救急を呼ばなかったことだと私は思う。

大したことがなくても、警察と救急を呼んでおけば、少なくとも「交通事故はあった」ことになり、当たり屋呼ばわりもされなかったのではないかと思うし、救急でレントゲンを撮られたと思う。人が良すぎるとえらい目にあうという教訓だった。