今日は慰霊の日。
もちろん私は戦を知りません。父母もまだ幼子だった時代の事なので、戦争体験
の話を聞いたこともあまりありません。
でも今日は職場でも黙祷を捧げ、戦争や平和についての話も少しだけ触れてみました。
小中学生の時には平和学習で色んな話を聞いたり色々な書物を読んだ覚えがあります。
いくつか絵本やアニメなどで子供達にも分かりやすいようになっている作品がありますよね。
皆さんの中にもいくつか思い浮かぶお話があるとは思いますが、今日はこの絵本を
紹介します。
りゅう子の白い旗
沖縄いくさものがたり 新川明 ;儀間比呂志
主人公の「りゅう子」は、戦争のいちばんの犠牲者である当時の子どもたちをあらわす「りゅうきゅうの子」という意味で名づけたものです。物語は、記録映画の一つの場面が語りかける衝撃的なメッセージをモチーフにしましたが、映画の少女の実体験をそのまま再現したものではありません。そのため、実在する映画の少女には、あえて直接の取材はしませんでした。
いまわしい沖縄戦の全体像を絵本という制約のなかで描くことは到底できませんが、のこされた歴史の教訓を少しでも知ってもらえれば、と思います。(新川明)
と本の紹介にありました。
その中で『記録映画の一つの場面』とありますが有名な白旗の少女のことと皆さんご存知かと思います。
少女は手を振っていますが、これには恐ろしくも悲しい意味があります。
兵隊が自分に向けている穴のあいた機械は家族と一緒に写真館で写した
写真機に似ているけれど、ひょっとして自分が知らない武器かもしれない。
だとすると自分はここで殺される、と少女は思うのです。
というものよく「アメリカ兵は残忍で女子供でも平気で八つ裂きにする」
とのデマをよく聞いていたからです。
少女はこのとき、父のことばを思い出します。
「もし、敵と向かい合うようなことがあっても、泣きっ面を見せるな。
最期は笑って死ね」
少女はここでカメラの方に向かって歩きながら笑って、手を振ったのです。
白旗はいっそう高く持ち上げたということです。
「おじいさん、おばあさん白旗をありがとう。でも駄目だったみたいです。
わたし、撃たれる……」
しかし、通り過ぎるとき、何も起きませんでした
おじいさんのいったことは本当だった!
白旗は世界中で約束した安全の印だったのだ。
わたしは、生きている!
少女は、もしかしたらおじいさんとおばあさんは、がまからで出ようと思い直して、
誰かに助けられながら、私のあとをついてきているのでは、という期待もあって、
うしろをふりかえってみました。(「白旗の少女」より)
写真はいずれも比嘉富子:著「白旗の少女」講談社より。