![]() | くりいむレモン スペシャルエディション [DVD] 価格:¥ 4,935(税込) 発売日:2004-11-26 |
全く知らなかったのだが「くりいむレモン」がいつの間にか実写映画化されていた。
自分は”くりいむレモンの映画”と言うと「亜美・終章」を思い浮かべるほど、実は直撃した世代である。
「くりいむレモン」はいわゆる18禁アニメの草分けであり、中でも「亜美ちゃん」は一部の偏った人たちに熱狂的な支持を受けたキャラクターだった。いや、もう、どれくらい凄かったかと言うと、CD出したり、ラジオ番組持っていたくらい。
アニメオタクだった自分も当然リアルタイムで見ている。未成年だったがなぜか見ている。不思議なこともあるものである。何も言わずレンタルしてくれたビデオ屋のオッチャンに感謝するべき。
ただ、正直言うと全然淫靡な気持ちにはならなかった。
友人と集まって鑑賞会をして、河野大回転(わかる人にはわかる)とかに大爆笑していた記憶くらいしかない。亜美ちゃんの声は「牧場の少女カトリ」だし、あー、カトリが喘いでいるよ、ワハハハハ・・・って感じだった。絵も当時テレビで放映されていたアニメ以下のレベルだったし。
♪迷い子なのねセブンティーン背伸びしているエイティーン~そんな季節を誰もが通るのよ~
なんて、主題歌を未だに歌えたりするが。
ストーリーはいわゆる近親相姦。兄(ヒロシ)が大好きな亜美ちゃんが、愛しい兄さんと実は血がつながっていないことがわかって、無事に結ばれる話である。
さらっと書くとこんなところだが、その道程にはいろいろあって、「亜美ちゃんシリーズ」だけで続編や続々編やら新章を加えるとかなりの本数がリリースされている。
ところで、その「亜美ちゃん」関連で唯一自分がハマったものがあった。
それが「今夜はそっとくりいむレモン」と言うラジオ番組だったのである。
そのパーソナリティーが「亜美ちゃん」。アニメのキャラクターがラジオ番組を持ってしまったわけである。
ストーリー上、亜美ちゃんはアイドル歌手になるのだが、それとクロスオーバーさせるような形で現実にラジオ番組を持ったと言うわけだ。ホリエモンもびっくりなメディア戦略である。
内容的には「亜美ちゃん」が1人語りする30分番組である。
土曜の夜中に東京ローカル(東京放送だったかな?)でひっそりとやっていて、自分は関西でノイズと戦いながら毎週聞いていた。
♪ちんちんちんちちちちちちんちちちん~(オルゴールの音)「お兄ちゃん・・・お兄ちゃん・・・」(独りで喘いでいる)「アニメファンタジー・今夜はそっとくりいむレモン」(冷静な女性ナレーション)。
こんな始まり方。内容はえっちでも何でもなく「全国のお兄ちゃんたち、こんばんわ。今日、亜美は学校でね~」と、淡々と今日あったことなどを話すというもの。なんやそら?と思われる方もいるだろう。
しかし、この番組の白眉は後半。パターンとしては亜美ちゃんの気持ちがだんだんと入ってきて、「人を愛することってつらいと思う。でも、それでも私はあの人のことが好き・・・」と言う暴走態勢に入る。そして、ここでエンディングテーマに突入するのだが・・・
♪白いアンブレラを~さしかけてくれたの~私の細い肩強く抱き寄せては~
♪あなたせつなくて~はげしくて~やさしくて~かなしくて~
「優しくて哀しくて」・・・歌っていたのは、当時は少女女優として「家族ジャングル」や「台風クラブ」などに出演していた大西結花。この後に「スケバン刑事3」に出演して知名度をぐっと上げることになる。(大西さんについては別エントリを参照してください
この歌がまた名曲なのである。作曲の木森敏之氏の代表曲である「聖母たちのララバイ」と同じパターンで、前半はスローで情緒豊かに歌い、サビで一気に盛り上がる。
亜美ちゃんの感情の昂ぶりと同時に、聞いているこちらも感情移入し始めているところに、そのトドメにこの曲が流れるのだから、もう感受性豊かなお子様だった自分はこれだけでノックアウトされた。何度もラジオの前で号泣したのだよ、エエ。これのカセットテープまで買ったよ、アタシは!
もちろん、サンタクロースを信じている子供ではないので、声優さんが演技していることはわかるのだが、何と云うか、土曜の真夜中のその瞬間だけ、ファンタジーの世界に心が飛んでいってるような気がしたのだ。
ちなみに番組は半年で終了。最終回で亜美ちゃん号泣。こちらも号泣。
「半年間、みんなと会えて楽しかった」みたいなことを泣きながら云うのである。不思議なもので、現実を離れてまたアニメの世界に戻っていくのだな~なんて、こちらも感慨が深くなったものだ。
そして、その半年後、今度は日曜深夜に時間を移して「ユリカの部屋へようこそ~あなたにそっとくりいむレモン」が始まる。
ここでは別の作品のヒロインであるユリカさんがパーソナリティーだったが、さすがにもうアダルトアニメにも飽きて来た頃だったので、「今夜は~」ほどのめりこむことはなかった。(後から知った話だが、亜美ちゃんと声優さんは同じだったらしいのだが、当時は全く気がつかなかった)
「彼女はガラスのような心臓だった・・・」という後半戦にしか出られない三杉くんのような主人公だったのだが、そんな体で激しい上下運動しちゃイカンだろう・・・と言う野暮なツッコミばかり浮かんできてしまって。
ちなみに、やはり人気がなかったのか、途中で「くりいむレモン」の会社とかがプロデュースした「レモンエンジェル」なるアイドルグループの番組に変わった。それでも、まだファンタジーな内容だったのだが、半年の休養後、再開された暁には単なる騒がしいだけのアイドル番組に成り果てていた・・・嗚呼。まあ、今声優をやっている桜井智が唄っていた「黄昏ロンリー」は、自分の中の「バカ歌ランキング」に堂々入っているのだが。♪ろんりーろんりーろんりーろりー
何でも、調べてみると、今でも「くりいむレモン」は新作が出たり、亜美ちゃんシリーズをリファインしていたり、インターネットラジオで「今夜はそっと~」が配信されていたりしているのだが、はっきり云って興味は出ない。
あれはやはり「時代」だったのだ。そして、それを受け入れることができた自分の若さだったのである。
今はこの手のエロアニメもゲームが主流に移っている。あの時代の空気も含めて、自分はあのラジオ番組で泣くことができたのだ。
だから、実写版やら安易な復刻なんて意味がない。
当時の環境で再現しなければ、時代の空気を感じられるわけがないのだから。
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