りぼん

re-born

なんどでも生まれかわろう

ジャンヌ・エビュテルヌ

2007年12月16日 | 美術館
『悲劇的な結末をむかえた二人の恋』

新聞に載っていた
この言葉にひかれ
「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」を訪れた。


会場を訪れて
私が一番ひきつけられたのは
16歳の時の
ジャンヌ・エビュテルヌの肖像写真だった。


まっすぐにこちらを見る
美しい彼女の
美しいまなざし。

意思をたたえた強いまなざし。

そして、
深い深い哀しみをたたえたひとみ。



モディリアーニが病院に運ばれて
亡くなるまでに描かれたという
ジャンヌ最後の作品。

その作品を描いた後
彼女は一人娘ジャンヌをのこし
お腹にいた8ヵ月の子どもと一緒に
アパートの6階から飛び降りた。



私の目は
いつのまにか
彼女のひとみにすいこまれ
いつのまにか
彼女の哀しみを共有してしまっていた。



最後の作品の前で
涙があふれて動けなかった私の肩を

「おなかすいたよ。早く帰ろう」
 

しゃぼんが私の肩を
とんとんと、たたいてくれた。




●モディリアーニと妻ジャンヌの物語展

 2007年11月10日(土)~12月16日(日)
 山口県立美術館





モーリス・ユトリロ

2007年12月02日 | 美術館
福岡県立美術館で開催中の
「モーリス・ユトリロ」展を訪れた。

そのあまりに有名な名前と
少しの作品だけしか知らなかった私は
彼の人生をはじめて知った。


両親に愛される事なく
小さな頃からアルコール依存症と
なってしまったユトリロ。

やがて結婚した相手は
ユトリロを愛していたのか、
ユトリロの絵が生み出すお金を
愛していたのかわからない。


生涯ずっとずっと孤独だったユトリロ。
幸せな思い出は
どのくらいあったのだろうか。
幸せな気持ちで
絵を描いていたのだろうか。



会場に並ぶ作品は
どれも街や建物ばかりで
人物画がなかった。

人を描かなかったのはどうしてだろう。
人を描くのが下手だったのだろうか。

それとも
人を、描きたくなかったのだろうか。
人を、描けなかったのだろうか。



会場を出ると、そこは公園。
葉を落とした寒そうな木を
冷たい風がゆらしていた。




●モーリス・ユトリロ
 -モンマルトルの詩情-

 2007年10月26日(金)~12月2日(日)
 福岡県立美術館