いつも心は自由人

日々是学習 有るがままを 有るがままに

「はやぶさ」を操った川口淳一郎教授の名言

2011年09月18日 | 名言・格言・心の詩
先日、あの「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーであったJAXAの川口淳一郎先生(東大教授)の講話を聞くことができました。

2003年に、宇宙の彼方にある小惑星「イトカワ」に向けて打ち上げられた「はやぶさ」は、05年9月小惑星イトカワに到着。

近傍観測を行った後、2回にわたって、表面に着陸し、試料採取を試みた後、イトカワを離脱、地球への帰還に向けて航行。

途中、何度も何度も危機的な故障に見舞われたが、その度にプロジェクトチームの、粘り強さと創造的なアイディアで奇跡的に回復し、昨年6月13日、満身創痍で7年間60億kmに及ぶ旅を終え、大気圏突入で燃え尽きた「けなげなはやぶさ」は、オーストラリアのウーメラ砂漠地帯に、無事、資料を送り届けました。

チームの全電源喪失からの復活劇や推進ロケットの致命的な故障をイオンエンジンの性能をぎりぎりに引き出した復活劇はまさに神業とも言える「偉業」でした。

小惑星探査機「はやぶさ」帰還編


その、プロジェクトチームを最後まで牽引した川口先生の「伝えたい言葉」。とても感動いたしました。

その言葉とは・・・「高い塔を建ててみなければ、新たな水平線は見えてこない」
(第114回 東京大学公開講座 より)
 
同じ目線のままでは、決して今の水平線は広がることはなく、新しいものは見えてきません。特に若い方々には、たとえむちゃでも、はったりでもいいので、とにかく思いっきり背伸びして挑戦してほしいと思います。

少しでも、一歩でも高いところから見れば、新しい水平線が見えてきます。

・・・若くない私たちも、高い志を持って、「新たな水平線」を望むことができるよう頑張ろうと思いました。

高いところから「速い翼」でターゲットをねらう「はやぶさ」、狙いは決して外しません。イトカワの自分で定めた目標に降下して得た数々の情報からまた、たくさんの宇宙そして地球の神秘が解明されようとしています。

・・・やはり「一番でなければ」だめなのです。


不味いけれど美味い~煩悩即菩提(相田みつを)

2011年03月10日 | 名言・格言・心の詩
時々、「煩悩即菩提」と言う言葉を聞きますが、分かっているようで分からない言葉です。

調べてみると、
「煩悩」とは、仏教用語で、「身心を乱し、悩ませ、智慧を妨げる心の働き。」。
「菩提」とは、「煩悩を断ち切って悟りの境地に達すること。」などと説明されており、「煩悩即菩提」とは、別のものではなく「一枚の紙の表裏のようなもの」などとされているようです。(wikipedia)

▼この「煩悩即菩提」という言葉を用いて、「相田みつを」さんは、次のような詩をしたためています。

  煩悩即菩提
  にんにくは そのままでは 
  とてもたべられませんが
  料理の『かくしあじ』には
  なくてはならぬ ものです。

   煩悩即菩提
   欠点即長所
  欠点が そのまま長所
(「いのちいっぱい 相田みつを」ダイヤモンド社)

▼確かに、そのまま皮をむいて口に入れても、辛いだけでとてもとても食えたものではありませんが、焼き肉やパスタには欠かせない「かくしあじ」。

その独特の味は、「不味いけれども美味い、美味いけれども不味い」なんとも表現しがたい一品に違いありません。要は、使い方、扱い方次第で「欠点にも長所にもなる」ということです。

▼ところで、欠点・長所ということで考えると、人間の性格の場合も同じで、例えば「お節介焼き」と捉えるか「世話上手」と捉えるか(表から見るか裏から見るか)でずいぶん雰囲気が違ってきますから面白いものです。

我が子は、口数が多い~社交的である  我が子は、気が弱い ~心が優しい
我が夫は、優柔不断 ~慎重である   我が父は、頑固   ~意志が強い

などなどと置き換えてみると、またひと味違った「頼もしさ」も見えてくるのではないでしょうか。

星野富弘「鈴の鳴る道」から

2011年03月09日 | 名言・格言・心の詩
いつも生きるヒントを与えてくれる「星野富弘」さんの数々の言葉。ある本のページをめくっていたら、最後に次のような文章がありました。

電動車椅子で、でこぼこ道を通るときに、一つの楽しみができた。
理由は「ある人からもらった小さな鈴」を車椅子にぶら下げたところ、でこぼこ道で「チリーン」と鳴る、それだけのことが私の気持ちを和やかにしてくれるようになったということで。・・・・・

▼鈴の音を聞きながら、私は思った。
「人も皆、この鈴のようなものを、心の中に授かっているのではないだろうか。」

「その鈴は、整えられた平らな道を歩いていたのでは鳴ることがなく、人生のでこぼこ道にさしかかった時、揺れて鳴る鈴である」
「美しく慣らしつづける人もいるだろうし、閉ざした心の奥に、押さえこんでしまった人もいるだろう。」

「私の心の中にも、小さな鈴があると思う。その鈴が、澄んだ音色で歌い、キラキラと輝くような毎日が送れたらと思う。」
「私の行く先にある道のでこぼこを、なるべく迂回せずに進もうと思う。」
      (「鈴の鳴る道 星野富弘」偕成社から)

▼高崎市の中学校教員として、クラブ活動の指導中に「頸椎を損傷」し、手足の自由を失ったにもかかわらず、口に筆をくわえて花の絵を描きはじめ、様々な名著を世に出している「不撓不屈」の人の、「かく生きるべし」と心に迫ってくる言葉、心に沁みました。

誰しも、人生は平坦な道ばかりではありません。晴れる日もあれば雨の日、風の日、嵐の日。上り坂に下り坂、雪道に泥んこ道にでこぼこ道。
大切なのは、逃げず引き返さず油断せずに一歩一歩前に進むこと。

そして、どのような困難が待ち受けていようと、「これぞ試練、自分を成長させてくれる糧」と果敢に挑むこと。
・・・・・そんな時、心の中で「小さな鈴が澄んだ音色で鳴りだして」くれると信じて進んでいきたいと思います。

日本の美しさに目を向けた白洲正子の名言

2011年03月08日 | 名言・格言・心の詩
今週の「ギフト~E名言の世界~(日本の美)」(NHK教育・再)の主人公は、日本各地を訪ね、自然と調和したひっそりと息づく美しさに目を向けた「随筆家の白洲正子」。


▼彼女は、旧樺山伯爵家に生まれ、若くしてアメリカに留学、帰国後は19歳で、戦後の日本を支えたあの白洲次郎と結婚。その後、日本と外国とを行き来する人生を歩みますが、父から教えられたのは「日本の文化を知らなければ西洋人には太刀打ちできない。」ということで、このことが、彼女の人生に大きな影響を与えたとそうです。

そんな彼女の残したのが、次の名言。

「日本の自然ほど多くのものが含まれているものはない。その中には、宗教も、美術も、歴史も、文学も、潜在している。」


まさに、水と緑に恵まれた日本、そして、美しい山と海と平野、四季折々に多彩な表情を見せる豊かな自然の中に根を下ろした私たちの生活、これらを包括して巧に表現した珠玉の名言と深く感じ入ってしまいました。


▼また、番組では、自然の美しさだけではなく、「ゴッホ」の「日本人が何をするにも明確であることが、私にはうらやましい。」など、日本人の「心」についてもいくつかの名言が紹介されていました。

さらに、番組の講師「パルヴァース」さんが、「日本では、日常の中に美が溶け込んでいると感じる。たとえば、電車の中では誰もが身なりに気を使っています。他の先進国ではみられない風景です。」と語っていた言葉も印象的でした。(果たして?)


★★時折、電車の中で着替えをしたり、床に座っているお化粧したりしている学生さんたちを見かけることがありますが、心痛むばかりです。

家庭で「恥ずかしいことはしない」などとしつけることはもちろんですが、社会の風潮としての「見て見ぬふり」などもいけないこととは思うのですが・・・。


なお、白洲正子の名言の英文は次の通りです。
There is nothing in the world as all-encompassing as Japanese nature. Religion, art, history and literature are latent within it.

名古屋グランパス~名将ストイコビッチの名言

2011年03月03日 | 名言・格言・心の詩
先週行われたサッカーの「富士ゼロックス杯」は、名古屋グランパスが15年振りの優勝を飾りました。

もちろん、昨季のJ1チャンピオン(名古屋)と、天皇杯優勝(鹿島アントラーズ)の間で行われる、まさに国内サッカーシーズンの到来を告げる「春一番」の戦いでしたが、試合は、1-1で互いに譲らず、PK戦(3-1)で決着がつきました。

▼今年も、名古屋の活躍が期待されますが、なんといっても魅力的なのは「ピクシー」の愛称で知られる指揮官「ストイコビッチ」の名采配。

就任3年目にして、名古屋を悲願のJ1チャンピオンに導いた若き名将が最強軍団を作り上げた秘訣がある雑誌に紹介されていました。


▼選手とのコミュニケーションを取る上で、大事にしているポイントを
「選手が失敗しても励ますこと。」
「ミスはみんなする。励まして、しっかりサポートの言葉をかけてあげる。選手のメンタル的に言えば、そういう励ましの方が効くと思う。選手には『監督に信じられている』という感覚をもってほしい。」とし、

「ミスした選手がいるとしよう。選手はミスしたことは自分で分かっている。そこに『おまえミスしたな』と、改めて私から言う必要なはい。」という言葉に表れているように『監督と選手の信頼関係』を大切にしていると言うことです。(Number 773)

★指導者にも、理論派、実践派、放任型、支配型・絶対服従型、対話型、新しがり派、古典派などなど様々ですが、一番大切なのは「指導者と選手の信頼関係」。

それを構築していくためには、何と言っても指導者の人間性に依るところが大きく関係してくるのはもちろんですが、常に選手と共にあり、共に悩み・喜び、そして「意思の疎通」なくして「信頼関係」は成り立ちません。

・・・そんな観点から、ピクシー流のチーム作り、私は大好きです。