脳を鍛える大人のDSトレーニング BLOG展覧会場

東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修
脳を鍛える大人のDSトレーニングの展覧会場

ソフト紹介

2005年05月26日 | 教授なニュース

本屋でもおもちゃ屋でも、今や百花繚乱の様相を呈してきている
「頭の良くなるおもちゃ」(とまとめていいのか悩むが)であるが、
ゲーム機においては「□いアタマを○くするシリーズ」など
いくつかのリリース例があるものの、
「ヒット」と呼べるほどまでには達していない。
これは、ゲーム機を使って遊ぶということが、
本やおもちゃを使って遊ぶことと比べてメリットが少ない反面、
価格面においてはむしろデメリットの方が多いなどの原因から
「別にゲーム機でやらなくても」という感想に行き着いていたように思う。

しかし、現在発売中の「脳を鍛える大人のDSトレーニング」は、
ゲーム機でなければ、それもニンテンドーDSでなければ味わえない
楽しさに満ちた知的玩具である。
価格も税込み2800円と思い切った値段設定にしてきた。

本作の最大の特徴は、
紙媒体で遊ぶよりも遥かにメリットが多く、
デメリットもほとんど見つからないという
理想的なゲーム化に成功している点であろう。
似たような成功例が「マリオのピクロス」だ。
それまで鉛筆片手に遊んでいた「ピクロス」が
ゲームボーイで発売された時、
 ○塗り潰す必要がなく
 ○間違えても消しゴム要らずで簡単修正
 ○時間制導入によるゲーム性のアップ
 ○紙媒体を超える問題数
など、あまりにも上手いゲーム化にすっぽりハマってしまい、
目がチカチカするまでプレイしたことを思い出す。
「脳を鍛える大人のDSトレーニング」は、
「ピクロス」よりさらに広範囲に訴求する、
まさに「ゆりかごから墓場まで」のソフトになっている。

システムを簡単に説明しておこう。
単純な計算を次々にこなす「計算20」
有名小説などを音読する「名作音読」
画面に表示された数字の位置を記憶する「瞬間記憶」
「計算20」と同じタイプの出題を音声で答える「音声計算」など、
全9種類のトレーニングが用意されている。
プレイ開始当初は3種類しか選ぶことが出来ないが、
トレーニングの結果やプレイ時間(だったように思うが曖昧)などで
徐々に増えていく仕掛けになっている。

まず、プレイ開始直後に「脳年齢チェック」があり、
本編には登場しない物も含めた6種類のテストが用意されている。
(テストはこの中から3種類がランダムで使用される)
この「脳年齢チェック」で弾き出された脳年齢が
各々の基礎数値として名前の横に表示され、
トレーニングを積む事で脳年齢の若返りを目指す。
本編にも登場する「計算20」を始め、

「あか」
「あお」
「きいろ」


など、表示された単語の文字ではなく色を音声で答える「色彩識別」や、
「まつり」「きぶん」「ひがし」など、
表示された28個の単語を2分間で可能な限り記憶し、
タッチペンで入力する「単語記憶」など
もうこの時点でハマってしまうこと請け合いだ。

本編のメインとなるのは「計算20」と「計算100」であろう。
書籍版「脳を鍛える」シリーズ最大のヒットもこの計算モノだ。
単純な足し算や掛け算を次々に答えていくモードで、
20問、100問をクリアした時点での
所用時間や正解率によって脳年齢が発表される。
本当にコレだけなのだが、これが困ったことに楽しい。
やっていることはセガから発売されている
「脳力トレーナー」と同じなのだが、
解答を自分の手で書き込むということが大きな違いだ。
一度解答を書き込んでしまえばもう使えない書籍と違い、
こちらは何度でも繰り返しプレイ出来る。
答え合わせの必要も当然ない。

思わず何度もプレイしたくなるのだが、
このソフトはあくまでも「毎日続けること」を目的としているので、
同じ日付の間に同じモードを選び、
2度目のプレイが最初の記録を上回ったとしても
記録は更新されない仕組みになっている。(プレイは可能)
クイズゲームなどと同じ尺度でしか見られず
「問題数」や「どのくらいの頻度で重複するか」にばかり
気を取られる方には向かないかも知れないが、
1日5分だけ頭の体操をしようという方にとっては
ある意味一生モノのソフトであろう。
そもそも、「8×6」が2回続けて出題されたとしても、
脳活性は難しい問題より簡単な問題を連続してこなすことで
成果が上がるとされており、トレーニング上は何の問題もない。

小説の一文を音読する「名作音読」は、
言ってみればサウンドノベルを音読するようなものなのだが、
このモードについては
実際に音声を認識しているわけではないらしい。
従って途中で間違えようが、読みもせずページをめくろうが
何のペナルティも課せられない。自己申告制なのだ。
逆に「色彩識別」や「音声計算」などは
きちんとこちらの声を認識して解答の正否を判断している。

不満点は無いに等しいのだが、敢えてひとつだけ挙げるとすれば、
タッチペンを使った文字入力はかなり快適ではあるものの、
二桁の数字は一桁の数字より若干認識ミスが多い気がした。
二桁を一筆で書くような方、例えば「29」と書こうとした場合、
「2」の終点から「9」の起点を繋げて書いてしまうと
うまく認識しないようだ。
「2」と「9」の間をはっきり開ければ解決するが、
癖字の方(高齢者にかなり多いはず)は
「ちゃんと答えたのに」ということもあるかも知れない。

DS本体に内蔵されているカレンダー機能を使い、
ソフトの中にもカレンダーが出てくるのだが、
プレイした日付にハンコがつけられていくのは
夏休みの早朝ラジオ体操を思い出して楽しい。
購入した暁には、ハンコ抜けが出ないように頑張る所存だ。

本作を監修している川島隆太教授の「脳を鍛える」シリーズは
累計でも200万部以上を売り上げるベストセラーになっているため、
サラリーマンや主婦などの一般層にも知名度は高い。
アピールの仕方さえ間違わなければ
「nintendogs」とはまた違う層の掘り起こしも可能であろう。

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 タイトル:脳を鍛える大人のDSトレーニング
   機種:ニンテンドーDS
 メーカー:任天堂
  発売日:2005年5月19日
   価格:2800円(税込み)
公式サイト:http://www.nintendo.co.jp/ds/andj/index.html
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