京都御苑へ向かう道すがら、志賀越道から川端通へ出てすぐの歩道の植え込みで咲いていた花。
花弁の基部がうっすら紅紫色に色づいていて、まるでムクゲ(木槿)のように見えたのですが花芯が全然違いますし花期もずれています。また、ムクゲは五弁花ですがこちらは四弁花です。
少し近づいてみると、ほのかに甘い香り。それもただ甘ったるいのではなく、清々しさを感じさせる柑橘系の香りも混じっているように感じます。香水で譬えるとトップノートがシトラスとフロリエンタルを混ぜたようなものでしょうか。そして花は大きめなのですが、これまで述べた特徴からひょっとしてバイカウツギ(梅花空木)の仲間かしらんと思って調べてみると、どんぴしゃり。ベル・エトワールという園芸種のようです。
ほころび始めた蕾は小さなミニバラの蕾みたいにも見えますし、ベル・エトワールという品種もありそうですね。花弁の基部があまり色づいていない白花に近い花も咲いていましたが、この品種は赤く色づいているほうが色気がありそうに思います。
この花弁の基部が紅紫色に染まる様から日の丸バイカウツギという名前で呼ばれることもあるそうです。ムクゲを連想したのもむべかるかなと言ったところでしょうか。
本種はヨーロッパで交雑により作出された園芸種だそうですが、在来種のバイカウツギのような白一色の清楚さは感じにくいかもしれませんが、少しだけ華やかさが加わった艶っぽさを持ち合わせているという感じがします。