この時期、秋の野草が楽しめる高野川の河川敷ですが、8月中に草刈りが行われたのか、川岸の際を残してすっかり刈り取られてしまって土手の石組みが剥き出し状態に……。
ああ、残念と思っていたら、黄色い花に目が止まりました。
アズキ(小豆)の原種とされるヤブツルアズキ(藪蔓小豆)の花です。
3年前にほぼ同じ場所で雑草に埋もれるようにして咲いていたのを見つけた以来で、ほくそ笑むとはこのことかと思いながら、心の中で「やった!」と叫びながら近づいて楽しみました。
本州から九州にかけての草地に見られるマメ科ササゲ属のつる性一年草です。花は咲き進むにつれ向かって左の翼弁(翼弁1)が竜骨弁に被さり、向かって右の翼弁(翼弁2)は竜骨弁を抱くように突き出るようになります。
なお、花はマメ科ノアズキ属のノアズキ(野小豆)と似ていますが、ノアズキの花は向かって左の翼弁はねじ曲がった竜骨弁に沿うようにして上を向き、向かって右の翼弁は竜骨弁の基部を取り巻くように咲くそうです。
葉も三出複葉の小葉のかたちに違いがあり、ヤブツルアズキは狭卵形もしくは卵形で全縁から3裂するのに対し、ノアズキは卵状菱形という違いがあります。
ノアズキを見つけられると比較できるのですが、いまだ見つけられず、ちょっと残念。
ついでながら、このヤブツルアズキの花言葉は「へそ曲がり」だそうです。おそらく竜骨弁がねじれて翼弁が渦のように取り巻く姿を譬えたものだと思います。
こんにちは。
過去に群生していても、雑草に紛れていると、除草作業で根こそぎなくなります。
かわぎしに残っていてラッキーでしたね。
ちょうどよいタイミングで草刈りが行われたのか、とても観察しやすい状態でした。
今度は莢果ができるか、楽しみにしています。