京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

出てきたのは新葉だけではなく……

2022-04-19 12:18:06 | 園芸・植物・自然環境
京都の大きな通りの街路樹として植えられているのがイチョウ(銀杏/公孫樹/鴨脚)の木ですが、八重桜も見頃を迎えて見納めに近づくにつれ目に映えるのがこのイチョウの新葉も含めた新緑でしょうか。

今出川通のイチョウの木も新葉が展開し始めていましたが、普通に見ていると葉が出てきただけにしか見えないと思いますが、少し近づいてじっくり見てみると……



葉っぱだけでなく何か一緒に出ているものに気づくかもしれませんよ。そうです。イチョウの花(花序)です。この木は雄木なのでしょう。これは雄花(雄花序)です。まだ咲いておらず蕾と言ったほうが正確なのかもしれません。



1枚目の写真をトリミングしているのでピントが合っていませんが、左のほうにも花序が見られます。



この季節になると今出川通のイチョウに雌木があったのか、あったとしてもどこにあったのか覚えていないので、堀川通か京都御苑に行けば雌花も見つけやすいかもしれないかなと思っていたら、白川通で見つけました。雄花に比べると見つけるのは難しいかもしれません。



花と言っても胚珠が剥き出しになった状態のもので、この先端から花粉が入って受粉します。よく見ると花柄ひとつにふたつの花が咲いていますが、イチョウの雌花は花柄ひとつに花ひとつだけでなく、ふたつの花をつけることのあるそうです。




果実であるギンナン(銀杏)ができるからには花が咲いていたことは想像できるかと思いますが、他に華やかな花が咲く季節でイチョウの花は目立たないので誰も見向きしないかと思いますが、ちゃんと花を咲かせているのですよ。

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イチョウを漢字で表すと「銀杏」「公孫樹」「鴨脚」の3つがあるかと思います。それぞれ由来は中国語によるそうですね。

銀杏は実がアンズ(杏)に似ていて核果の殻を銀白色に譬えたことによるそうで、公孫樹は木を植えてから実が食べられるようになるのは孫の代になってからという意味にちなみ、鴨脚は葉っぱのかたちがカモの足跡(水掻き)のように見えることからで、イチョウという日本語も鴨脚の中国語音によるものとされているそうです。

全くの余談ですが、下鴨神社(賀茂御祖神社)の社家のひとつに鴨脚(いちょう)家があります。

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