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京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

胡蝶侘助らしくない胡蝶侘助?

2020-02-15 06:38:19 | 園芸・植物・自然環境
春の見事な枝垂れ桜と牡丹で有名な本満寺の境内で、胡蝶侘助らしき椿が咲いていました。




「らしき」と書いたのは、じつは侘芯ではなく葯がしっかりと生育し花粉を出していたからです。




そしてこの花の近くで咲き、すでに散っていた花の子房を見てみると、侘助椿らしからぬ、つるっとしたものでした。もちろん葯の退化した花も咲いていたのですが、なんとも不思議な光景です。




というのも、胡蝶侘助など「侘助」と呼ばれる椿は、茶花でも知られる「有楽」という品種に由来し、雄しべの葯が退化した侘芯を持つ他、由来の「有楽」が中国原産のピタール椿を種子親とする交配種であることから子房の周囲に微毛が見られるという特徴を持ち合わせています。

下の写真は山茶花の子房ですが、これほどではないにしろ有楽や侘助はうっすらと毛羽立ったような子房を持っています。




本当に胡蝶侘助だろうかと思いながら調べてみると、この胡蝶侘助という品種はある程度の大きさに成長すると侘芯を持った花と少し大きめの正常花に咲き分けるようになるそうで、子房の周囲も微毛に覆われたものとそうでないものも見られるようになるそうです。

侘助らしからぬ姿ですが、これはこれでかわいらしく、素直に観賞するのがよさそうです。

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