京都大学医薬系総合研究棟の玄関前の花壇に植えられているツゲ(柘植/黄楊)の花が咲き始めていました。

雌雄同株で、雌花の周囲を数個の雄花が取り囲むように花が咲きます。○印で囲った花が雌花です。花弁はなく、小さな萼片が見られるだけで、雌花には柱頭が3つ、雄花には雄しべが4本あります。

雄花に取り囲まれた雌花が複数集まると、このようにこんもりしたかたちになります。でも、花に観賞価値があるとは言い難く、櫛などに使用されるように木材としての利用価値があると言えるでしょうか。

ツゲによく似た種にイヌツゲ(犬柘植/犬黄楊)がありますが、イヌツゲに対してホンツゲ(本柘植/本黄楊)とも呼ばれるツゲはツゲ科の常緑低木で、イヌツゲはモチノキ科の常緑低木です。違いは、ツゲの葉が対生でつくのに対し、イヌツゲの葉は互生でつきます。またツゲは3つの柱頭の先が残った緑色の実をつけるのに対し、イヌツゲは丸くて黒い実をつけます。花もイヌツゲのほうが花らしいかたちをしていると言えるでしょうか。

また、京都の近くには以前、三重県に柘植町(現在は伊賀市)が、奈良県に都祁村(現在は奈良市)があり、それぞれ「つげちょう」「つげむら」と読みました。これらの地名の由来は、このツゲが生えていた場所という説の他、ヤマグワ(山桑)の生えていた地だという説があります。ヤマグワの古名はツミ(柘)と言い、このヤマグワが植わっている場所を柘殖(つみうえ)と呼んで、のちに柘植という字に変わったとされています。
これら地名のその他の表記には「積植」「都介」「都家」もあり、奈良県の「都祁」も「都介野」に由来するとありますが、この都祁(都介)の読みである「ツゲ」は呉音での読みで、漢音では「トキ」と読み、この「トキ」という読みは古代朝鮮語だと「日の出」という意味を持つため、これが由来だという説もあるようです。闘鶏国造(都祁国造/都下国造)という国造が支配していた、大和国の東部で「日の出ずる場所」ということだそうです。

雌雄同株で、雌花の周囲を数個の雄花が取り囲むように花が咲きます。○印で囲った花が雌花です。花弁はなく、小さな萼片が見られるだけで、雌花には柱頭が3つ、雄花には雄しべが4本あります。

雄花に取り囲まれた雌花が複数集まると、このようにこんもりしたかたちになります。でも、花に観賞価値があるとは言い難く、櫛などに使用されるように木材としての利用価値があると言えるでしょうか。

ツゲによく似た種にイヌツゲ(犬柘植/犬黄楊)がありますが、イヌツゲに対してホンツゲ(本柘植/本黄楊)とも呼ばれるツゲはツゲ科の常緑低木で、イヌツゲはモチノキ科の常緑低木です。違いは、ツゲの葉が対生でつくのに対し、イヌツゲの葉は互生でつきます。またツゲは3つの柱頭の先が残った緑色の実をつけるのに対し、イヌツゲは丸くて黒い実をつけます。花もイヌツゲのほうが花らしいかたちをしていると言えるでしょうか。

また、京都の近くには以前、三重県に柘植町(現在は伊賀市)が、奈良県に都祁村(現在は奈良市)があり、それぞれ「つげちょう」「つげむら」と読みました。これらの地名の由来は、このツゲが生えていた場所という説の他、ヤマグワ(山桑)の生えていた地だという説があります。ヤマグワの古名はツミ(柘)と言い、このヤマグワが植わっている場所を柘殖(つみうえ)と呼んで、のちに柘植という字に変わったとされています。
これら地名のその他の表記には「積植」「都介」「都家」もあり、奈良県の「都祁」も「都介野」に由来するとありますが、この都祁(都介)の読みである「ツゲ」は呉音での読みで、漢音では「トキ」と読み、この「トキ」という読みは古代朝鮮語だと「日の出」という意味を持つため、これが由来だという説もあるようです。闘鶏国造(都祁国造/都下国造)という国造が支配していた、大和国の東部で「日の出ずる場所」ということだそうです。