KYOKO - HAN

Kyoko日和

『お日柄』

2014年11月03日 07時37分49秒 | うんちく・小ネタ
  

 舞妓さんのデビューの日を『店だし』と言います。
 このお店だしの日、舞妓さんの『やかた(おきやさん)』には、一面この『お日柄』と言うおめでたい紙で覆いつくされます。

 
  


        



 ○○さんへ、○○より、と書かれた紙には宝船、打ち出の小づち、七福神、鯛・・・等々の鮮やかでおめでたい絵が一面に書かれており、
 お店だしの雰囲気をより一層艶やかなものにします。

 この日、頂いたお祝いは言うまでもなくお母さんのお顔、お姉さんのお顔で頂くもので改めて「お母さんやお姉さんのお力はスゴイナ~」と
 感心するのどした。

 『本日はお日柄もよく無事にお店だしを迎える日のめでたき事』と言うことどすやろか?

 祇園花街のええ風習の一つどすね。




お座敷の準備

2013年09月06日 13時33分48秒 | うんちく・小ネタ
『○月○日に宴会をお願いします。』
お客様からのこの一言から私のお仕事は始まります。
・何人さんのご宴会なのか。  
・お時間の事。  
・どの様な趣旨の宴会なのか。  
・お料理の事。 
・お飲物の事。  
・芸舞妓さんの事。 
沢山お伺いしながらお客様のお好みの宴会が行える様にお手配させて頂きます。
では少しこの間の宴会のお話を・・・。
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・設えは、夏。
・お料理は和食で量は少なめで、後は私にお任せと言う事どしたので(前回までのお料理屋さん以外でご紹介したいので)『ぎをん たに本』さんに仕出しをお願いしました。「量は少なく上質」で。
・掛け軸は、お料理の焼き物に合わせて鮎。
・お飲み物は、「アンリージローのコードのアール」のご指定。
・花は、夏の終わりを惜しみ「山シャクヤクの実」
・引きずった(鬘をかぶった)芸妓さんと出たての舞妓さん。
・サプライズのケーキ(お客様が先日、お誕生日を迎えられたので)
・舞は、祝舞、君に扇と祇園小唄。
大体、この様に考えて当日を迎えるのどすが・・・
お客さまが満足して喜んでくれはったら本当に嬉しおす。
そして又、頑張ろうと思うのどした。
お気軽に宴会の事、何でも聞いておくれやす。

掛け軸

2013年08月13日 12時06分51秒 | うんちく・小ネタ
お座敷の床の間には四季折々に掛け軸が掛けられます。
お花や美人画、風景・・・等々。
この季節少し独特な掛け軸と掛け方に付いてのご紹介どす。
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まずは、一つ目。
先日のお茶会でお目にかかった物。
暴れ者の「雷神」さんに、芸妓さんが御酌をしながら『どうか、おとなしく しておくれやす』ともてなす御軸。
ゲリラ豪雨が多い昨今、良いお天気を祈願して掛けられたものどす。
一方、対象的なのがこちら、
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「幽霊」の掛け軸。
以前は我が家でも所蔵していたのですが、先代がお寺に納めはったようどす(良かった!)
この様な掛け軸は雨が降らない時雨乞いに掛けさせてもらいます。
実際、この時期 お料理屋さんではよう お目にかかります。
クーラーがなかった頃、お座敷には氷を置いたり、色々な工夫をしながら
涼をもとめはったのでしょうね。
どうどす?
ちょっと、涼しおすか~?





八朔

2013年08月01日 13時35分53秒 | うんちく・小ネタ
皆様、
おめでとうさんどす。どうぞ、相変わりませず宜しゅうお頼申します。
今日、8月1日は八朔どす。
祇園甲部では芸舞妓さんが「呂」の黒紋付きでお世話になっているお師匠さん宅やお茶屋さん等への挨拶まわりをします。
そもそも、八朔とは八月朔日の略で旧暦の八月一日の事どす。
丁度この頃、早稲の穂が実るので、それを恩人などに贈り感謝の気持ちを述べる風習が古くから伝わりそれが、今でも花街の風習として残っている様どす。
「田の実」を贈ると言う事から「田の実」を「頼み」と置き換え日頃お世話になっている方々に今後の御贔屓をお頼み申し上げる儀式となったようどす。
今日は、あいにくの雨模様・・・。
綺麗どころは、タクシーでのご挨拶まわりになった様どす。
2013





花街の風物詩

2013年07月23日 11時54分15秒 | うんちく・小ネタ
パソコンのご機嫌が麗しくなく思いのほか手間取ってしまいました。
今日は祇園の夏の風物詩・・・
芸舞妓さんの団扇どす

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これは芸舞妓さんが、普段からご贔屓になっているお客様やお世話になって
いるお茶屋さん、お料理屋さん、髪結いさん等にお配りする団扇どす。
表には名前と右上に舞妓さんは置屋の屋号、芸妓さんは自分の氏。
裏には置屋または、自分の家紋が入っています。
頂いた団扇は夏の間中、写真の様に飾らせて頂きます。
白地に赤の文字がなんとも色っぽく花街らしおすね
お座敷では、『夏は蛍』と言う舞をこの時期に舞ってもらいますが、この
団扇を持って舞ってもらいます。
呂の着物を身にまとった芸舞妓さんが団扇を持って舞う姿はひと時の
涼を感じさせます。
日本人の工夫なんどすね。