Firenze

旅の思い出

お金を払う人と受け取る人の距離が近いほど

2008-01-23 07:15:30 | Weblog
 タレントのビートたけしさんが雑誌におもしろいことを書いておられました。

 お金を払う人と、受け取る人の距離が近いほど、緊張感は増すというのです。例えば、「男はつらいよ」で、寅さんの並べた品物にお金を払う人は、寅さんという人間の信用度もわからないのに、お金を払うわけです。映画では、寅さんのお店はそんなに緊張感はありませんが、実際の場面では、そんなに多くのお金を使う人はいないでしょう。こういう場面では、お金をもらう人の表情は、自然けわしくなる。

 ところが、歌舞伎を見にゆくと、入り口で入場券を買って、劇場内では歌舞伎役者が演技をしている。距離は遠くなるわけです。歌舞伎役者が直接、お客さんからお金をもらうわけではない。自然、役者さんには品格が出てくると、たけしさんはいいます。

 これと同様なことが、大学の先生にもいえるのではないかと思います。一般の企業に比べて、先生方が比較的落ち着いていられるのは、学生さんは集まってくるのがあたりまえと思っているからかもしれません。

 私立の大学になると、大学の先生も、学生さん集めに各地の高校を巡回して、学生さんをつのります。自然、きびしいわけです。学生さんが来てくれるかどうかで、自分の明日が決まるわけです。

 先生方のおかれている状況が、きびしければよい。おうようなのはよくないといっているわけではありません。

 公立高校の先生が、学内の先生方の給料を支払うために、お金を算段するために、集金に歩くというのは、やはりおかしいと思います。中小企業の経営者がきびしいのは、一緒に働いてくれる人の給料を常に心配しなければならないからです。寅さんの映画でいえば、いつも給料の支払い工面に汲々としているたこ社長の立場です。

 しかし、いずれにしても、先生方が明日の収入を気にせずに、教育に集中できる環境は恵まれていると感じます。

 ホームにもどる。

最新の画像もっと見る