草写真(以下”草”) :番外編では、公園巡りの枠に収まらない
散歩の記録を紹介します。
草 :それでは最初に、明治用水↓の紹介です。
草 :↑江戸期までの安城市は安城ヶ原と呼ばれ、井戸や溜め池など
の乏しい水資源に頼って耕地が点在する原野でした。
この安城ヶ原に、東方の矢作川から水を引き込むというのが、
明治用水の目的です。この構想と、基本的な測量は幕末の
1833年から行われましたが、実際に着工に至ったのは
維新後10年経った1880年、本線の完成はさらに10年後の
1890年となっています。
明治用水の完成によって、原野だった安城ヶ原は、
「日本のデンマーク」と呼ばれる先進農業地域として発展
することとなりました。
明治用水は福島県の安積疎水、栃木県の那須疎水とともに
明治時代の三大疎水と呼ばれ、特に年号の「明治」の名を
冠することからも、日本近代化の幕開けとともに開始された
一大プロジェクトであったことが窺われます。
また、地元の小学校社会科の副教材にも、愛知用水、
枝下用水とともに郷土史で必ず取り上げられるので、
名前に聞き覚えのある愛知県出身者も多いのでは?。
草 :さて、そんな明治用水ですが、完成当初は人工の川として
地表を流れていたのですが、流域の都市化とともに安全面・
衛生面から大部分の区間が暗きょ化、つまり地下水路化され、
地上部分は自転車道・遊歩道として整備されてきました。
今回の散歩は現在の水路の上を歩くことになります↓。
草 :↑前置きが長くなりましたが出発です。
安城市役所のちょうど裏手からスタートして、豊田市方面、
つまり明治用水の上流へと遡っていきます。
草 :↑この自転車道・遊歩道には、植栽やベンチ、遊具なども
整備されていて、沿線の住民の皆さんにも親しまれています。
草 :↑スタート地点から1.5kmほど歩きました。自転車道の
起点に向かって歩いていることになります。
草 :↑ヤエザクラです。
この散歩に出かけたのは平成20年の4月20日で、
本ブログの公園巡りを始める10ヶ月ほど前です。
まだ、デジタル一眼レフに興味をもつ前でしたので、
今回の写真は当時使っていたサンヨーの
コンパクトデジカメで撮っています。
草 :↑明治用水の水路は地下ですが、運用・管理のための設備は
地上に露出しています。
下の写真は分水工です。近隣の小学生達の手による
ペイントが施されています。「通水120周年」とあります↓。
草 :↑このように分水工からは水路が分かれて、個々の田畑へと
水が導かれていきます。
草 :↑国道1号線まで来ました。
草 :↑車道との交差部分にはこのように地下道が設けられていて、
信号待ちなどをすることなく通過できます。
安全・快適で散歩する足も軽やかです。
草 :↑国道1号線を超えて少し北に、明治用水の完成に尽力された
方々を祀る「明治川神社」があります。
道中の安全をお祈りしました。
草 :↑2kmほど歩きました。
草 :↑用水の取入れ口まであと11km。先は長いです。
草 :↑ひたすら歩きます。
草 :↑どんどん歩きます。ソメイヨシノは葉桜になりつつあります。
草 :↑まだまだ歩きます。
誰もいなーいよーう…。
草 :↑周囲には美しい田園が広がります。
この用水がつくった風景です!↓。
草 :↑フジの花が咲いていました。
草 :↑ここから豊田市です。
草 :↑公園がありました。
ブラジル系(推測)の皆さんがバーベキューをしていました。
ラテンのノリです。ヨー!。アミーゴ!!。
草 :↑明治期の発電所の跡が現在の公園になっています。
当時使用されていた三連水車が展示されています。
木曽檜を使用しているという頑丈そうな水車です。
発電も粉挽きもしていませんが、水を回して回転
させています。
草 :↑用水の流量を管理するための制水門です。
草 :↑残り7.5km。予定行程の半分くらいでしょうか。
草 :↑区間によっては殺風景な道です。夜間だと怖いかも…。
奥に東名高速道路が見えます。
草 :↑先ほどの公園から上流では、水路は暗きょではなく、
地表に露出しています。
転落防止のためのフェンスと鉄条網がまた、殺風景さ
をプラスしていますね。
草 :↑殺風景ではありますが、露出しているおかげで水路の
構造が分かります。水路は単純な溝ではなく、内部に
仕切りがあって、複数のコースのように分かれています。
先ほどの制水門では、このコースを塞いだり開放したり
することによって、水量をコントロールしているようです。
草 :↑こんな橋もかかっています。
草 :↑鋭角的で風車みたいな花が咲いていました。
ツルニチニチソウというようです。
草 :↑残り5kmを切りました。もう一息です!?。
草 :↑水路にコンクリートでフタをしている区間もあります。
ごみなどの流入を防ぐにはこの方が良いのかもしれません。
草 :↑フタをした水路にも橋が残されています。
転落防止用にネットが張られています。芸が細かい。
草 :↑道端に咲くサルビアです。ちなみに、安城市の花は
サルビアです。ここは豊田市ですが。
草 :↑あと少しです。普段歩き慣れていないので、足痛いです。
草 :↑伊勢湾岸道の橋脚です。「豊田アローズブリッジ」といいます。
草 :↑右手奥に、青い部分のある構造物があるのが分かる
でしょうか?。あれが目的の明治用水の取入れ口です!。
もうすぐです!。
草 :↑着きました!!。「明治用水頭首工」とあります。
取水設備のことをこう呼ぶのですね。
草 :↑豊かな水量です。こちら側は水を取られるほうの矢作川
です。この頭首工によって川をせき止めて、溜まった水を
脇にある取水門から用水へと導くという仕組みで、
水を取り入れます↓。
草 :頭首工の上部は橋になっていて、車も渡れます。
その名も「水源橋」。まあ、ここは「豊田市水源町」
なんですけどね。
草 :↑橋の上から下流方向を望んでいます。
草 :↑こちらは上流側です。水がせき止められています。
草 :↑現在の頭首工の少し上流にある、明治時代の取水口
の遺構です。産業遺産ってやつですかね。
草 :↑取水口側のゲート出口です。4つのゲートから水が
流れていきます。「明治用水」は、ここが起点になるわけ
です。水路の仕切りもここからありますね。
草 :↑明治用水の完成に尽力された方々を祀る、「水源神社」
です。安城市にあった「明治川神社」とセットですね。
草 :↑自転車道自体はまだ続いていますが、私の明治用水散歩
はここまでです。
およそ15kmくらい歩きました。時速にすると3kmくらいでした。
足がかなり痛かったので、帰りは電車(名鉄)を利用しました。
まあ、ここから最寄の名鉄上挙母駅までは歩きましたけど…。
ふう……。
ただ、明治用水は今回歩いた「東井筋」の他にも支線があって、
それぞれに遊歩道が整備されています。
それらも歩きたいし、今回とは逆に用水を下流へとたどるルート
もいつか歩いてみたいですね!!。
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