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短歌

風の画家 中島潔が描く「生命の無常と輝き」

2011-04-24 15:16:55 | Weblog
      (写真は、前回の展示の春もよう)
 佐賀県立美術館に佐賀県厳木町出身「風の画家」中島潔氏が描く「命の無常と輝き」を見に行った。今回は、京都の清水寺成就院へ五年の歳月をかけて制作し、昨年奉納された襖絵 四十六面をメインにした展示だった。
「かぐや姫」「風の故郷」「大漁」という題材で、特に金子みすずの詩をイメージした「大漁」は印象的だった。絵の中の少女が作者で鰯は、作者がいままでに出会った人達で、鰯の血の色や、一匹一匹の目が全部違うように表現してあり感激した。

 成就院は、去年の秋に上洛した折りに、偶然にも「月の庭」の特別拝観ができた。その時は、この襖絵は見ることができなかった。清水寺の中にある成就院は、観光客で溢れる清水の舞台から少し離れていて、マイナーな感じで
ゆっくりできた。月の名所東山の紅葉の見事な「月の庭」と「大漁」の襖絵を一諸にみれたらどんなにか素晴らしいだろうと思った。

 また、中島潔氏の絵の雰囲気は、繊細でやさしく癒される感じが笹井宏之さんの短歌にも通じるものがある。「風」などの作品の余白に笹井さんの短歌をいれたら素適だろうと思った。

・ 風という名前をつけてあげました それから彼をみないのですが(笹井宏之)
・あなたには何から話さうタカサブラウ月が出るにはまだ少しある(河野裕子)
・若冲の椿の花のいびつゆゑけふの気持ちをうまく言へない(洋子)