遺伝子の仕組み
遺伝子検査をするビジネスが増えているそうですが、どういうものですか?
自分の唾液や綿棒でこすり取った口の中の粘膜を小さな容器に入れて送ると、病気に罹りやすい体質か肥満になりやすい体質なのかを教えてくれるサービスです。最近は、インターネット検索のヤフーやゲーム開発のDeNAといった異業種の企業も参入しているそうです。
具体的にはどうやって検査するのですか?
唾液などに含まれる細胞の一部の遺伝情報を調べるのです。人間の遺伝情報は、約30億個の「塩基」と呼ばれる化学物質で記録されています。そのうちの一つの塩基が異なる「1塩基多型(SNP)」と呼ばれる個人差が0.1%ほどあり、病気のなりやすさや体質と関連するSNPを検出して判定し、その結果をお知らせするのです。
信用しても大丈夫なのですか?
病気の診断を出来るのは医師だけですから、体質に関する遺伝情報や病気との関係がうすい遺伝情報を判定しているのです。例えば、「糖尿病になるリスクは1.7倍」と判定されても、糖尿病になるとは限りません。医療現場でも、乳がんなどの一部の病気のなりやすさなどを遺伝子検査で調べています。こうした病気は遺伝子との関係が医学的に明確なので信頼性が高いのです。
大変興味はあるのですが、検査をうけるかどうか悩みますね。
集めた遺伝情報を別の研究やビジネスに利用している業者もいるそうですね。遺伝情報は「究極の個人情報」とも言われています。本人が知らないうちに悪用されると、将来、就職などで差別されかねません。日本にはまだ米国などにある遺伝情報による差別を禁止する法律がありません。東大教授の武藤香織教授が作ったチェックリスト(http://www.pubpoli-imsut.jp/pdfs/00018.pdf)を読んで慎重に考えましょう。
参考文献:読売新聞
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