吾輩は『ちょび』助である。
自称・飼い主の姦計、吾輩ダイエット計画なる無謀な企てなどに決して屈しない『ちょび』助である。
「最近、ま~た太っていないか?お前」
などと、自称・飼い主が世迷言を繰り返しているが、吾輩が太る分けないのである。
何故ならば……
アノ物臭ヲトコの自称・飼い主は、先週の初めに吾輩のドライフードが切れているのに、いつものお店に買いに行くのを面倒臭がり、夕食のお弁当を仕入れに行ったついでに、近くのコンビニで馬鹿でかいドライフードを買ってきた。
これ、吾輩の口には合わないのである。
美味しくないのである。
それを連日連夜、ドライフード用の器に山盛りにするのである。
勿論、吾輩は少し口をつけて……
「あっ。これイラネ」
と、それ以上食べないのである。
すると自称・飼い主は、余っている殆どのドライフードをゴミが子に捨てるのであるが……
「おっ!他の御飯か♪」
と、期待する吾輩を無視して、やはり同じドライフードを、またしても並々と器に注ぐのである。
やってられるか!!
ここ数日、必ず自称・飼い主と繰り広げる日常の遣り取り。
吾輩 「ま~た、この不味い御飯かよ」
自称・飼い主 「ちゃんと朝御飯は食べなさい」
器の中に鼻を突っ込み、一口・二口食べた所で。
吾輩 「なぁ、自称・飼い主。他に御飯ないのか?」
自称・飼い主のヤツは、そんな吾輩の主張を無視して、何やら香ばしいカホリの朝御飯を食べている。
その後、珈琲を飲んだ後にヤツはバニラヨーグルトを食べるが、吾輩のヨーグルト用の器に少し分けて持って来てくれる。
でも、本当にほんのちょっとだけである。
ほんとぉぉぉ~~~~に、ちょっぴりだけなのである。
そんなの、瞬く間に食べ終えてしまうのである。
この美味しくないドライフードは、食べても食べても、なかなか減る気がしないのに、バニラヨーグルトは、あっという間に食べ終えてしまうのである。
しかも、食べ終えるとなくなってしまうのである。
「くで!くで!くでぇ!!」
吾輩は、最初のうちは低姿勢で自称・飼い主にもっとくれるようにお願いする。
当然、自称・飼い主は完全無視である。
「もっと!もっと!ヨーグルトもっと!!」
ヨーグルト用の器を前足でバシバシ叩いて、吾輩はこれが欲しいのである。と、主張しても、自称・飼い主は敢えて知らん顔をしている。
なんてぇ野郎だ、あのヲトコ。
「ちゃんと、自分の御飯を食べなさい」
どうやら、それがヤツの言い分である。
このドライフードか!!
こんなものがあるから、吾輩はお腹一杯になるまで、もうバニラヨーグルトなんて見たくない!と、思えるほど、思い切り食べてみたい物が食べられないのか。
ドライフードの邪魔者め!!
と、御飯用の器を引っくり返してやる。
(ノ`⌒´)ノ ┫:・'.::・┻┻:・'.::・
(ノ`0)ノ ⌒┫:・'.::・┻┻:・'.::・
(ノ`○´)ノ ┫:・’.::・┻:・’.::・おらっ~
(ノ-_-)ノ~┻━┻こんな飯食えるか!
吾輩、怒りのちゃぶ台返しである。
だが、それをすると……
それまで、幾ら吾輩が泣こうが喚こうが完全無視を決め込んでいた自称・飼い主のヤツがすっ飛んできて、吾輩を叱りつけるのである。
な・な・なんでじゃ!!
吾輩は、自分で食べるものを選べないのである。
自称・飼い主の選択したものしか口にする事が出来ないのである。
ならば、少しは吾輩の好みや嗜好を考慮して、吾輩の口に合うものを用意してくれる事こそ、同居人としての優しさではないのか??
と、云うか。
下僕の癖に、一体何を勘違いしているのか……自称・飼い主のヤツ……
どうせ、嫌いなドライフードならば、以前のものの方が、まだましだったのである。
今日は日曜日だった。
しかも、講習も他に用事のない、完全フリーの休日である。
(なんと言っても、アノ社会不適応者は、仕事のある平日よりも日曜日あたりの方がスケジュールが詰まっていて忙しい事が多いからな)
休みの日の買出しで、きっと今まで食べていたドライフードを買ってくるに違いない。
まぁ、今までのものもあまり好きではなかったが、現状よりはましである。
吾輩はヤツが戻ってくるのを首を長くして待っていたのである。
だが……
お昼ごはんを外に食べに行ったついでに、遊んできた自称・飼い主……
持って帰ってきたのは、自分の夕食用のお弁当だけだった(汗)。
今週も、このドライフードを食べる毎日が続くのかよ!!
これ。
値段の割に量が多いと見えて、まだしっかりと大きな袋にたくさん残っている。
自称・飼い主は、吾輩を見て「まぁ~た、太った」などと言っているが、今週などは驚異的に食べるドライフードの量が少なかったのである。
いつも、器に盛られたドライフードに数回口をつけて、ウンザリ気分だったから。
だから、太る筈などないのである。
太ったように見えるならば、あまりに小食になっているので栄養失調でお腹が膨らんでしまっているに違いない。
な~んて、可哀相なんだろう……吾輩って……
あ~あ。
今週一週間、またしても御飯の器に盛られるのは、あの美味しくないドライフードか(汗)。
でも、物は考えようなのである。
吾輩が余りドライフードを食べていない事だけは、あのハゲオロカ=自称・飼い主も分かっていると見えて。
「お腹空いたよぉ」
と、主張すると、必ずおやつをくれるのである。
ササミジャーキーを巻いたガムをくれる回数が、ドライフードをあまり食べなくなってから、飛躍的に増えたのである。
もう、おやつが主食状態。
これって!
もしかしたら、吾輩的には美味しい状況なのかも♪
これで、バニラヨーグルトの量が自称・飼い主の分まで分けて貰えるようになれば、万々歳なのだが……
そこまでは無理かな。
自称・飼い主のヤツは根がケチだから。