熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

県内の川柳団体・個人会員が加入しています

いまさら新子それでも新子

2022-02-16 00:00:01 | 川柳一般

現代川柳選1『月の子』新子自選集 から

昭和62年発行の「有夫恋」が話題をよんで時実新子がブレイクしたのはご存知のとおり。この本はその9年も前の昭和53年に発行されたもの。書かれた年代ごとに5章に分かれている。昭和4年生まれの新子が川柳をはじめた25歳~34歳のころから48歳までの句が載っている。圧倒的な湿り気に溺れそうになるが、正直に真直ぐに書くことが新しかった時代だ。次の8句は最初の章「四時の汽車 昭和二九年~三八年」から引いた。

靴音が近づき胸を踏んで過ぎ

恋成れり四時には四時の汽車が出る

凶暴な愛が欲しいの煙突よ

劣等感一途に烏賊のわたを抜く

ガーベラの赤企みを休ませず

切手の位置に切手を貼って狂えない

その上にまだ同情という侮辱

よく笑う妻に戻って以来 冬

 写真は本の奥付

なお、この本は田口麦彦氏が所有していたものらしい。熊本市上通の舒文堂から購入した。新子さんが亡くなったのは2007年3月10日もうすぐ15年になる。(Y)



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (知青)
2022-02-16 21:51:54
ガーベラの赤企みを休ませず
切手の位置に切手を貼って狂えない
この2句が特に佳いと思いました!

俳句投句のほうもよろしくです。
返信する
Unknown (よーこ)
2022-02-16 22:49:51
知青さん川柳を読んでくださってありがとうございます。紙上句会は月末ぎりぎり投句します。
返信する

コメントを投稿