日本語に正書法がないという議論。論理的思考を考えて、ないというのには、あるものはあるのか。
単語の書き方をひととおりにしようという発想があるなら、日本語にはそれがない。
これでこの議論は終わるはずだが、ないものをあれこれ言う議論はどうにもわからない。
日本語に正書法があるという議論なら、仮名遣いという単語の書き表し方がある。
現代仮名遣いは日本の歴史にかんがみればその長い時間の経過においていくつかの書き方が生まれている。
しかし単語を表音表記という原則でするならそれを書くというその取り決めは有効である。
漢字についてはそもそも文字としての意識、つまり漢字が語であるという漢語と違って日本語に借音を前提とした扱いである。
さて正書法がないならばこうして書くこともできないはずであるから、書くことはできても読むことができないかもしれない。
信長公記という書物は一見して誤字替え字による表記が自由な書き方とも見える謎の書物であるが、実は読めるのである。
ない、という議論は、あることを思い描いた日本語の議論のとらえ方である。打消しという妙であって否定ではない。
そうだったんだ!日本語 正書法のない日本語というhttps://www.iwanami.co.jp/book/b257522.html宣伝ページで試し読みを開いて読んでいて、これは何を書いているのだろうかと、不思議に思うことになる。縷々、正書法があったことを書いているような議論で、それが一つになりえないという日本文化の懐の深さを思い至るような、果てしがない話である。書き方に選択肢があるという結論でそれを説明する日本語の書き方の歴史
をめざす、そこにある判断とやらで議論を見るというのでこれはおもしろいということらしい。
正書法
>〘名〙 特定の言語内で定められている単語の正しい表記方法。 または、一言語における正しい表記方法の体系。 綴字法(ていじほう)。 正字法。
正書法(セイショホウ)とは? 意味や使い方 - コトバンク
グーグル強調スニペットについて
orthography
>言語を文字で正しく記述する際のルールの集合のことである。単語の綴りを一意化する。
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/03/bukai02/01.html
正書法について
> 国語審議会は,昨30年,中央教育審議会の答申「かなの教え方について」を審議した際,正書法その他国語国字の将来の方向について,あらためて検討することとしたのである。
戦後,「当用漢字表」「現代かなづかい」を制定した国語審議会は,さらに24年改組後,法令用語・標準語その他多くの問題を取り扱い,また「人名用漢字別表」「当用漢字補正案」などによって当用漢字の実行の円滑を期してきた。
今その第3期の任を終えるにあたり,漢字・かなづかいを含めて,日本語の表記の基準を求め,これまで個別的に行われてきた仕事の総まとめ,ないしは体系づけを考えてみるべき段階に至ったといえるであろう。
>正書法(正字法)はオーソグラフィーの意味で使われているが,日本語の表記は漢字・かな(ひらがな・かたかな)を交えて書き,しかもその使用が比較的任意になりやすいから,厳密な意味での正書法は漢字・かなの表記であるかぎり,一定することがきわめて困難なことである。