R5年1月31日 火曜日 7℃ 晴れ
デバイスがパソコンかスマフォか、世代で分かれるような時世である。Z世代のことはパソコンというのは用途によるものだろう。スマフォつまりタブレットを使う。デバイスは、説明によると、コンピュータなどの情報端末と機能を追加するために接続する装置の総称というから、スマホとか、パソコンとか、さらにタブレットだけではない。①情報端末デバイス、②外部に接続する周辺機器デバイス、③内部に接続する周辺機器デバイスの3種類と解説するように、周辺、接続機器まである。つなぎ方もワイヤレスが普通になっている。さてそこで情報を入手するために専ら用いるのに対して、パソコンは文書編集機としての使い方でなじむところであった。その世代はパソコン通信に恩恵を得ている。それから、データ収集とその処理のように事務機械の応用範囲はそのためのオペレーターという職種でプロフェッショナルがある。そこに加わったリモートによるオフィスワークにカメラを媒体にした電話システムのオンライン化によるのが昨今の大きな主流となる。どの時代にデジタルになじんだかによって違いがあるものの機種の方が進化して使い手には不自由がなくなった。ワープロ専用機でポータブルが世に出たころという1980年代半ばで懐かしくタイプライターのようにキーボードを叩きプリントアウトしていた世代である。いまはどうか、フィンガータッチで画面にタップするだけの操作で印刷よりもデータ保存のやり取りとなってしまった。そもそも半導体のなせる業でアナログに半導体のプリント基板に想像をめぐらして、真空管に拠る電気信号の扱いとの相違などをしきりにわかろうとする、無駄な思いである。ナノ単位にチップが作られて2ナノを通る、とどまる電子である。
キナリ 9)
京都へ向かった。仲介を得て、とある小料理屋の一室。
動きたいという方がいる。知人から情報を得た。もう一人の助教授の後になる、ふさわしい分野、専門研究、業績、年齢と、ぴったり、条件に合う。
偶然ともいえるし、成り行きだけで済まないから、必至で「金の草鞋で捜す」思いをした。
―よろしくお願いします。
頭を下げて畳に伏した。
あの時をリアルに思い出した。
そう、会議の決定であいさつに行かなければならないからついてきてほしいと言われたのである。わたしたちには本意でないことを強引に行った。独り相撲でいまさら、ここまでかかわりを持つことは何を意味するのか。
お宅を訪ねて体裁を取り繕いたかったのだろう。すみませんと、そこで三人は這いつくばる。その帰りに急に不安が襲った。
こういうことかと思い知ったことであった。
人事は成るかならないか。命運を左右するから、内密に進められて、成ってめでたし。
辞めると表明してしまえば組織も勤務要件を満たしてくれば無用ものとなるのに後追いはしない。二人そろってその後任探しはうまくいった。
ここでちょっと異なことが起きた。
割愛がふたつあるところ、ひとつは休み明けの会議に出された。もうひとつが出ない。
問い合わせてすでに届いているはずだとわかったのだが、所属長の机上に積まれた書類に潜んでしまった。決済順に上がってこないのを事務長が知って、これは会議にかけるスケジュールが過ぎてしまうと案じたらしい。
さらに会議に議題となったが、議論にもなったようだ。
案件の用意は整っている。ふつうに審議すれば承認される。それをならぬではないかと意見が出された。貢献の度合いに比して部署での損失が大きいというものだった。それはせめてものことだったと思われて議事は決した。
どういうことか。後任を見つけて、転出のあとで必要に応じてコマの穴埋めをする、事業については組織がシフトしてきている、フォローすべきは人材養成にあるので、これはその後に十年続く。
ひとくちに十年、そのうちに流れる歳月に次々と起こったこと、これがすべてではない人事を知った。赴任早々の抜擢は組織による校風に、なじんだことに、利用する自分がいる、利用される誰かということで、それはわたしにむかっていた。
ゼミ生と神戸須磨旅行に出てさよならをした。