毒舌の日々

なかなか人前で言えないことをぶちまけます。

『コンビニ外国人』 芹澤健介

2020-05-24 23:45:35 | 読書
『コンビニ外国人』 芹澤健介
¥760+税 新潮社(新潮新書) 3028/5/20発行
ISBN978-4-10-610767-2

コンビニの仕事は多岐にわたる。
正直、私はコンビニで働く自信はない。
それを母国語でない言葉を操って仕事をこなす外国人スタッフたちは、すごい。
常々感心しきりである。

そんな外国人労働者についてのルポ。
労働者及び留学生、ですね。

しかしなー。
この手の本は読めば読むほど日本の制度の不備を感じるね。
遠くない将来、日本は外国人労働者たちからそっぽ向かれるんじゃないかね。
労働力不足は分かってるのに、なんでこうかな。
ていうかね、不足してるのは労働力なんじゃなくて、「安くて使い捨てできる働き手」なんだよ。労働力自体は減少傾向といってもそこまで急カーブじゃない。それは求職人口を見てもわかる。
正社員の口を求めて未だ非正規労働に甘んじる就職氷河期世代はまだ山ほどいる。労働力はある。
人件費を安く抑えないと競争力が落ちるというのは、適正な価格じゃないのだと思う。
高い商品では客に買ってもらえないというのは、客に購買力がないからだ。その昔、フォードが従業員の給与を高くして、購買力をつければ車が売れるとしたのは正しいと思う。今の日本はごく一部の富裕者層が富を寡占して、まあまあやっていけてる中流がいて、ワーキングプアがどんどん増えている。これは外国人でも日本人でも変わらない。ついでに言うなら日本だけでなく世界中で同じ傾向が続く。

労働に対して適正な報酬が与えられれば、その結果の適正な価格の商品を購入する購買力も与えられ、結果、経済は正しく回る。理論的には。

ここで抜け駆け的に安価な労働力を採用する企業があるとバランスが崩れる。今はこの状態。これを世はグローバル化と呼ぶ。労働搾取の別名。


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