仏像彫刻と共に歩む侊慶の記録

仏師 紺野 侊慶の記録

仏像に魅了されて(聖観音3)

2014年06月15日 | ホームページ
水晶の唇
これは実際に現物を見ないと分かりにくいのですが、唇が水晶でできており、大変珍しい表現です。


唇に光沢があるのがお分かりでしょうか。
この表現は、他にも玉眼という表現方法があります。

               不動明王  運慶作
目に水晶で作ったコンタクトレンズのような形を顔の裏側からはめて行う技法があります。
それと同様に唇を水晶で作り、生き生きとした表現になっています。

最近、手のひらサイズの涅槃釈迦が見つかり、胸元が水晶で表現されている仏像も発見されました。


             快慶の工房で制作された可能性があります。

これら3体ともが鎌倉時代に制作された仏様です。この時代の表現方法はそれまでの時代と違い、いかに仏像が神々しく輝いているか、また、彫刻としてもどれだけ表現できるかと考えて制作している時代です。その中から生み出された発想なのだと思います。

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