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なんちゃってキャンディキャンディ劇場!- 或いはただの人形の話

『キャンディ・キャンディ』ファンが既製のお人形でキャンディファミリーを作ろうとする試みです。

『ナルニア国物語』と『キャンディ・キャンディ』

2014-07-04 | キャンディキャンディ話
『ナルニア国物語』と『キャンディ・キャンディ』は一見何の関係もなさそうですが、ナルニア三部作の映画が制作された時、その中でカスピアン王子を演じたベン・バーンズがテリィっぽいと海外のキャンディ・キャンディファンサイトで話題になっていました。「映画化するなら……」と妄想するのはどの国でも同じですね。
私が最初に『第二章ーカスピアン王子の角笛』を観た時は「そうかなあ?」と思ったのですが、次の『第三章ーアスラン王と魔法の島』を観て、その成長したカスピアン王子のファンになりました。黒褐色の長い髪でイケメンでなんですよね。ナルニア国物語の中でもこの話が一番好きなのでちょっと嬉しくなりました。
そして、このナルニア第三章に「ユースタス」というペベンシー兄妹のいとこが登場するのですが、これがまたニールを彷彿とさせる嫌なやつだったのです。というのも、戦争でユースタスの家に疎開してきたルーシーとエドマンドをいじめただけでなく、ペベンシー兄妹と一緒にいってしまったナルニア国でも、最初はわがまま放題で、みんなの足を引っ張る厄介な存在だったのです。でも、そんな彼もある事件をきっかけにその態度を改めることになるのですが……
そこで、思い出したのが、どこかでキャンディの原作者の方が「ニールを成長させてあげられなかった」ような発言(どこに書いてあったか忘れました)をしていたことなのですが、どこかニールにはあのユースタスのようにきっかけさえあれば改心できる純粋さがあるような気がするのですよね。イライザはずっとあのままのような気がしますが(笑)。そもそも男の子の方が女の子より単純なところがあるからかもしれません。
そして以前このブログで「もしもキャンディたちが無人島に漂着したら……」という話を妄想したのですが、そこでニールはユースタスのように島での冒険から学ぶことができるような気がしませんか?
というわけで、この妄想まだまだ続きますよ。

もしもキャンディたちが無人島に漂着したら…

2014-06-26 | キャンディキャンディ話
さて、今日もまたTV番組の話ですが、イギリスの冒険家Bear Grylls(ベア・グリルス)の新しいサバイバル番組”The Island with Bear Grylls"のファーストシーズンが先月終わったのですが、これがなかなか興味深かったのです。
正直言って、やらせ満載のリアリティショー?には興味がないのですが、これはカメラマン3人ととサウンドマンのスタッフも含めた13人のイギリス人が無人島で1ヶ月を過ごすという企画で、もちろんスタッフも同じ境遇に置かれています。つまり、自分たちの生活を自分たちで記録するという試みなのです。そもそもTVはエンターテイメントですから、多少のやらせは仕方ないと思いますが、極限に置かれた人間のエゴは隠しようも無く、この番組の狙いである「便利な現代生活を送る普通の人間が極限の地でどうやって生き残っていくか?」という意味ではサバイバル生活自体も面白かったですが、集団生活の中で人々が他人をどう考え、どう影響し、どう関係し合うのか、ということが非常に興味深かったです。まさにゴールディングの『蠅の王』のように人間の心理は多様に変化していくのですね。

このように、私は漂流ものの話は嫌いではありません。子供の頃は『十五少年漂流記』や『不思議な島のフローネ』をわくわくしながら観ていました。そこで、ふと思いついたのが、もしセントポール学院の生徒たちの乗った船が難破して無人島に流れついたとしたらどうなるだろう?という話なのですが、面白くなりそうな気がしませんか?キャンディがヤシの木に登って実を採っている姿は想像に難くないですよね?ステアはすぐ沈んでしまうような船を作り始めるかも知れません。イライザとニールは何もしないで騒ぎ立てているだろうし、テリィは最初はみんなと距離を置いているかもしれないけれど、サマースクールの時のように徐々にキャンディと魅かれ合っていっていくでしょうね。
と、まあ自分の勝手な妄想ですが、本当は原作者にベルばらの外伝のようにいろいろな話を書いて欲しかったです。それがかなわぬ今はこうして妄想するしかないのですよね(涙)。

アガサ・クリスティ『忘れられぬ死』

2014-06-24 | キャンディキャンディ話
以前このブログで、アガサ・クリスティの『忘れられぬ死』(Sparkling Cyanide)について書いたのですが、ちょうどTVでこのドラマの再放送をやっていたので観てみると、それはずっと前に観たことのあるドラマ(1983年)ではなく、舞台を現代(2003年)のロンドンに移したまったく違うドラマでした。そもそもよく覚えていたのはキャンディ・キャンディ絡みでローズマリーという婦人とアンソニー・ブラウン氏という人物だけだったのですが、この話は設定を現代のロンドンに置き換えただけではなく、登場人物もかえてしまっていて、アンソニー・ブラウン氏が出てこないどころか、ほとんどの登場人物の名前ですら違うのです。(ローズマリーとアイリスはそのままですが)更にこの事件を追うのが年配(60代後半?)のシークレット・エージェントのカップルという大胆なアレンジの仕方です。しかもアリバイを覆すのがCCTVカメラのフッテージというお粗末さですから、これはもう原作とはまったくの別物と考えた方が無難ですね。

トミー&タペンス

2014-06-03 | キャンディキャンディ話
最近イギリスでは、TVの番組を見逃しても、TV局のHPで’catch up'として数週間動画としてみることができます。録画する手間が省け、しかも自分の部屋でいつでもみられるので重宝しています。そして再放送でも最後に放映した日から数週間はみられるので、私は特にアガサ・クリスティのTVシリーズをよくみています。

昨日はたまたま再放送の『ミス・マープル』 (2006年)を観ていたのですが、タイトルが"By the Pricking of My Thumbs”(『親指のうずき』)と出てびっくり。というのはこの話は原作を読んだことがあって、トミー&タペンスというカップルが活躍する話で、原作ではマープルは出てこないのですが、この作品ではたまたま居合わせたマープルがタペンスと共にミステリーを解決する話になっていました!もちろんトミーも出てきますが、トミーはMI6(ジェームス・ボンドと同じ所属)で働いていて忙しく、話が大詰めになってくるまでは不在の設定でした。でも話がよく出来ていて違和感もなく、なかなか面白かったです。しかもタペンスを演じた女優さんがとても魅力的でした。

他にもこの二人が活躍する話はいくつかあって、80年代にTV化もされていますが、他にもないのかなとググってみると、なんとBBCがクリスティ生誕125周年を記念して今年中に6本シリーズで制作するというニュースを見つけてしまいました!本当に偶然でびっくりしてしまいましたが、すでにトミーには”Little Britain”で有名なコメディアンのDavid Walliamsに決まっているようです。タペンスは今の時点ではまだ決まっていないようですが、はっきりいってタペンスの魅力がこれら作品の魅力でもあるのでちょっと心配です。

この新シリーズはどうやらミドルエイジになった二人(原作では20代と40代の両方の話があります)の設定になるらしいのですが、もし私がキャンディ・キャンディの二次小説を書くとしたら、私の好きな二次小説『水仙の咲く頃』の続編として、俳優を引退したテリィと子育ての終わったキャンディがトミーとタペンスのようにミステリーを解決するというお話を書いてみたいです。そうそう書けないですけどね。自分が読んでみたいだけです。

ブログお休みのお知らせ

2014-03-13 | キャンディキャンディ話
やっぱり日本の春といえば桜ですね。この季節になるととても日本が恋しくなります。そんなわけで、今年もこれからしばらく日本へ里帰りします。ブログはしばらくお休みしますが、4月中旬には再開する予定ですので、また遊びに来て下さいね。

ちなみにイギリスはもう水仙が咲き始めています。こちらでは水仙が春の象徴ですね。今年は暖冬で春が来るのも早かったようです。マンガの『キャンディ・キャンディ』や小説の『キャンディ・キャンディ-ファイナル・ストーリー』の中でも水仙は象徴的に描かれていますね。そして、なんといってもそれらをうまく使って仕上げたのが、ここでも以前紹介した二次小説『水仙の咲く頃』でしょう。その影響か、私は水仙を見るとキャンディたちを思い出して嬉しくなってしまうのです。

それではまたね!

アガサ・クリスティとキャンディ・キャンディ

2013-12-14 | キャンディキャンディ話
私の大好きなアガサ・クリスティ原作のTVシリーズ『名探偵ポアロ』がここイギリスで先月最終回を迎えました。ここ数年はスペシャル版のみの放映でしたが、1989年から続いた長寿番組で、日本でも放送されていたので楽しみにしていた方も多いのではないのでしょうか。今シーズンは四話あって、第一話にはお馴染みのメンバー(ジャップ警部、ミスレモン、ヘスティングス大尉)が再会するファンには嬉しい設定になっています。そして、最終話は原作の最終話("Curtain: Poirot's last case")通り、初回に舞台になったスタイルズ荘に戻るお話です。原作のポワロもその役を演じる俳優(デビッド・スーシェ)も年をとって、静かでノスタルジックな雰囲気の中で息を呑む結末を迎えます。全体的に重たい空気の暗いお話ですが、そんな中で名優デビット・スーシェの演技が光っています。日本でもそのうち放映されるでしょう。お楽しみに!

さて、本題ですが、クリスティの作品に『忘れられぬ死』("Sparkling Cyanide" )という小説があって、ポワロもマープルも出てこない異色の作品なのですが、その中に「ローズマリー」という婦人と「アンソニー・ブラウン」という人物が出てきます。確証はないのですが、キャンディ・キャンディのあの二人の名前はここからとってつけたのではないかと思われます。ちなみにクリスティの旦那さんの名前はアーチボルトですし、偶然だとは思えないのですが……。ちなみにこちらでは「アンソニー」も「アーチボルト」も今やオールドファッションな名前になってしまっているようです。ステアは何からつけたかわからないのですが、不思議なことに、こちらだと'Alistair'は'Ally'(アリー)と呼ばれるようで、'Stair'となるとますますもって謎です。アメリカだとそうなるのでしょうか?そしてテリーはというと、どこかで原作者の方がシェークスピアの作品に出てくる脇役からとったと書いてあるのを読んだのですが、どの作品に出てくる人物なのか言及していませんでした。気になりますね。ちなみにテリュース(Terruce)という名前は聞いたことがないですね。シェークスピアは年代が年代なのでTerrenceの原型なのか、それともシェークスピアが作り出した名前なのか、これも気になりますね。どなたかこういった事情を知っている人があったらぜひ教えてくださいね!

ところで、ポワロは1920年代が舞台ですが、以前紹介した二次小説『水仙の咲く頃』の舞台と重なります。ポワロを観ながら、「こんな時代にキャンディも生きていたんだなあ」としみじみ思ったりしてました。20年代はファッションもカルチャーも興味深いですね。そして、ちょっと遡るとシャーロック・ホームズの活躍した年代ですが、この辺りはセントポール学院の頃でしょうか?そんなことも考えながら観るのもまた楽しいですね。ちなみに、これまた人気のTVシリーズ『シャーロック』の新作が来年の1月1日に放映される予定です。こちらもまた日本で放映されるでしょうから楽しみですね!

スコットランドのサマースクールってどこだろう?

2013-05-21 | キャンディキャンディ話
実は『キャンディキャンディ-FINAL STORY』を読んで、ひとつショックだったことがありました。
それは、サマースクールについて「エジンバラ郊外の……」と記述されていたことでした。私はずっとグラスゴー郊外のLoch Lomond(ローモンド湖)だと思い込んでました!ローモンド湖は多くの詩にも詠われているように、スコットランドで一番大きくて有名な湖なのです。
だったら、どこなのでしょう?はっきりいってエジンバラの郊外といえるところに湖はないはず。
そこで地図を見直して、隣の州にまで範囲を広げてみると……あっ、あった。Loch Levenってのがある(注:Lochっていうのは湖という意味)。でも郊外っていうには遠いなあ(苦笑)。

とりあえず、この湖について調べていると……Kinross Houseという大邸宅を発見!そもそもはSir William Bruceという17世紀の建築家が建てたもので、今は豪華なホテルになっているみたいですね。写真を見ているだけでうっとりなので、ぜひHPを見てください!いつか泊まってみたいなあ……。

Kinross House
http://www.kinrosshouse.com/welcome/


これならグランチェスター公爵が住んでいたとしてもおかしくないでしょ。

なんちゃってキャンディキャンディファミリーについて

2013-05-20 | キャンディキャンディ話
このブログは自分の頭の中だけで進行しているので、そういえば何をやりたいのか他の人にはわかりませんね。
そこで、もう一度頭の中を整理させて、ルール?を記述しておきましょう。


コンセプト:キャンディキャンディの世界をお人形(ドール)で再現する。

      *カスタムできればそれに越したことはないけど、とりあえず無理なので
       市販のお人形に劇団員になってもらいましょう。


舞台設定:漫画キャンディキャンディ終了の数年後、一同が再会する。

      *みんなにちょっと年をとってもらいましょう。そうしないとやりづらいです(笑)。
       最終的には誰かの結婚式で再会するという設定もいいですね。


構成員(劇団員):誰とはいわず、随時募集中です(笑)。但し、予算の関係上オークションで楽しみながら気長に探すつもりです。


簡単にいうと以上ですが、基本はただのお人形遊びです。関係ないお人形の話や寄り道が多くなりそうです。ご了承ください。



キャンディキャンディ二次小説『水仙の咲く頃』について

2013-05-18 | キャンディキャンディ話
キャンディキャンディ二次小説『水仙の咲く頃(原題: The season of the daffodils)』By Josephine Hymes/ブログ主 訳


このブログの前に書いていた非公開の雑記より転載。長い上にネタバレがあるので興味のある方だけどうぞ。読んだ当初は本当に興奮してしまい一生懸命感想を書いていたんですね。



『キャンディ・キャンディ』が終了してもなお、ファンの心をいつまでも締め付けていたのは、テリィの存在だっただろう。テリィとキャンディはあれほど愛し合っていたにも関わらず、原作の中では決して結ばれることがなかった。キャンディがアルバートさんの胸に飛び込んでいって終わるエンディングは作者によって緻密に計算された結末だったとしても、作中のテリィの存在があまりにも大きくなっていた為に(これは作者も当初は想定外だったと推測される)ファンの心に何かしこりのようなものを残してしまった。ともかく彼がスザナの元に留まることを決意してしまってからは、ファンはこれを見守るしかなかったのである。
確かにアルバートさんは愛すべき人物であり、キャンディはアルバートさんの元で幸せに暮らしたと想像はできても、それは心の「家」のようなものであって、「兄」のような存在以上に想像することができただろうか?
実際、自分も30年ぶりに原作を読み返してみて、昔感じ取っていたこととは全く違う印象を得ていた。当時はリアルタイムの読者で小学生であったが、アンソニーが自分にとっても「初恋」の相手だったいってもいい。やはり年齢的に一番身近であって、憧れの穢れ無き「王子様」であった。アルバートさんは「おじさん」であり、恋愛対象としてみることは決してできなかった。テリィとスザナの関係に関しては理解するにはあまりに子供すぎた。今ではそんな純粋さも失って、ほとんどの登場人物の年齢も超えてしまい、それでもキャラクターそれぞれの立場で読む楽しみは増えたが、それにも増してテリィの不憫さが読後に胸につかえた。
(ちなみにイタリアではアニメのエンディングをイタリア国内に限るという前提で、テリィとのハッピーエンドにかえてしまったそうである。お国柄もあるだろうけれど、そうでなければ納得できなかった人たちが多かったのも事実だろう。)

前置きが長くなってしまったが、そんな歯がゆい想いを抱いていたうちの一人であっただろうと思われるアメリカ在住のファンが、『小説キャンディ・キャンディ-ファイナルストーリー』の内容を受けて書き下ろした二次小説が、この『水仙の咲く頃( The season of the daffodils)』である。
物語は基本的にキャンディとテリィを軸に描かれていて、二人が別れてから9年後にテリィがキャンディに手紙を送ることから始まる。「僕は何もかわっていない」と。スザナはその1年半前に亡くなっていたが、テリィが勇気を振り絞って手紙を投函するまでには自分自身で過去を整理する必要があったのだ。この後の文通から再会を経て、二人は「過去」と「今」を語り合い、その永い空白の時を埋めるように執拗な会話が繰り広げられていくのだが、作者は過去の原作のエピソードを持ち出して巧みに物語を進行させる。カラフルな描写とユーモアを交えた会話が読者を物語の中に引き込んでいるのは間違いないが、何よりも作者は登場人物を「成長」させ、今の読者がそうであるように「大人」の視点で描いている。つまり、まさに昔の読者が「今」読みたい小説に仕上がっているのだ。

この小説の中では、テリィは長きに渡る重圧のせいか、いわゆる気難しい(と世間では見られる)人物になっていて、時として自虐的であったりするが、キャンディと再会してからは凍った心が溶けるようにキャンディだけでなく徐々に他人にも心を開いていく様が描かれていて、それはこの物語をより深いものにしている。そう、彼はずっと幸せではなかったのだ!
キャンディはどうだろう?彼女はあれから(最終回)ずっとポニーの家に住み続け、看護婦をしながら孤児院の仕事を手伝っていた。そして募金集めの旅もこなす忙しい日々を送っていた。もちろん、アルバートさんはもちろんのことアニーやアーチーとの関係も順調で、何不自由になく暮らしているといってよかった。当然お金の心配などないはずだ。だが、なぜそんなにも自らを忙しくする必要があったのか?それはテリィを忘れるためであり、彼女は周りの人に愛されて幸せだったかもしれないが、それはあくまで「家族」的な関係であって、やはり愛する人はテリィしかいなかったのである。
しかしながら、過ぎ去った日々は二人をそう簡単に元へは戻さない。二人はお互いの気持ちが「かわっていない」ことを再確認するが、過去が重くのしかかるのである・・・。でも心配はいらない。二人の気持ちが確かになったからには、今度こそ誰もじゃますることはできないのだ!

作者はキャンディとテリィだけに焦点を置いているのではない。アルバートさんやアニーやアーチー、そしてニールとイライザまで原作のイメージそのままに登場させる。それぞれ年を取って状況も変わったりはしているが、決して過去の読者を裏切らないキャラクターを保っている。中でもアニーを好ましく成長させたのは特筆に価する。アニーの一途な愛はアーチーの心を勝ち取り、二人は結婚して一男を授かっていた。その男の子の名を「アリステア」という。アニーは母になったことで以前にはなかった強さも持っていた。もちろん昔ながらに控えめで大人しい性質はそのままに。アーチーは相変わらずおしゃれで、相変わらずテリィが気に食わなかった。この二人のやりとりもこの物語の中で要所の一つとなっている。アルバートさんはアードレー家を背負って立つ事業家として忙しい日々を送っていたが、自由な心はそのままに、キャンディが心から信頼できる頼もしい存在になっていた。ニールとイライザは昔のままにいじわるだったが、相変わらず二人の言動は起爆剤となって、この物語の進行に重要な役割を果たしている。

この物語の魅力はその語り口にもある。作者は登場人物に自由に語らせるだけでなく、客観的な描写をさりげないユーモアを交えて付け加え、それはまるで映画を観ている様な気分にさせるのだった。1920年代の歴史的事件や人物、そして当時の流行も取り入れているのもこの物語をいっそう魅力的にしている。しかも原文(英語)では当時のスラングまで使っている凝りようだ。テリィのイギリス貴族的なちょっとよそよそしい言葉遣いなどもその人と生りを表していている。つまり小説としてかなり完成度が高いので読み物としても楽しめるに違いない。



これ以上興味を持たれた方はぜひ本文を読んでくださいね。この愛のいっぱい詰まった小説を紹介してくれたブログ主さんに感謝です。

*リンクはあえてしていないので、タイトルでググってみてね!

小説キャンディ・キャンディ-Final Story

2013-05-17 | キャンディキャンディ話
『小説キャンディ・キャンディ - FINAL STORY 上・下 』 名木田恵子 祥伝社

この本について書いておくつもりが、どんどん先送りになってしまったので書かなきゃ!

21世紀にもなってこんな本が出ていたなんて本当にびっくり。キャンディのその後についてググっていた時に偶然見つけてしまったのだけど、ここはイギリス、そう簡単に手には入らないのですよ(涙)。 (*後でしっかり手に入れました!)
まずは、情報収集にmixiのキャンディキャンディのコミュニティに参加。いやあ、すごいですよ、このコミュ。ファンにはありがたい情報がぎっしりだし、皆さんとキャンディキャンディをいろいろな意味で共有できる貴重な場なのだ。とりあえず、ファイナルストーリーについて書かれたトピックを覗いてみると……これまたすごい!読む前からすっかり読んだ気になって、一緒に「あのひと」について考えてしまった(笑)。

この本はマンガを小説にした部分に「その後」が少しだけ付け加えられているのだが、成人して「あのひと」と暮らしているキャンディが過去を回想するという形で話は進行し、なぜかセントポールを離れるまでは普通の小説形式、後半は「その後」を報告するように手紙形式になっている。

そう、キャンディは誰かと結ばれ、幸せになっているのだ。それが誰かって?それを初めから作者が明言していたら、こんなに物議を醸すことはなかっただろうに、作者は「長年の読者たちの夢を壊すことになるかもしれない」と「最初から曖昧にしようと決めていた」そうだ。そうくると、読者は想像の粋をでないのだが、小説にかかれたわずかな情報から、手がかりをつかもうとするよね。これはもういろいろなサイトで探偵小説のように考証されているので、私のでる幕でもないけど……

でも、ちょっとだけいわせて。(注意:ここから少しネタバレします。)

ここに書かれている一番重要な情報は、スザナが死んだということ。そして、その死後1年半経ってテリィがキャンディに、「ぼくは何も変わっていない……これだけはどうしても伝えたかった。」と手紙を送っていることだ。やっぱり、ここからドラマが始まって欲しいと思いませんか?

そんなわけで、もっと語りたい気もするけど、興味があったら、mixiのキャンディキャンディのコミュニティか、ファンの方が「Sweet キャンディキャンディ」というサイトで「FSあのひと考察」という素晴らしい考証をやっているので、そちらがおすすめです。この方同じサイトで海外発二次小説を翻訳・紹介しているのだけど、これが凄すぎる……これについては次回たっぷりと語りたい。

キャンディキャンディ再読 - 全てはここから始まった

2013-05-15 | キャンディキャンディ話
それは友人より送られた一枚のDVDに収められたマンガのPDFファイルから始まった……。

「あっ、『キャンディ・キャンディ』だ。なつかし~い。」と軽い気持ちで読み始めると、自分でも予期していなかった様々な感情に怒涛のように襲われた。登場人物のそれぞれの想いに、泣いたり、笑ったり、励まされたりしながら、あっという間に読み終えてしまった。思い起こせば、子供の頃はアンソニーが憧れの男の子だった。丘の上の王子様がアルバートさんだとわかった時はただただびっくりした。なぜかその頃はアンソニーと丘の上の王子様を切り離して考えることができなかった。二人が似ていたということもあるけれど、当時はアルバートさんがおじさんに写り、憧れや恋愛対象ではなかったからだろう。「王子様」といわれてもピンとこなかった。テリィに関しても、最初はあまりよく思い出せなかった。つまり幼い自分はキャンディを取り巻く状況をうまく理解できなかったのだと思われる。なによりも自分自身がキャンディの成長についていけなかったからかもしれない。大人になった今読んでも楽しめるような内容なのだからそれも無理もない。すっかり成人した今では、アルバートさんの優しさが身に沁みるし、生き方にも憧れる。そして、なんといっても、今回読み直してテリィの境遇や運命に強く惹き付けられてしまった。あぁ、テリィあんなに激しくキャンディを愛したのに……。

それで……その後どうなったんだろう?と、ググってみると、なんと原作者の二人が大変なことに!著作権で揉めていたのである。そんなわけで、続編はおろか、本の再販やアニメの再放送までできない。当然グッズも販売できないわけで、うちにも昔お人形があったなあと思ったら、なんだかどうしてもキャンディのお人形に会いたくなってしまったわけである。

しかし、ここは日本ではないのだ。友人がわざわざマンガをPDFにしてくれたのもそういう事情があった。なので、ヤフオクもできないし、まんだらけにも行けない(笑)。

そこで考えたのが、ebayに出ているかも!ということで、覗いてみると……。当然ここイギリスでは放映していなかったので皆無。範囲をEU内に広げて検索してみると……あった!イタリアとフランスのebayに出てる!でも恐ろしく高いし、何が書いてあるかまったくわからない(笑)。

……諦めました。

そんなわけで、肩を落としつつも何気なくebay ukを覗いていると、そばかすのあるカーリーヘアの二つくくりの髪型の子を発見!バービーに似てるけど、スキッパーと書いてある。実は私はマンガ同様、お人形も子供の頃以来触ったことがない初心者だった……。

あぁ~ここからがドールにはまっていく第一歩なのであった……。