あたりまえ経営のきょうか書

「あたり前のことが、あたり前にできる」思考で、経験から「誰でも知っているようだけど、ちょっと違う」という情報をおしゃべり

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-44 【組織で動く】 「蓄積は力なり」 組織の財産の蓄積 pAa02

2021-03-18 07:31:00 | 【経営者】 組織で動く

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-44 【組織で動く】 「蓄積は力なり」 組織の財産の蓄積 pAa02

 

■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ

 

 リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。

 

 激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。

 

 1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。

 

◆ 1-34 【組織で動く】 「蓄積は力なり」 組織の財産の蓄積 pAa02

 

 別項にて、「個の財産を、個に偏在させず、組織の財産とする」ということをご紹介しました。

 社員一人一人が持っています、個人の経験や知識や情報は、一つ一つは、それほど大きくなくても、それが集合され、整理されますとノウハウ集としての、大きな情報データベースとなります。

 新入社員の時には、西も東も解らない人が多いのですが、それぞれ個人の財産というのは、社員研修や、社員一人一人の日常業務をもとに培われてゆきます。それは、一人一人異なるもので、それを集合しますと大きな財産になるということは、すでにお話しましたし、どなたもご存知のことです。

 ところが、必要性を頭でわかっていても、それを実践できている企業は意外と少ないのです。それゆえ、日常業務が、漫然とすすめられ、そのまま一日が終わり、一月、一年と過ぎていってしまうのです。

 まずは、日常業務として、何が行われ、その結果、なにが問題だったのか、他の社員にも応用できるようなよいところはなかったのか、等々を、日常の報連相の中で、双方向コミュニケーションとして行われなければなりません。

 形式的な、報告業務だけに終わらず、報告者と、それを受ける管理職が、双方向コミュニケーションを行い、重要ポイントを確認し、それらが標準化された形式で記録として残され、蓄積されてゆかなければなりません。

 これを全社員が参照し、各自が自分のビジネス活動に利用できるようにしたものを「共用智」といいます。

 これがキチンとできることが経営管理です。

 ここで蓄積された組織の財産を、経営管理に活かし、次の経営戦略立案に活かすことにより、その企業としての財産が、商品・サービスとして、価値創造をし、組織の財産が再生産され続けて企業が成長します。

 蓄積された財産であります経営資源を活用しながら、社員は日常業務を繰り返してゆきますので、企業は、経営の成長スパイラルに乗ってゆくのです。

 漫然と、日常業務が進められている企業では、それが日常のサイクルとして繰り返されるだけで、成長スパイラルになっていないのです。

 あまりにも当たり前なことですので、その重要性が軽視され、漫然とした日常サイクルが、マイナスのスパイラルに陥っていることすら、気がつかないでいるのです。

 日常活動に中に、その企業のノウハウや強味が潜んでいますが、それが記録として蓄積されず、その蓄積が、明日の企業経営に活かされていませんと、このマイナスのスパイラルに陥るのです。

 ノウハウを蓄積することが、ノウハウをさらに成長させるという意識が、企業をプラスのスパイラルにするか、その逆かが決まります。

 「継続は力なり」といいますが、漫然とした日常サイクルの繰り返しでは、他社と同じことをしているに過ぎず、他社との差異化(差別化)が図られません。すなわち、そこで成長がストップしてしまっているのです。

 優良企業が成長してゆきますと、成長がストップしている会社は、相対的に地位が低下、すなわちマイナス成長のスパイラルに陥っているということなのです。現状維持というのは、相対地位が低下していることであって、横ばいをしているわけではないのです。

 このような、あたり前のことは、読者はご存知でしょうが、それが実行できているかどうかが問題で、その企業の実力として表れてくるのです。

 あたり前のことを、頭で理解しているだけでは、企業存続は危ういのです。あたり前のことを、あたり前にでき、そのあたり前を成長させていくことが、今、企業経営に求められていることです。
 

 

 

 

 

■【あたりまえ経営のきょうか書】 バックナンバー

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