あたりまえ経営のきょうか書

「あたり前のことが、あたり前にできる」思考で、経験から「誰でも知っているようだけど、ちょっと違う」という情報をおしゃべり

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-42 【組織で動く】 個の財産をどのようにして組織の共用財産とするか pA930

2021-03-20 07:31:00 | 【経営者】 組織で動く

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-42 【組織で動く】 個の財産をどのようにして組織の共用財産とするか pA930

■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ

 

 リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。

 激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。

 1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。

 

◆ 1-32 【組織で動く】 個の財産をどのようにして組織の共用財産とするか pA930

 ICTの世界では「集合知」という言葉がしばしば使われます。これは、「多くの個人の協力と競争の中から、その集団自体に知能、精神が存在するかのように見える知性である」と【Wikipedia】では定義づけされています。

 私は、企業や組織が、自社のために構築した集合知を、「共用智」と呼んでいます。一般的な、ICTの世界におけます集合知と、ここでいいます共用智には違いがあります。その違いを含めまして、「共用智」とは何かについてご紹介します。

 すでに、関連用語につきましては、その意味合いをご説明いたしました。しかし、言葉だけでは理解しづらい面がありますので、簡単なチャートで追加説明をしたいと思います。

 知識や情報というのは、目的に応じて最適に組み合わせますと、さらに質が高まります。これを、むつかしい漢字を用いた「智識」と定義しています。すなわち「知識+情報=智識」と表すことができます。

 この「智識」という言葉の意味は「正しく教え導く作用を起こすもの」といえます。

【智識+経験】
 この智識に、経験という味付けがなされると「智恵」になります。
 智恵とは、すでにご紹介しましたように、経験から導きだされる智識のことです。

【智恵+集合】
 その智恵を一カ所に集め、整理しますと「集合智」とか「集智」と呼ばれるものになります。

 ここで、ちょっと視点を変えてみたいと思います。

 皆様は、後期印象派のスーラという画家をご存知と思います。点描画という技法で知られています。

 点だけですと、単なる点にしか過ぎませんが、それらが集まるにつれ、まとまった像が浮かび上がり、やがてまとまりのあります絵へと変身してきます。


【浮かび上がる智恵】
 私たちの智識を集めていきますと、あたかもスーラの絵のごとく、次第に浮かび上がってきて、やがて自分の会社だけの智恵が出現します。

 もともとは単なる知識や情報に過ぎなかったものが、智恵という点の集まりから浮かび上がってきたもの、これが、自分の会社のノウハウであり、特質なのです。それを会社の財産として活用すべきなのです。


 すなわち智恵を集めて、それを整理し、「集智」へと形を変えさせ、その集智に「自社独自の経験智」という味付けをします。

 それにより自社独自の集智に昇華できましたら、関係者全てが使えるように、その活用法を全メンバーに共通理解させます。その結果、「集智」が、「共用智」に生まれ変わることができるのです。


 ここで生まれ変わりました「共用智」を、さらに関係者の皆さんが、日常業務にも活かせる形に加工し、活用しやすくします。

 全関係者の実力は、この活用により一層高められます。高められた実力で、共用智の蓄積をさらに進めますと、一段と高められた「共用智」へと成長させることができるのです。



 このようにして、このサイクルを回転させることにより、単なる「点」として始まった「塵(ちり)」が山となるのです。すなわち、共用智を善循環させることにより、サイクルが発展スパイラルに変化し、企業の成長力は一層高まるのです。

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「共用智」とは、どのようなものであるのか、ご理解をいただけましたでしょうか。
 その共用智を、どの様に構築し、どの様に活用するのか、実務面での日常利用法につきましては、関連ビデオをご覧下さると幸いです。
 

 

■【あたりまえ経営のきょうか書】 バックナンバー

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