あたりまえ経営のきょうか書

「あたり前のことが、あたり前にできる」思考で、経験から「誰でも知っているようだけど、ちょっと違う」という情報をおしゃべり

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-43 【組織で動く】 基本を励行できれば全社一丸の活動は実現できる pAa01

2021-03-19 07:31:00 | 【経営者】 組織で動く

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-43 【組織で動く】 基本を励行できれば全社一丸の活動は実現できる pAa01

■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ

 

 リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。

 激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。

 1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。

 

◆ 1-33 【組織で動く】 基本を励行できれば全社一丸の活動は実現できる pAa01

 

 「組織で動く」ことができる企業作りの基本思想のひとつが、「ものさし思考」です。

 考え方・思考の基準となるものを「ものさし」にたとえ、経営上の判断を行うときに、それが正しいのかどうかに使います。

 ものさし思考の基本的な考え方は、意思決定を行うときに、その事項の上位概念と相違がないかどうか常に意識して判断します。これにより、上位概念から下位概念まで思想が統一されることになり、「共通目標」としてふさわしい形になります。

 共通目標というのは、共通に認識されるものと思われがちですが、金太郎飴のような共通した認識ではなく、個々によるバラツキがあることが多いです。そのバラツキを最小限に抑えられるように、一人一人の認識を統一してゆきます。

 企業では、「知識がある」ということと「実行できている」ということは往々にして一致していません。ましてや「実行できている」と「実効が上がっている」とでは大差があります。

 頭で理解していても、実務に活かされていないことが多いですので、ビジネス管理上では、くどいくらいの繰り返しによる徹底が必要なのです。ですから、あえて「共通目標」の「共通認識」ということを強調しています。

 たとえば、経営計画は、経営理念実現のための方策ですので、経営理念を実現するには、どのような方法があるのか、その方法をどの様に運用したら効果が上がるかを経営戦略といい、それを一定期間の目標とするのが中長期や年度の経営計画となります。

 その年度計画を実現するために、各部門は、どの様な考え方で、どの様に経営計画を実現するのか、いわゆる戦術レベルの考え方を部門の年度計画として決定し、明示します。

 各担当者は、部門の年度計画実現のために、自分の担当タスクの中で、何を、どの様に、いつまでに、どのレベルまで持ってゆくのか、いわゆる「戦技」のレベルの年間方針を明確にします。

 経営理念から、経営計画、部門計画、個別計画とドリルダウンしていますので、全ての計画のベクトルが、同じ方向に向いているのです。

 共通認識された目標が確立されますと、その目標の各階層における実行策を実施することにより、全階層において、ベクトルが統一された方向に向かって、一丸となった行動となります。これを「共通行動」と呼びます。

 経営トップは、つねに経営理念実現という命題の中で、企業業績の推移を見たり、グローバル市場の中における自社の現状ポジションを見たりして行きます。

 役員レベルは、経営理念実現のための経営計画を常に念頭におき、その進捗管理を通して、時には、トップに提言し、時には管理職を通じて、関連部門に指示や命令を出します。

 管理職は、経営計画実現のために、経営理念を意識した日常の部下管理を行います。社員それぞれは、自分の成すべきタスクを、個別年度計画書をものさしとして、進捗管理をしながら、報連相を通じて、全社の経営計画実現に邁進します。

 すなわち、全社員の行動も、トップから社員までが同じ目標に向かって、全社一丸の行動をするのです。

 このような、当たり前と思えることですが、これが実施できている企業がどのくらいあるのでしょうか。私は、経営コンサルタントとして、この考え方をベースにコンサルティングをしてきました。「知っていても、業績や企業成長を通して社会貢献するという結果に結び付けられないのでは、企業活動をしているとはいえない」のです。


 「共通目標」は英語で「Common Aims」、「共通認識」は「Common Acknowledgement」、「共通行動」は「Common Action」と表記します。この頭文字は、3つとも「CA」ですので、この省略語の複数形から「3CA's」と表記します。(英文法では、省略語の複数形には、アポストロフィを付けます)

 

 

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