あたりまえ経営のきょうか書

「あたり前のことが、あたり前にできる」思考で、経験から「誰でも知っているようだけど、ちょっと違う」という情報をおしゃべり

■【あたりまえ経営のきょうか書】1-45 【経営者分析】 自社の現状をどれだけ知っているか

2020-12-15 07:31:00 | 【経営者】 経営者分析

■【あたりまえ経営のきょうか書】1-45 【経営者分析】 自社の現状をどれだけ知っているか

■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ

 

 リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。

 激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。

 1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。

 

“真”のプロが実践している発想法と行動術

「あたりまえ経営のきょうか書」


■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ ■
 

■1-4 経営者は自分自身を謙虚に見つめて熟知せよ

 謙虚に自分自身を見つめてみませんか。 

 

■1-45 【経営者分析】 自社の現状をどれだけ知っているか
 
 
 私達経営コンサルタントは、企業を初めて訪問する前に、事前調査をしていますが、それは、望遠鏡で月を見るようなものです。コンサルティングをするには、やはり現地に行き、ボーリングをしたり、環境調査をしたりしてはじめて、月というのはどういうものかがわかってくるのです。
 
 実際に、現地に行って見ますと、想像とはかけ離れていたり、想定通りであったりと種々様々です。そこで、企業を訪問した際に、社長さんを始め、その企業のキーパーソンから「ヒアリング」ということを行います。
 
 ところが、経営者・管理職が言うことに食い違いが結構あります。自社の実態を知っているようで、ご存じなかったり、事実の認識に違いがあったりします。ですから、この機会に、自社の現状を、見直していただきたいのです。
 
 
 一般的に、キチンとした管理をしている企業というのは、月次決算が定まった日までに毎月キチンと出来上がっています。最近の財務管理システムは、単に月次決算をするだけではなく、月次やその累計の財務分析までができるようになっています。
 
 ですから、経営者・管理職の皆さんにその意識があれば、自社の現状や変化を月単位で時系列的に知ることができるはずです。ところが、その資料が出力されることがわかっていますので、「いつでも見られる」という思いからか、何もなければ見ようとしません。ちょうど、東京に住んでいる人が、スカイツリーに昇ったことがないという人が多いのと、同じようなことです。
 
 
 では、経営者・管理職の皆さんには、どのような視点で、自社の現状把握をして欲しいのかを整理してみたいと思います。
 
 まず、自社が成長傾向にあるのか、売上高や利益の増加は顕著とはいえないまでも安定的な状態であるのか、下降傾向にあるのかという、大局的なものの見方をして下さい。
 
 また、外部の企業に自社をどの様に見ているのか、それが自分達の認識と一致しているのか、もし、一致していないのでしたら、なぜなのかをしることも、自社の見方に対する気づきになるでしょう。
 
 金融機関などは、財務状態は当然ですが、「信用」という視点で企業や経営者をみます。そのチェックポイントの一つが、経営者が経営理念や経営計画について、社員とコミュニケーションを充分にとっているのか、年度計画立案に社員に参画意識を持たせるようなやり方をしているのかなどを気にします。
 
 営業面においても、自社の営業力は、業界の中でどの程度のレベルなのか、売上高の量的な面だけではなく、利益率や成長率など質的な面での把握も重要です。業界のライバル状況も重要で、自社は、業界でリーダー的な存在なのか、二番手なのか、フォロワーなのか、それともワン・ノブ・ゼムなのかを知っておきませんと、どの様な戦略をとるべきかも見えません。
 
 また、経営品質といって、企業の健全性や安定性、成長性などを改善するような管理施策を打っているかどうかもチェックポイントとして重要です。
 
 たとえば、「うちでは提案制度を取り入れています」と提案書投入箱を見せられることがあります。しかし、それに関する規定・規約もなければ、最近の提案で採用したこととしてどの様なテーマがあったかを聞いても、何か月も、何年も、何もない企業もあります。
 
 何かをやろうとしたら、結論が出るまでは、継続してゆく意識や行動力がありませんと、いくら経営コンサルタントが入って、アドバイスをしても企業体質や業績は改善しません。「継続は力なり」という言葉を見直して欲しいです。
 
 経営者・管理職が、自社を見直す契機となるように、人間ドックならぬ、企業の健康診断を定期的に受け必要があります。月次決算の結果について、税理士の先生からコメントをきくだけではなく、企業全体を俯瞰的に見る経営コンサルタントの先生にも見てもらうことをおすすめします。
 

 

 

 

■【あたりまえ経営のきょうか書】

  https://blog.goo.ne.jp/konsarutanto

 



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