著 ジョセフィン・テイ(Josephine Tey)
訳 小泉喜美子
強盗犯人追跡中にマンホールに落ちるというみっともない事故で
入院生活を送ることになったスコットランド・ヤードのグラント警部。
毎日口うるさい看護婦の監視にうんざりし、暇つぶしに本を読むの
にも飽きてきていた彼は、ある日手にした一幅の肖像画を見て
疑問を抱く薔薇戦争の際、王位を奪うためにいたいけな王子を殺害
し残虐非道の限りを尽くしたとして歴史に名を残す、リチャード三世。
だがその肖像画に描かれたリチャード三世は、どこか遠くを見つめ
人の心を引きつける表情をしていた。これはあまりに良心的すぎた
人間の顔だ果たして、悪の代名詞とさえなったリチャード三世は
本当に悪虐な暴君だったのか?彼の素顔に興味を持った警部は
文献のみを手がかりに歴史の真相を推理してゆく。
歴史上の人物「ヘンリー3世」の真実を推理するという
奇想天外なストーリーと歴史物として読んでも楽しめる一冊
になっていました、あっという間に読めちゃうミステリーです。