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【富士観望庵】 宮城県の古民家を静岡県富士宮市へ移築再生するプロジェクト。 いよいよ最終段階へ。

黒船来航の4年前に宮城県石巻市桃生に建てられた農家を、静岡県富士宮市にて再生中。隣接農地を借りて田んぼと畠を展開中。

柿渋塗り

2007年04月09日 09時43分00秒 | 柿渋・柿酢
2007年4月8日

当初桃生から持ってきた床板はそのまま小屋裏収納に貼る予定でした。磨いているうちに、味のある板を縁側に使いたいということで、急遽小屋裏収納の高い部分は新しい床板に変えることにしました。土曜日にその床板が現地に市川さんから届いているはずですので、今日はこの板に自家製柿渋を塗る作業です。



仲間と昨年千葉県松戸市にて作った柿渋が届きました。左から一番渋、昨年12月詰め、約400CC、一番渋、4月7日詰め、約1.5リットル、ニ番渋、4月7日詰め、約4リットル。原料は千葉県四街道町の農家の庭先にあった渋柿です。

液の状態は一番渋が少し粘り気がある状態、二番渋はさらさらです。

ボーメ比重計を忘れてきたので、比重の測定が出来ません。残念でした。
初めての方に少し説明しますと、
ボーメ比重計というのは液体の比重を測定するもので、これで柿渋の比重を測定することにより、柿渋の品質が推定できるとされています。柿渋の品質は何と言っても含まれている柿タンニンの量が第一です。ところが、タンニンの含有量は簡単に測定できません(手間隙を掛ければ何とか測定できるのかどうかも怪しいのですが)。そこで、代わりの手段として、柿渋の比重を測定して品質の目安にする方法が広く行われています。今のところこの方法に有力な問題提起もなされていないようですので、kominkaとその仲間はこの方法で柿渋の品質を推定しています。

さて、本題です。

ボーメ比重計が無いので、ベロメーター測定法を採用することにしました。この方法はアナログ分析手法として結構優れものなのですが、測定者の主観に影響されやすい欠点があり、客観性にやや欠ける嫌いがあります。

清潔な指先に一番渋の試料をを塗布して、ベロメータに触れます。ジーンと反応があり、渋の濃度が判明します。ン?もう一度。どうも渋が抜けているようです。12月ボトリングのものと、今回詰めた物との有意差はありません。二番渋は元から渋みが少なかったので今回のベロメーターの測定でもほぼ前回と同じ結果になりました。

(もうお分かりですか?ベロメーターというのは私のベロ、舌、の事です。柿渋は清潔な環境で製造すれば、かつては薬として売られていた位なので、飲んでも全く害はありません。私たちは清潔な製造工程を維持することに気を配りましたので、自分たちで作ったものは何の心配も無く口に入れる事が出来ますが、市販のものはどのような製造工程を経てきたかわかりませんので、柿渋をを扱う際は口に入ることの無い様にしてください。舐めたりするのは厳禁です。)



柿渋を、荒床の上に刷毛、容器と一緒に写しました。約1坪を塗るのに400CCの柿渋が必要でした。荒床なので鉋が掛かっていません、ざらざらなので塗布量は多目です。綺麗に鉋の掛かっている面だとおそらくこの半分、200CC~250CCで一坪を塗ることが出来そうです。

柿渋のにおいはしますので、また全く渋くないわけではないので、多少は効果があると思います。これは経年変化をチェックしていきますので次第に明らかになると思います。



塗り終わった状態です。柿渋は茶色の液体ですが、塗った当初はほとんど色が出ません。紫外線の働きで次第に色が出てきます。またタンニンの含有量が多いほど濃くなるとされています。kominkaの荒床では、
1.一番渋1回塗り
2.一番と二番を50・50で1回塗り
3.二番渋1回塗り
4.二番渋2階塗り
の4種類を試しました。床板に印をつけて経年変化の追跡、スタートです。

先ほど電話で影山さんに荒床貼りの際、経年変化の測定が可能なようにして置く事をお願いしました。

最後に二番渋が100CCくらい残ったので、土台回りに塗りました。ここは確か直射日光が当たるはずですので経年変化が早く観測できそうです。(あまり変化無いかもしれません。実のところ。)



松戸で保管している状態です。このように上に膜が張ったような状態になっています。



膜はこのようなものです。ゼリー状の膜です。上の写真はこの膜を濾してペットボトル煮詰めたものです。

どうもこのゼリーが曲者のような気がいたします。タイミングがうまく合わない嫌いはありますが、柿渋を作ったらすぐに使い切ればこの問題は発生しないような気もします。柿渋を使う作業を柿渋の醗酵が終わった段階に調整することも検討したほうがよさそうです。

一方柿渋の保存法、新たな課題です。



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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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柿渋 (柿渋倶楽部)
2007-04-10 09:42:46
いよいよ柿渋の登場ですね、
ご連絡いただいたように、確かに薄い膜が出来てきてますが、朝と夕方に毎日かき混ぜることは大変なので多少の膜は仕方ないのかもしれません。
倶楽部の掲示板にも書いてますが、埼玉の<赤山渋>
を使用すると他の柿渋に無いいい色が出ます。
玄関や目立つところには赤山渋を使用する事をおすすめします。
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